親戚の飼い犬に顔の半分を噛みちぎられた2歳男児の母が、このほど『NZ Herald』『Otago Daily Times』のインタビューに応じた。男児は噛まれた部分から歯が見えるほどの重傷で、心にも相当深い傷を負ったようだ。

ニュージーランド南島クライストチャーチに住むマキシン・ベネット君(Maxin Bennett、2)が犬に噛まれる事故が起きたのは、自宅から700キロ以上離れた北島ヘイスティングズの親戚の家だった。母親のアラナ・トライナーさん(Alana Trainor、29)はその日、長距離の運転で疲れ切り、息子の世話を両親に頼んで休んでいた。

するとしばらくして、母親が叫びながら寝室に飛び込んできた。

マキシンが犬に襲われたわ。」

慌てて外に飛び出したアラナさんだが、祖父の腕に抱かれたマキシン君は左の頬の皮膚が裂け、中の歯が見える状態だった。アラナさんはすぐに地元の病院に車を走らせ、マキシン君はそこからクライストチャーチの病院にヘリで運ばれて手術を受けた。

実はアラナさんはその日、叔父ピーターさんの誕生日を祝うためにヘイスティングズを訪れており、マキシン君を襲ったのはピーターさんの2頭の飼い犬のうちの1頭だった。事故当時マキシン君は自転車に乗りながらソーセージを食べており、犬がマキシン君のソーセージを奪い取ろうとして噛みついたという。

アラナさんは「この事故で、父は責任を感じているようです。医師からは『犬に噛まれた傷として最も酷いケースだ。ただ神経が損傷を受けているかどうかはわからない』と言われています。マキシンは今後も成長とともに手術をしなければならず、これからマキシンが学校に行くようになって、いじめられたりしないか心配です」と不安を口にした。

この事故以来、マキシン君は知らない犬を見るとアラナさんの脚にしがみつくようになり、自宅で可愛がっていた2頭のスタッフォードシャー・テリアに対しても、叩いたり自分に近づかないように手で押しのけたりするようになってしまったそうだ。アラナさんは「マキシンが初めて鏡で顔の傷を見たのは、2週間前でした。それから犬への警戒心が一層強まったようです」と言い、心の傷が深いことを懸念している。

さらにアラナさんは「叔父との関係がこじれてしまった」と述べ、このように明かした。

「叔父はマキシンの手術の日に泣いて電話をしてきたのです。その時に『マキシンを噛んだ犬は安楽死させた』と聞いたのですが、事故から2か月経って、まだ生きていることを知ったのです。叔父からはそれ以来、連絡がありません。彼は私たちに嘘をつき、挙句の果てには『マキシンを噛んだのは野良犬で、自分には責任がない』と主張しています。」

アラナさんは5月末に市議会に苦情の申し立てをしているが、2頭の犬は1日だけ拘束された後、自宅の敷地内から出ないことを条件にピーターさんのもとに返されている。

アラナさんは「この事故の調査はまだ継続中ですが、もしかしたら息子は命を落としていたかもしれないのですよ。これ以上被害者を出さないためにも、噛んだ犬は安楽死させるべきです。私は息子を襲ったのは叔父が飼っている“ゼウス(Zeus)”だと確信しています」と憤りを隠せない。

アラナさんは今月1日、ゼウス安楽死を求めるオンライン請願書を作成しており、日本時間12日で320人を超える署名が集まっている。

画像は『NZ Herald 2020年7月2日付「Hastings dog attack leaves Christchurch boy with life-changing injuries」(Photo / Supplied)』『Mirror 2020年7月7日付「Boy, 2, has face ‘ripped back’ by Staffordshire terrier leaving his teeth exposed」(Image: Alana Trainor)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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