2020年6月、アメリカ・オハイオ州の住宅地の路上で黒人の子供たちがアメリカンフットボールをして遊んでいました。

するとそこにパトカーがやってきます。

遊んでいた子供の母親であるウェンディブラウンさんは何ごとかと思い、警察官に話を聞いたところ、近所の人が「路上で子供が遊んでいる」と通報したことが分かったのです。

海外メディア『FOX8』によると、駆け付けた数人の警察官は様子を見に来ただけで、子供たちに注意はしませんでした。

それどころかウェンディさんに「僕たちも子供の頃はよく路上で遊んだものですよ」といい、そのまま子供たちに交じって一緒に遊び始めたのです。

※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。

突然パトカーがやってきて、子供たちは困惑したはずです。しかし警察官たちが一緒に遊び始めたことで、彼らに笑顔が戻りました。

きっと警察官たちは緊張したその場の空気を変えようとして、このような行動をしたのでしょう。

実際にその場にいた12歳のキンダルくんは『ABC7NY』の取材で、「最初は怖かった。でも警察官が優しかったからほっとした」と語っています。

ウェンディさんはその様子を投稿し、「子供たちを『子供』でいさせてくれてありがとう!」と警察官に感謝の気持ちをつづりました。

子供が遊んでいるだけで通報される

アメリカでは子供が悪気なくしていることを見た大人が、すぐに警察に通報するケースが相次いでいます。

同じく6月にはやはりオハイオ州で9歳の女の子が自宅の前の路上にチョークで『Black Lives Matter(黒人の命は大切)』と描いているのを見た隣人が、「子供が道路を破壊している」と通報しました。

この時も警察官は女の子に注意はせず「もっとどんどん描いていいよ」といって去ったそうです。

2020年7月現在もアメリカでは警察官による黒人への暴力に抗議する運動が続いており、多くの人々が警察への不信感を募らせています。

しかし、市民の安全のために懸命に働いてくれている警察官も多く存在するのです。

すべての子供たちが、警察官は自分を傷付ける怖い存在ではなく「困った時に助けてくれる人」だと信じられる社会になることを願わずにいられません。


[文・構成/grape編集部]

出典
just.wendyb@wsyx6FOX8ABC7NY
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