15,000人に1人の割合で生まれるという遺伝子疾患“アンジェルマン症候群”を患う3歳女児の母が『Metro』『The Sun』のインタビューに応じ、「この病気を多くの人に知ってもらいたい」と訴えた。女児は発達の遅れが見られるものの、家族は女児の病気の特徴でもある“笑顔”に癒されているという。

米テキサス州在住のキーラ・ナイデーさん(Kira Hnidey、38)の三女マデリンちゃん(Madeline、3)は、“アンジェルマン症候群”を患っている。「アンジェルマン症候群基金(Angelman Syndrome Foundation)」によると患者は世界に約50万人おり、精神発達の遅れ、てんかん、失調性運動障害、言語障害、そしてすぐに興奮したり笑ったりするためいつも嬉しそうにしているのが特徴だという。

マデリンちゃんがアンジェルマン症候群と診断されたのは生後8か月の時で、てんかんの発作を起こしたことがきっかけだった。米空軍にてフルタイムで働いていたキーラさんは、マデリンちゃんのケアのため仕事を辞めざるを得なくなり一家の生活は一変した。

キーラさんはいつも幸せそうに笑っているマデリンちゃんについて、次のように明かしている。

「マデリンは病院で血液検査を受け、腕に針を刺されても笑っているのです。そんな娘を見て、看護師のほうが驚きます。痛みを感じると泣くこともありますが、半分笑って、半分泣いているのです。笑っていることがほとんどですから、マデリンが頭の中で何を考えているのか理解するのが難しいのです。」

キーラさんによると、マデリンちゃんの一日の睡眠は2~3時間で、現在唯一言える言葉は「ママ(Mum)」とのことだ。また食事はチューブで摂取しており、キーラさんが一番心配しているのがてんかんの発作だという。キーラさんは「日にもよりますが、最近は発作の頻度が増しているようです。マデリンの全身の筋肉の緊張がなくなり、眼球が上転する発作が数秒から長い時で1分は続くのです」と語ると、こう続けた。

「マデリンは抗てんかん薬を飲んでおり、きちんとコントロールすれば命を脅かすことはないようです。初めて娘の病気を知った時は心の準備ができておらず、ショックと不安でいっぱいでしたが、愛する我が子のためならどんなことだって頑張れると信じています。現在マデリンは、理学療法、作業療法、言語療法を受けており、少しずつですが強くなっているんですよ。」

そんなキーラさんを支えるのは、マデリンちゃんの12歳と10歳の2人の姉だ。キーラさんは「私がマデリンにかかりっきりなので、上の2人には申し訳ないと思う気持ちもあります。でも2人はマデリンを特別だと感じているようで、一緒に過ごす時間を楽しみにしているようです」と述べている。

マデリンちゃんは周りのみんなを笑顔にしてしまう魔法を持っているようで、キーラさんは最後にこんなメッセージを残している。

「病気の負の面ばかりをみたらきりがありません。でもマデリンの天真爛漫さに自分が助けられているのがわかるのです。こうしてメディアに出ることでマデリンの病気を多くの人に知ってもらい、あの子が成長した時に、社会がこの病気や娘を受け入れてくれるよう願っています。」

なおアンジェルマン症候群の効果的な治療法は確立されてはいないが、医師はそれぞれの発達段階に応じた適切な理学療法、作業療法、言語療法などを行うことや、対症療法的に睡眠薬や抗てんかん薬を使用することなどを勧めている。

画像は『Metro 2020年7月5日付「Three-year-old girl lives with rare condition which means she can’t stop smiling」(Picture: Mercury Press & Media Ltd)』『The Sun 2020年7月1日付「GRIN AND BEAR IT Our little girl can’t stop smiling despite living in agony with incurable rare disease」(Credit: Mercury Press)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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