信州の山岳にも及んでいる新型コロナウイルスの影響。北アルプス・槍ヶ岳山荘の経営を受け継ぐ穂苅大輔さんは新しいスタイルでの山小屋再開を模索中だ。そんな穂苅さんがサラリーマンを辞め、山小屋の仕事を始めた2017年の1年間に密着したドキュメンタリー「天空の頂に 槍ヶ岳 山小屋100年物語」を、abn長野朝日放送7月12日(日)に放送する。

【写真を見る】「穂先」と呼ばれる山頂直下にある「槍ヶ岳山荘」は人気の山小屋

今放送では2019年にテレビ朝日系で放送したものを、1時間50分の特別版として再編集。新型コロナの影響が続く中、信州の山岳観光が動き始めた今、改めて放送する。

■ 「天空の頂にー」内容

古くから多くの登山者の憧れの山で、北アルプスの盟主と呼ばれる「槍ヶ岳(3180m)」。その山頂直下にある人気の山小屋「槍ヶ岳山荘」は100年前、槍ヶ岳に憧れた穂苅三寿雄さんが開いた「槍沢小屋」が始まり。

「山は私の愛する人」というほどに自然を愛した三寿雄さんは、「槍沢小屋」や、その後開いた「槍ヶ岳山荘」を拠点に山々を歩き、山岳写真家の草分けとなった。

その後を継いで2代目となった貞雄さんは、山小屋の増築や改築を重ね、現在の小屋の礎を築いた。貞雄さんもまた、高山の様々な表情をフィルムに収め、写真家としても名を知られている。

3代目の康治さんは大手商社に就職するも、40歳のとき「自分にしか出来ない仕事をしたい」と考え山小屋を継いだ。康治さんはいち早く環境に優しいトイレを導入するなど近代化を図り、さらにブロードバンド網で北アルプスの山小屋を結び、山の「今」を伝えるライブ映像を発信するなど努力を重ねた。

そして、2017年4月。康治さんの4男、大輔さんが大手携帯電話会社を辞して山小屋の仕事を始めた。幼い頃から父に連れられ槍ヶ岳に来ていた大輔さんは「いつか小屋の仕事をしたい」という思いを持っていた。

まだ冬山の様相を呈する4月の小屋開けから4代目の修行を始めたが、大輔さんは思っていたよりきつい仕事に驚いたそう。慣れない仕事に戸惑いながらも、高山でしか見られない光景を誰かに伝えたいと思うようになった大輔さん。

4月の小屋明けから11月の小屋閉めまで、槍ヶ岳山荘の1シーズンに密着。槍ヶ岳に寄り添いながら、100年4代が受け継いでいこうとする思いを見つめた。(ザテレビジョン

北アルプス・槍ヶ岳にある山荘の1シーズンに密着したドキュメンタリー特別編を放送