日本はバブル崩壊後に経済成長率が低迷し続けており、国内総生産(GDP)の世界2位の座は2010年に中国に奪われた。中国ではGDP成長率がほぼゼロのままの日本について「衰退した国」と主張する声もあるが、この見方は果たして正しいのだろうか。

 中国メディアの騰訊はこのほど、中国人の多くは「日本は衰退中の国だ」と口々に語ると紹介する一方、「衰退中の国が毎年のようにノーベル賞受賞者を輩出できるものだろうか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、日本は2000年から19年までに19人ものノーベル賞受賞者を輩出したと指摘し、平均すれば1年に1人のペースだと驚きを示し、「これが衰退中の国なのだろうか」と問いかけ、「衰退中の国という見方に対して、日本は事実で反論していると言えるだろう」と論じた。

 続けて、日本人のノーベル賞受賞者がこれだけ多い理由について「日本が学問と研究を重視してきたことが大きい」と指摘し、日本ははるか昔から学問に熱心な国であり、この風潮が近代日本の飛躍の下地を作ったと強調。そして、日本は第2次世界大戦の時点ですでに高い科学技術力を持つ一流国であったとし、敗戦後は現代化された資本主義のもとで経済力と科学技術力をさらに発展させる基礎を作ったと伝え、その後は世界第2位の経済大国として「人材、資金、さらには蓄積してきた技術力」という条件が揃い、日本は科学技術の発展における黄金期を迎えたと論じた。

 さらに記事は、自然科学分野のノーベル賞は「過去の研究成果」に対して贈られるものであり、日本のノーベル賞受賞者数の多くは「過去の黄金期に挙げた成果」が評価されたものだと主張。しかしながら、日本が2001年に科学技術基本計画で「今後50年間にノーベル賞受賞者30人程度」を輩出するとして以降、無謀とも思えた目標の実現に向けて着実に前進しているのは「すごいことであり、敬服すべきこと」であると主張。

 日本経済は確かに低迷しているが、米国と同程度のスピードでノーベル賞受賞者を輩出している近年の日本は「とても衰退中の国とは思えない」と指摘し、中国人の多くは「日本は衰退中の国だ」と口々に語るが、こうした中国人の見方は間違っていると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本が衰退中の国だと? じゃあ「なぜこんなにノーベル賞を取れるんだ?」=中国報道