明治安田生命J1リーグ第4節、横浜F・マリノスvsFC東京が12日に日産スタジアムで行われ、アウェイのFC東京が3-1で勝利した。
前節、湘南ベルマーレとの“神奈川ダービー”を制して今季初白星を挙げた昨季王者の横浜FMと、前節、川崎フロンターレとの“多摩川クラシコ”で大敗した昨季2位のFC東京による注目のビッグマッチ。
ポステコグルー采配的中でダービーを制した横浜FMは、連勝を目指すこの一戦に向けて大幅なターンオーバーを敢行。畠中、扇原、マルコス・ジュニオールを除くフィールドプレーヤー7人を入れ替え、前線は遠藤、オナイウ阿道、水沼の3選手が並んだ。
一方、開幕から公式戦5試合無敗を継続していた中、川崎相手にホームで0-4のショッキングな内容で初黒星を喫したFC東京は、先発4人を変更。室屋、橋本、田川、永井と日本代表4選手がスタメン復帰した。
昨季、熾烈な優勝争いを繰り広げた両者は立ち上がりから互いの特長を全面に押し出して見応えのある攻防を繰り広げる。すると4分、右CKの流れから右サイド深くの水沼がクロスを入れると、ニアのオナイウが相手DFを背負いながらフリック。これをファーから絞ってきた遠藤がワンタッチで蹴り込み、ホームチームが早々に先制点を奪った。
ボールを握る相手に対する早々の失点でいきなり厳しい戦いとなったFC東京だが、すぐさま同点に追いつく。14分、ボックス内に抜け出した田川がDFチアゴ・マルチンスに後方から倒されてPKを獲得。これをキッカーのディエゴ・オリヴェイラが冷静に決め、17分の同点ゴールとした。
ただ、PKを獲得した場面で肩を痛めた田川がプレー続行不可能となり、レアンドロがスクランブル投入されることになった。
1-1のイーブンに戻った試合はここからポジショナルプレーの横浜FM、堅守速攻のFC東京という構図の下で白熱の展開に。20分には先制点と同じような形で水沼が上げた浮き球の右クロスをファーの遠藤が頭で合わすが、これは枠の右に外れる。その数分後の29分にはレアンドロの長い持ち上がりからのスルーパスに反応したディエゴ・オリヴェイラがボックス左から強烈なシュートを放つが、これはGK梶川が何とか身体に当てた。
前半半ばから終盤にかけてはホームチームが一方的に押し込む時間が続くが、持ち味の粘り強い守備で凌いだアウェイチームが前半終了間際にワンチャンスをモノにする。
44分、裏へ抜け出したディエゴ・オリヴェイラがボックス手前ギリギリでGK梶川と交錯。梶川の遅れての対応に決定機阻止での一発退場の可能性もあったが、東城主審は警告に留める。FC東京にとってはやや不満が残る判定となったが、このプレーで得たボックス手前左の位置でのFKをキッカーのレアンドロが見事な右足のシュートでゴール右上隅を射抜き、逆転して試合を折り返した。
この前半アディショナルタイムの逆転ゴールで勢いに乗ったFC東京は後半開始早々に電光石火の追加点を挙げる。46分、GK林からのロングフィードを相手陣内右サイドでDF畠中と競った永井が巧みなボディコントロールで振り切り、柔らかなアーリークロスを供給。これをボックス左に走り込んだレアンドロが見事なハーフボレーで流し込んだ。
一方、拙い入りで2点のビハインドを負った横浜FMは53分に水沼のシュート性のパスにボックス左フリーで反応した遠藤に絶好機も、ここはシュートを当て損ねて痛恨の決定機逸に。さらに、リスクを冒して前に出るホームチームは63分、前節同様に3枚替えを敢行しエジガル・ジュニオ、エリキ、仲川を送り出す。
一方、再び守勢が続くFC東京は後半半ばを過ぎて逃げ切り態勢にシフト。ディエゴ・オリヴェイラに代えてジョアン・オマリを投入し、後ろの枚数を5枚にして相手の攻撃を迎え撃つ。
79分にはティーラトンの左からのクロスからファーでフリーの仲川に絶好機も、ここはシュートを枠に飛ばすことができず。その後も決死の猛攻を続けたものの、最後の場面で粘る相手の守備を崩し切るまでには至らず。
この結果、途中投入のレアンドロが大きな違いを生んだFC東京が昨季王者相手に見事な形でのリベンジを果たし、今季3勝目とした。一方、ホームで敗れた横浜FMはピリッとしない序盤戦の戦いが続く。
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