ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(80)が、「コロナは単なる風邪。マスクはしなくてよい」との内容のフェイスブック投稿をシェアし、その意図は何かと波紋が広がっている。

鳥越氏自身は、「感染していないと思っている人もマスクはした方がいい」とコメント欄で説明している。それならば、なぜこのような投稿に好意的に反応したのだろうか。J-CASTニュース編集部は、本人に話を聞いた。

「それは間違い」と指摘されると、フェイスブック上で反論

「ドンピシャリ! その通り!」。鳥越氏は、2020年7月1日のフェイスブックで、ある投稿をシェアしてから、こうコメントした。

その投稿は、「コロナは単なる風邪であり、マスクはしなくてもよい。メディアに騙されてはいけない」といった内容になっている。

鳥越氏の投稿シェアについては、「KSL-Live!」など一部ネットメディアでも取り上げられ、ツイッターなどで話題になった。フェイスブックのコメント欄では、「仰る通り」との声もあったが、疑問や批判も次々に寄せられた。「それは間違い」と指摘されると、鳥越氏は、その指摘こそ間違いだとして、「マスクは感染予防には意味なし。感染者が移さないようにつけるのは意味あり」だと説明した。

無症状の感染者もマスクをしなくていいのかと問われると、こう答えた。

「私はいかなる場所でもマスク必要ない、とは言ってませんよ。マスクは予防には意味がない、ただし感染者がマスクで他人にはうつさないので、感染の疑いのある人はマスクは必ず。また自分がチョット思う人もやっ方がいいだろうね」(原文ママ)

鳥越氏自身は、新型コロナウイルスの抗体検査を以前に受けて陰性だったため、コロナには感染していないとした。しかし、「これから感染する可能性はある」とも認め、感染していないと思っている人もマスクをした方がいいと言われているとして、自身も、スーパーやコンビニ、バス、電車などではマスクをしていると明かした。

以前には、感染拡大していた3月末に「妻と下田に旅行」と明かした

それではなぜ、鳥越氏は、コロナは風邪なのでマスクしなくてもよいなどとした投稿をシェアしたのだろうか。

このことへの説明は書かれていないが、マスクで熱中症になる懸念なども言われていることから、ツイッター上などでは、「鳥越さんはマスク強要集団圧力にブチ切れてるだけ」といった見方も出ていた。

コロナによる生活制限の風潮について、鳥越氏は、異議を唱えるような発言を以前にもしている。

週刊ポストの5月26日付ウェブ版記事では、鳥越氏は、アクティブシニアとして紹介され、インタビューにこう話したという。

「批判されるかもしれませんが、私は自粛中も、可能な限り元通りの生活を続けていました」
「『不要不急の外出は控えて』と言われていましたが、3月31日に妻と2人で伊豆の下田に旅行に行きました」

鳥越氏は、「コロナで騒ぎすぎだ」と言い、自身のような高齢者は、家にいるとすぐに足の筋肉が衰えてしまうとして、「自粛ムードに負けちゃダメですよ」と呼びかけていた。

このようなムードに異議を唱えた著名なアクティブシニアは、ほかにもいた。タレントのせんだみつおさん(72)だ。

同じ週刊ポストのインタビューなどで3月下旬、散歩を悪者にするなと訴え、家にいると体が弱るため、「外出自粛しない」と宣言した。ただ、テレビ番組でも同様の発言をしたため批判が殺到、このことについて、娘はせんださんを叱ったといい、せんださんは発言を反省しているという。

「基礎疾患があるときなどに亡くなっており、一般化は間違い」

コロナは風邪とした投稿をなぜシェアしたのかについて、鳥越氏は7月10日、J-CASTニュースの取材にこう説明した。

「コロナで亡くなっているのは、基礎疾患のある高齢者が多く、若い人はほとんど亡くなっていません。岡江久美子さんや志村けんさんが亡くなってコロナが恐怖を与えましたが、2人も基礎疾患がありました。普通でないときに感染しており、一般化するのは間違いですね。コロナの死者は、日本では1000人に達しておらず、インフルエンザのレベルにもなっていません。投稿者の方とは、行動をともにしているわけではありませんが、部分的にですが、そうなんだと思いました」

マスクしないでよいに同意した意図については、こう述べた。

「マスクについては、医者にも何人か聞いて調べ、私なりにちゃんとした考え方を持っています。私は、マスクをしてジムでトレーニングをしましたが、体温が急激に上がってとても暑かったのを覚えています。熱中症になる危険があるときは、子供やお年寄りは、マスクを外していた方がいいでしょう。他人と近いところでしゃべるときは、マスクはいいと思います。私は、スーパーや病院などでは、移されるのも嫌でしょうからマスクをしています。しかし、外では、風が吹いていて、すれ違うのが一瞬なときは、マスクを着けていません」

鳥越氏は、マスクを強要するような風潮がおかしいのだと言う。

「マスク強要は国家主義と同じ。状況を自分で判断すべき」

「なんでもかんでもマスクしろ、全員マスクというのは、国家主義と同じです。戦前の日本のように、白い目で見たりするような風潮について、私は『警察マスク』と呼んでいます。それは、大嫌いなんですよ。マスクをしていないと謝れといった全体主義的な風潮には、私は反対しています。日本が民主主義の国なら、マスクは強要しないと思います。マスクについては、人から言われたからではなく、自分で考えるべきですよ。正しく考えて、自己判断すればいいわけです。自分で判断しなさいということですね」

3月末に下田旅行に行ったことについては、こう説明した。

「そのときは、非常事態宣言が出ておらず、他県へ行くなとも言われていませんでした。旅行は、問題なかったと思っています。自粛して下さいというときには、色々考えますが、たぶん行かないと思います。特急の車両は、僕らだけでしたし、旅館では誰とも会わず、部屋でご飯を食べていました。コロナを決して軽視しているわけではなく、マスクをするべきところはしていますし、必ず手を洗い、人との距離も取るようにしていますよ」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

鳥越俊太郎氏(2017年撮影)