大きな車両で、やります!

国土交通省が2020年度から、中型路線バスによる自動運転の実証実験を全国5地域で行います。同省は2018年度まで、小型バスによる自動運転の実証実験を行ってきましたが、事業性を向上するため、中型バスを用いて多様な走行環境において実施するとのこと。交通事故の削減や高齢者の移動手段の確保などに資するべく、これによる公共移動サービスの事業化に向けた検証を進めるとしています。

5つの実験の実験の概要は次の通りです。

大津市京阪バス
・場所:大津市 JR大津駅北口~琵琶湖ホテルびわ湖ホール~びわ湖大津プリンスホテル(延長約4km、新規ルート)
・テーマ:都市拠点における新たな交通軸、賑わい創出
・期間:2020年7月12日9月27日(予定)

神姫バス
・場所:兵庫県三田市 ウッディタウン中央駅を起点とする循環ルート(延長約6km、新規ルート)
・テーマ:郊外住宅地における生活の質の向上に向けた地域内交通の確保
・期間:2020年7月20日8月23日(予定)

西日本鉄道
・場所:福岡県北九州市・苅田町 朽網駅~北九州空港(延長約10.5km、既設ルート)
・テーマ:空港と臨海部の事業所・住宅等をつなぐ交通網の確保
・期間:2020年9月上旬~11月下旬(準備期間含む)

茨城交通
・場所:茨城県日立市 ひたちBRT 常陸多賀駅~大甕駅~道の駅日立おさかなセンター(延長約10km、うち専用道区間約7km、既設ルート)
・テーマ:BRT路線における自動運転バスの社会実装
・2020年10月上旬~2021年3月上旬(準備期間含む)

神奈川中央交通
・場所:横浜市栄区 桂山公園~庄戸地区~上郷ネオポリス~桂山公園循環(延長約6km、新規ルート)
・テーマ:首都圏丘陵地の郊外住宅地における持続的な交通サービスの提供
・期間:2020年12月上旬~2021年3月上旬(準備期間含む)

なお車両はいずれの実験においても、いすゞエルガミオ」を改造したものが用いられます。一般住民などを乗せる形で行われ、実験により運賃の有料・無料が異なります。

ちなみに今回の車両は、2019年度に行われた西鉄による「プレ実証」の際に開発されたものです。その後、全国からバス運行事業者について公募し、13事業者のなかから、今回の5事業者が選定されました。

実験で用いられる、いすゞ「エルガミオ」(画像:国土交通省)。