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 持って生まれた才能を自分のキャリアに生かす人も存在するが、努力に努力を重ねて得たスキルで、素晴らしい仕事をこなす人もいる。

 台湾に住むある男性教師は、実に優れたスキルでもって黒板に緻密なデッサンを描く美術の先生として有名で、生徒らには「生きた教科書」と呼ばれているという。

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大学で美術を教える先生の描く人体解剖図が凄い


 台湾の樹徳科技大学で美術を教える鍾全斌(チュアン・ビン・チャン)先生は、3年ほど前にSNSを介して有名になった。

 というのも、チャン先生が黒板に描く人体解剖のデッサンが緻密過ぎて凄いのだ。

 そのあまりにもディテールに富んだデッサンを見ていると、そこは医学部かと勘違いしてしまう人もいるようだが、チャン先生が教えているのは視覚伝達学科で、イラストや美術解剖学、絵画技法などを主に担当している。

デッサンは教科書代わりの最適な学習法

 多くの教師にとって、教科書とオンラインソースは教室で通常使用する基本的な教材の一部だろう。しかし、チャン先生はデッサンが学習に最適なアプローチだと考えている。

教科書はありますが、私のクラスでは使わずに描いて学んでもらいます。この分野を専攻する学生は、本の写真を見るだけでは学べません。

私のクラスでは、生徒が黒板に私が書いたことを模写することを基本の学習法としています。

生きた教科書と呼ばれた裏には必死の努力が

 チャン先生は、生まれつき優れた絵の才能を持って生まれたわけではなかった。むしろ、何度も練習に練習を重ね、努力をした上で身に着けたスキルだそうだ。

 暇を見つけては、デッサンに励んで練習していたというチャン先生は、電車に揺られている時もその時間を惜しむようにスケッチし続けた。

 そうするうちに、地元では先生のスケッチが有名になり、チャン先生は厦門大学の医科学院に招待され、解剖学の講義をするよう依頼された。ハンサムで高身長のルックスから、たちまち学生の間で有名になった。

 また、チャン先生は2017年に厦門大学との共同で制作した3部構成のポスターシリーズ「メディア・バイオレンス」で、国際的なプロダクトデザイン賞として知られているレッド・ドット・デザイン賞のポスター部門最優秀賞も受賞した。

 生徒たちには「生きた教科書」と呼ばれ、SNSでも知られるようになったチャン先生。先生のFacebookYouTubeでは、見事なスキルの人体解剖図がシェアされている。

追記(2020/07/18)本文中の氏名チャン→チェンの間違いを訂正し再送します。
References:designyoutrust.comなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52289050.html
 

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これは黒板消しで消せないやつ。台湾の美術教師が黒板に描く人体解剖図がすごい!