これまでに500本以上の映画のスコアを手掛けたイタリア人作曲家のエンニオ・モリコーネが、91歳で死去した。先週転倒した際に大腿骨を骨折した彼は、合併症のためにローマで亡くなった。

 1928年11月10日に生まれたモリコーネは、トランペット奏者の父親マリオの影響でトランペットを学び、6歳の頃に作曲を始めた。8歳の時に同級生だったセルジオ・レオーネと小学校で初めて出会うが、二人が再会するのは20年以上経ったレオーネの初ウェスタン監督作『荒野の用心棒』(1964年)となった。マカロニ・ウエスタン・ブームの火付け役となった今作のモリコーネの耳に残る独創的なスコアは、セリフではなく音楽に物語を語らせるレオーネの手法を巧みにアクセントし、二人は計7本の映画でタッグを組んだ。

 長年ローマを拠点としていたモリコーネは、テレンス・マリック監督の『天国の日々』(1978年)、ローランド・ジョフィ監督の『ミッション』(1986年)、ブライアン・デ・パルマ監督の『アンタッチャブル』(1987年)、バリー・レヴィンソン監督の『バグジー』(1991年)、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『マレーナ』(2000年)で【アカデミー賞】の<作曲賞>にノミネートされたが、クエンティン・タランティーノ監督の『ヘイトフル・エイト』(2015年)で初めて同賞を受賞したことが大きな話題となった。

 “ザ・マエストロ”の異名を持つモリコーネは、2007年に“映画音楽の芸術への素晴らしく、多面的な貢献”が評価され、クリント・イーストウッドより<アカデミー賞特別功労賞>を授与された。また、イタリア映画における最高の名誉である【ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞】では11度の受賞経験を持っている。

映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネが91歳で死去