女優のエリザベス・モスが主演を務める映画『透明人間』より、本編映像が到着。エリザベス演じるヒロインのセシリアが、透明人間の存在を訴えるも信じてもらえず、精神が徐々に狂気にさいなまれていくことを予感させる姿を収めている。

【写真】狂気になる寸前…映画『透明人間』場面写真

 本作は、ユニバーサル映画のクラシック・キャラクターのひとり「透明人間」を、現代の最先端技術で描くサイコ・サスペンス。海外ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』でゴールデン・グローブ賞主演女優賞とエミー賞主演女優賞を受賞したエリザベスが、透明人間の狂気に飲み込まれていく主人公セシリアを演じる。

 富豪で天才科学者の恋人エイドリアンの束縛された関係から逃れられないセシリアは、ある真夜中、計画的に脱出を図る。悲しみに暮れたエイドリアンは自殺し、莫大(ばくだい)な財産の一部を彼女に残した。しかし、セシリアは彼の死を疑っていた。やがて偶然とは思えない不可解な出来事が重なり、それは彼女の命の危険を伴う脅威となって迫る。「見えない何か」に襲われていること証明しようとするセシリアだが、徐々に正気を失っていき…。

 今回解禁された本編映像は、セシリアエイドリアンの実の兄であるトムに、透明人間の正体は自ら命を絶ったエイドリアンなのではないかと訴えかける場面。セシリアは、エイドリアンが天才科学者として数々の賞を受賞していたことから「彼は発明した。透明人間になる方法を」と真剣に語るが、隣に座る親友のジェームズは両目を見開き、信じられないといったような表情を見せる。

 またトムも「彼は天才でした。だが発明ではなく、弱点を見抜く天才です。故人になっても追い詰める。発明より怖いのは、そう思わせることです」と、セシリアの妄想であるかのように話すなど、二人とも全く信じる素振りをみせない。しかし、セシリアはそれでも「彼は死んでいない」ときっぱり反論し、力強いまなざしでトムを見つめ返す。そこから、次第にセシリアが狂気に包まれていくことを予感させるようなシーンとなっている。

 映画『ソウ』シリーズの生みの親として知られ、監督・脚本を務めたリー・ワネルは「セシリアには自分の中にある強さを見つけてほしいと思った」とキャラクターに込めた思いを明かす。映画の冒頭から、エイドリアンの束縛によってすでに心に大きな傷を負っているセシリアは、さらに追い打ちをかける出来事が次々と巻き起こっていく中で、封じ込められていた感情が爆発し覚醒していく。

 さらにワネルは「映画の脚本を書くときには、“主人公を木の上に追い込み、石を投げつけろ”という古いことわざを大事にしている。主人公を襲う逆境が多ければ多いほど、素晴らしい葛藤が生まれるからね。セシリアを不利な状況に追い込み、観客に“一体どうやって生き延びるんだ?”と思わせるくらいにね」と脚本執筆のコツもコメント。元恋人とのトラウマを抱え、透明人間に命を狙われ、さらに周りにも信じてもらえないという状況に陥ったセシリアが、たった一人でどのように立ち向かっていくのか。これまでさまざまな作品で巧みなストーリー展開を生み出してきたワネルが描く、力強いヒロイン像と新たな“透明人間”の物語に期待が高まる。

 映画『透明人間』は7月10日より全国公開。

映画『透明人間』場面写真 (C)2020 Universal Pictures