新しいM3
9月に欧州で発表予定となる、次世代型「BMW M3」のプロトタイプが目撃された。
最小限のカモフラージュを施された今回のテスト車両は、兄弟モデルのM4と同じ、巨大なキドニーグリルを備えていることが明らかになった。
プロトタイプは、これまで何度も目撃されていたが、いずれもノーズが隠されていたのだ。
標準の4シリーズの発表で、BMWのデザイン・チーフであるドマゴジ・デュケツは「二極化した」デザインは「ブランドを形作るもの」となるが、M3には反映されないと述べていた。
「3シリーズは、より合理的でシリアスなモデルなので、水平なデザインとなります」
「4シリーズのようなクーペは、BMWのエキゾチックな部分を表現するべきでしょう」
しかし、共有のデザイン要素を持ち、メカニカルの面でも同じ2つのパフォーマンス・モデルは、そのつながりを強めることとなったようだ。
フロントエンド以外の部分では、標準の3シリーズの全体的なデザインを維持しているように見られる。
ホイールアーチの拡大、微妙に変更されたリアスポイラー、4本の大径エグゾーストなど、パフォーマンスを重視したスタイルの微調整が加えられている。
以前リークされた画像では、リアセクションにブラックの樹脂パーツが存在し、ダウンフォースを強化するリア・ディフューザーを備えていることがわかっている。
パワートレイン 四輪駆動も?
待望のパフォーマンス・サルーンは、BMWのツイン・スクロール・ターボチャージャー付き3.0L直列6気筒エンジンのアップデート・バージョンが搭載され、480ps/61.2kg-mを発生する。
発表後間もなく、M3として初めて四輪駆動のオプションが提供されるが、電動化の可能性は消えたと予想されている。
ただし、CO2排出規制をクリアするため、2020年型M3以降のモデルは、何らかの形で電動化する必要があるだろう。
パフォーマンスについては明らかにされていないが、軽量化とパワー増強がなされた新型は、現行M3 CSの0-97km/h加速3.9秒よりも俊足になると予想されている。
欧州ではトランスミッション形式は、6速マニュアルギアボックス、またはオプションの8速オートマティックから選べることになるだろう。
このオートマティックは、内蔵のエレクトリック・ローンチコントロール・システムのおかげで、より優れた加速性能を発揮する。
次期M3は、アルミニウムと高強度スティールからなるCLARプラットフォームにより剛性が向上されており、また、トレッドの拡大と、改良されたサスペンション・システムにより、クラストップの動力性能を実現すると言われている。
また、堅いシャシーはクルマに伝わる振動を減らし、より洗練された乗り心地を提供する。
柔軟なスプリングレートを採用することで、クルマ全体のパフォーマンスを妨げることなく、快適でより順応性の高い乗り心地を味わえるという。
欧州発売は年内か
インテリアは、M5に続いて、インフォテインメント・スクリーンがダッシュボードに統合されたパッケージを採用。
iドライブ・システムでは、使いやすいと評判の回転ノブが、現行型から継続されることが期待されている。
M3も、非常に高度な運転支援機能が採用されるが、同社のセールス・マーケティングの元ボスであるイアン・ロバートソンは、AUTOCARに対し「i5」および「i7」で2021年から使用される完全な自律型システムは、ほかのほとんどのモデルには採用されないと語っている。
特にMのラインナップは、依然としてドライビングを楽しむモデルと位置づけられているからなおさらだ。
また、2ドアのM 440i MパフォーマンスクーペとM 440 d Mパフォーマンスクーペには、M3と同じハードウェアが採用される。
この2モデルは2020年に発売予定となっており、M部門の26の戦略的モデルの一部として、メルセデスAMGとアウディ・スポーツに真正面から対抗する。
このほかにも、敏捷性と高速安定性を高めるために、アクティブ・リア・ステアリング・システムを採用するという噂もあるが、その真相まだ明らかになっていない。
M3のみを対象としたシステム開発の可否について、議論が交わされていると思われる。
公道でのテストが行われている、2020年に発売予定のこのモデルは、5シリーズと7シリーズからアクティブ・ステアリング技術を継承する可能性もある。
もし採用された場合、このスーパーサルーンは、こらから登場していく一連の3シリーズのラインナップで、唯一このシステムを特徴とするクルマとなるだろう。
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BMW M3 プロトタイプ
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