読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらうメガミマガジンインタビュー企画「Megami’sVoice」。2020年8月号には、『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』でサーシャを演じる夏吉ゆうこが登場。「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。

夏吉ゆうこ

ただキツいだけの人にならないような演技を

――『魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』という作品の第一印象を教えてください。

 原作を最初に読ませていただいた際は、とても爽快だなと感じました。いろいろな理不尽をことごとく突破していくアノスの活躍がかっこよくて、理屈抜きで読めて楽しかったです。キャラクターたち、ひとりひとりにいいところもあれば苦しんでいることもあり、さらに物語としては熱いドラマもあって、どの場面も手に汗を握ります。それから、みんな精一杯もがいたすえに「もうダメだ!」と思わせられる展開もあって……。それでも最強の魔王さま(アノス)が必ず見ていて、最後には助けてくれるんです。読めばみんなアノスについて行きたくなると思います(笑)

――アフレコが進んで、作品の印象に変化はありましたか?

 印象は変化せず、むしろ最初の印象が強くなったと思います。鈴木達央さんが演じるアノスはそのままでも最強で完璧なのですが、アニメではその強さをさらに引き立たせるために、戦闘シーンで相手役の方やモブのやられ役の方が少々大袈裟にダメージを受けたり、恐れたりするんです。でも、それがオーバーではなく、違和感がないのがすごいというかおもしろいですね。

――夏吉さんが演じているサーシャの印象は?

 まず、すごくかわいくて好きになりました。いわゆるツンデレではあるけれどリーダーシップがあり、周囲に一目置かれる気品やオーラを持っているので、その要素を大事にしてオーディション用の音声収録に臨みました。オーディション用の課題に、サーシャの隠れた思いを吐露するセリフがあったのですが、そこは彼女のやわらかい部分を出したくて。それまではサーシャに対して隙のない、厳しい印象を持っていた人が「おや?」となるような感じを出したいなと思いながら演技プランを考えたのを覚えています。

――オーディションを経て、実際のアフレコでは、サーシャを演じる際にどんなことを心がけていますか?

 ただのキツい人にならないように心がけています。序盤は不自然なほど妹のミーシャにつらくあたりますが、第2話から第4話にかけて、徐々にその理由が明らかになります。その過程を演じるなかで、「キツい性格だからこういうことを言うんだ」というお芝居になってしまってはサーシャの真意が生きてこないので、序盤のアフレコはとくに気をつけましたし、音響監督の納谷(僚介)さんにもたくさんアドバイスをいただきました。

――たとえば、どんなアドバイスがあったのでしょうか?

「素直すぎる」と言っていただいたことがあります。セリフの裏を読むことがサーシャを演じるうえでとても重要なのですが、その能力が足りずに字面だけの表現になってしまったんです。セリフは間違えていないのに彼女の言いたいこととはかけ離れた感情でしゃべっているお芝居になってしまって。何度も何度もリテイクしていただいて、少しずつ心とセリフを違うものにする感覚を探りました。OKテイクが出たときは泣きそうになるほどうれしかったです。

――サーシャの好きなところを教えてください。

 悪人になりきれない不器用なところです。話数を重ねるごとにサーシャかわいいところが出てきて愛しくなります。

――サーシャに共感できるところはありますか?

 これも不器用なところです(笑)サーシャは優秀だけど、少し思考がストレートすぎる部分があって、私も彼女に似ている気がします。……なんだか照れますね(笑)

――妹・ミーシャ、そして主人公のアノスに対して、夏吉さんはどんな印象を持っていますか?

 ミーシャは、神秘的でほわっとして見えて、じつは考えていることはハッキリしている、ギャップがかわいい子だなと思いました。口数は少ないけどひと言にすごく力があって、ミーシャの言うことにはなぜか耳を傾けてしまう、不思議なパワーがあると思います。サーシャミーシャが口ゲンカをしたら、なんだかんだミーシャが強い気がします(笑)。そうはいっても、最終的にはやっぱりアノスが一番強いんでしょうね……(笑)。アノスは、背中で語る頼れる最強の上司!! という感じだと思います。

――アフレコ現場はどのような雰囲気ですか?

