“雰囲気良し、お酒も旨し、〆ご飯は絶品”なオススメのバーを紹介するこちらのコーナー。今回は「バー飯」の代名詞ともいえる“カレー”に注目しました。

 訪れたのは銀座・有楽町駅からほど近い『RAGE COFFE BAR』。このお店で、ほとんどの常連客がオーダーすると噂の「昆布と鶏出汁のカレー」をいただいてきました。

バーらしいしっとりした雰囲気とオープンテラスの開放感も楽しめます
バーらしいしっとりした雰囲気とオープンテラスの開放感も楽しめます

 この「昆布と鶏出汁のカレー」は20年以上前、九州出身のオーナー水炊きからヒントを得て開発したレシピを今も受け継いでいるそう。昆布と鶏で出汁をとったカレーは、お酒を飲んだ後に女性でも気軽に食べてもらえる味わいです。

 20年以上前といえば、今ほどエスニックカレーやスパイスカレーなどといったカレーのバリエーションがなかった時代。この時からすでに「〆のバー飯」として食べられるようにと、和素材の出汁をベースに10種類のスパイスを入れて“スッキリと辛い”カレーを出していたとは……常連さん必食の一皿となるわけですよね。では早速、その“出汁たっぷりのカレー”をご紹介しましょう。

玄米と相性抜群のサラサラトロトロカレー

「昆布と鶏出汁のカレー」サラダ付き1000円(税別)
「昆布と鶏出汁のカレー」サラダ付き1000円(税別)

 人参、玉ねぎセロリを昆布と鶏出汁でクタクタになるまで煮込んで漉し、さらに10種のスパイスを入れて12時間以上煮込んだルーは、出汁のサラサラ感と溶けた野菜のトロトロ感が絶妙に相まって、玄米ご飯によく絡みます。

 一口食べてみると、セロリを中心とした野菜の香りに出汁の優しい深み、スパイスの複雑な味わいが順番に押し寄せてきます。シャクシャクとした歯ごたえのある玄米ご飯に良く合い、食べ進めていくたびに身体の中が浄化されていくような感覚……。

添えられた「ピクルス」も絶品。ぬか漬けのような風味に驚き!
添えられた「ピクルス」も絶品。ぬか漬けのような風味に驚き!

 同店は「大地から生まれた素材にこだわる」ことをモットーにしており、野菜は契約農家や信頼できる青果店から仕入れ、主力メニューであるパスタやパンは自社工房で手作りしているというこだわりよう。カレーの玄米ご飯はオーナーの出身地である宮崎県のブランド米「ヒノヒカリ」を生産者からダイレクトに購入しています。

「このカレーなら、さんざんお酒を飲んだ後でも身体の中が浄化されて翌日お酒が残らなそう!」と、思わせる滋味深さでした。

実力派のバーテンダーが作るカクテルも絶品!

バーボンとテキーラベースのカクテル「Bitters & Love」1400円(税別、18時以降テーブルチャージあり)
バーボンテキーラベースのカクテル「Bitters & Love」1400円(税別、18時以降テーブルチャージあり)

 バーの醍醐味「カクテルペアリング」。今回、岩井さんが「昆布と鶏出汁のカレー」に合わせてくれたのは、バーボンテキーラをベースに使い、パッションフルーツココナッツミルクなど南国の素材を使った爽やかなカクテル「Bitters&Love」です。

『RAGE COFFE BAR』のクリエイティブマネージャー・岩井聡さん。系列のシンガポール店で7年間マネージャーを務め、海外でのカクテルコンペティション受賞歴も多数ある実力派
RAGE COFFE BAR』のクリエイティブマネージャー・岩井聡さん。系列のシンガポール店で7年間マネージャーを務め、海外でのカクテルコンペティション受賞歴も多数ある実力派

「こんなご時世で海外に行けないけど、一瞬でもリゾート地に行ったような心地よい気分を味わって欲しい」という岩井さんの優しさが詰まった極上の1杯。最後に加えたビールで「苦味」、パッションフルーツの甘酸っぱさで「Love」を表現しているそうです。なんとも、ロマンチック!

 銀座にありながらテラス席もあり解放感たっぷりな『RAGE COFFE BAR』では、カレー以外にもフードメニューが充実しています。エキゾチックなカクテルと絶品の料理で、夏のリゾート気分を味わってみてはいかがでしょうか?

●SHOP INFO

COFFE BAR RAGE 外観

店名:RAGE COFFEE BAR

住:東京都中央区銀座2-3-18 銀座高孝ビル1F
TEL:03-5579-9317
営:12:00~24:00
休:無休
※暫くの間は営業時間、休業日などが変更になる場合があります。詳細はホームページ又は店舗までご確認下さい。
http://www.mixologist.co.jp/rage_coffee_bar.html

(取材・文◎Tomoko)

●著者プロフィール

Tomoko

ソムリエ/フードコーディネーター

大手酒類メーカーに20年以上勤務。外食大好き、お酒も大好き。“勉強”と称し、訪れたお店の数は2500軒以上にわたる。「酒感(さけかん)」(お酒を飲む雰囲気が滲み出ている)のある店を好み、ファサード(店構え)を見れば良店かどうか見分けられる驚異の嗅覚を持つ。「酒感(さけかん)」の真骨頂は「BAR」ということで、都内「BAR」もかなりの数を巡っている。

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