メイン画像

令和2年7月豪雨」と命名された九州を中心とした今回の大雨。7月3日の降り始めから7月10日までの雨量は1000ミリを超えた地点が8地点あり、記録的な大雨となっています。この一週間の雨の状況をデータから振り返ってみます。

観測史上1位の記録が続出

画像A

7月3日から日本付近に梅雨前線が停滞し、暖かく非常に湿った空気が継続して流れ込んだため、九州北部地方を中心に広い範囲で大雨となりました。令和2年7月豪雨と命名された今回の大雨は、降り始めからの雨量が高知県馬路村魚梁瀬で1241.5ミリ、大分県日田市椿ヶ鼻で1168.5ミリ、熊本県湯前町湯前横谷で1157.0ミリなど、九州を中心に8地点のアメダスで1000ミリ以上に達しています。また、鹿児島県鹿屋市1146.0ミリ、福岡県大牟田市は955.5ミリの雨を観測し、平年の1年間に降る雨の約50%がこの一週間で降ったことになります。また、1時間降水量など、時間別の降水量も九州各地や岐阜県長野県を中心に観測史上1位が続出しました。

7県に大雨特別警報

画像B

今回の大雨によって、鹿児島、熊本、長崎、佐賀、福岡の九州5県と長野、岐阜の中部地方2県に大雨特別警報が発表されました。2013年8月30日特別警報の運用開始以来、熊本県鹿児島県では初の大雨特別警報の発表となったほか、福岡県長崎県では全国で最多となる4回目の大雨特別警報となりました。

まだ警戒は続く

画像C

週間天気図を見ると、12日(日)は梅雨前線が一旦南下しますが、13日(月)には西から再び前線が北上してくる予想になっています。その後、14日(火)にかけて前線上の低気圧が日本海を東に進み、前線本体も本州付近を通過する見込みです。低気圧や前線に向かって、引き続き、南からの湿った空気が流れ込みやすい状態となるため、広い範囲で大雨となるおそれがあります。たとえ大雨にならなくても、これまでの雨で地盤が緩んでいる所がありますので、土砂災害などには厳重に警戒するよう心がけてください。

令和2年7月豪雨 7月3日から10日までの雨のまとめ