 ベテランの方が多い現場ですが、とても和気あいあいとしています。皆さんフレンドリーにお話してくださって、いつも緊張をほぐしていただいています。直前まで楽しくおしゃべりしていても、マイク前に立つとサラッとかっこよくお芝居を決めていく背中に日々憧れています。

――最後に冒頭の見どころと、サーシャの活躍について教えてください。

 アノスがケタ違いの強さを見せつつ、クスッとくるような人間味のあるところが出る第1話は、大好きなお話です。
 サーシャは第2話から本格的に登場します。徐々にサーシャイメージが塗り変わっていくのを感じてほしいので、じっくり見ていてくださると、とてもうれしいです……!!

サーシャ

MegamiにQuestion

Q.チャームポイント
A.左手の親指がすごく下についている
 得に役に立ったことはないです……(笑)。ちょっとギターネックが握りやすくなるくらい……?

Q.ニックネーム
A.おなつ、なっちゃん
「おなつ」は仲のいい声優の遠野ひかるがつけてくれましたが、あまり生かされていない気がします(笑)。存在がなくならないように、今はTwitterプロフィール欄に書いています。「なっちゃん」は、事務所の先輩の逢田梨香子さんにつけていただきました。

Q.自分の声の特徴
A.黒鍵をとことこ叩き続けているような声
 ストイックで静かなキャラクターを演じていたとき、マネージャーさんに言われました。表現が素敵で心に残っているのですが、いろいろな意味に取れるので、たまに「不思議っていうことかな、不安定っていうことかな……」と考えてしまいます。元気なキャラクターのときは、まっすぐな声と言っていただくことが多いので、演技によるかもしれません。

Q.自分の性格
A.行き当たりばったり
 なんでも成り行きに任せてしまいます。声優になったきっかけのオーディションを受けたときも「とりあえず合格しないと始まらないし」と思い、先のことを考えずに応募して、いざ合格してから上京費用や両親への説明にあたふたしました(笑)。良くも悪くも無駄に行動力があると思います。

Q.いま、ハマっている趣味は?
A.マンガ
 もともと大好きなんですが、いま、とくに熱が上がっています。最近読んだものでは、『とりかえ・ばや』『累(かさね)』『ワカコ酒』が好きです。

Q.もしも魔法が使えるとしたら何を選ぶ?
A.転移(ガトム)
 字面の通り瞬間移動ができる魔法で、ダントツでほしいです。朝の現場が苦手すぎるので、もし使えたなら間違いなく多用したいです。

Q.サーシャのように双子の妹がいたら?
A.実生活で妹なので、このままどちらも妹ということにしてほしい(笑)
 私は末の妹なので、姉という立場を経験したことがないんです。ミーシャ役の楠木ともりちゃんみたいなしっかり者でかわいい子が妹になってくれるならうれしいんですが……それでも一番下のポジションが気に入っているので、譲りたくない……!! 2人でひとりということでお願いしたいです(笑)

Q.本作のキャッチフレーズ
A.魔法で成敗する暴れん坊将軍
 初めて『魔王学院の不適合者』のアフレコ現場にいらっしゃった役者さんに向けて、よく説明に使われるワードが「暴れん坊将軍」なんです(笑)。ときにアノスは魔法を使うまでもなく、物理で成敗できますが……(笑)。暴虐の魔王の暴れっぷりや、仲間たちの活躍をお楽しみに……!!

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

プロフィール
夏吉ゆうこなつよし・ゆうこ5月1日生まれ。大阪府出身。賢プロダクション所属。主な出演作は、『SHOW BY ROCK!!ましゅまいれっしゅ!!マシマヒメコ役、『ギャルと恐竜』山田役など。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』作品情報
放送日:7月4日から毎週土曜日11時30分よりTOKYO MXほかにて放映中

あらすじ:平和を夢見て2000年後に転生した魔王アノス・ヴォルデゴード。魔王の生まれ変わりとされる者を集め教育する魔王学院に入学したものの、《不適合者》の烙印を押されたアノスは、そこからの逆転を狙う。

魔王学院の不適合者~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』公式サイト
https://maohgakuin.com/

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