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 今回は、本格的な実験機材を使うと費用がかかる真空実験を、ホームセンター100円ショップで買える道具を使って、簡単に再現できる方法をご紹介します。さらに、作った真空装置と、マシュマロや風船などの身近なものを使って楽しめる、真空実験についても解説します。

 普段、私たちは空気がある状態で生活しているので、“真空”という空気がない状態を想像する機会は少ないかもしれません。たとえば、宇宙に行くと、空気がない状態になります。いったいどのような状態なのでしょうか? このように考えることは、子どもたちにとって、思いを巡らせるきっかけになると思います。

 おうちで過ごすことが増えたであろう今の時期。科学の一端に触れるきっかけとして、実験を楽しんでいただけたら、うれしいです。それでは今日も、レッツサイエンス!

真空装置のなかにマシュマロを入れると、どうなる?

 まずは、本格的な実験機材を使った真空実験をご紹介します。

【用意するもの】
・真空装置
マシュマロ

【実験方法】
 マシュマロを真空容器のなかに入れ、容器内の空気をどんどん抜いていき、真空に近い状態を作ります。マシュマロはどうなるのでしょう。小さくなるでしょうか、大きくなるでしょうか、あるいは変わらないでしょうか? みなさんもぜひ予想してみてください!

 容器内の空気を抜いていくと、なんとマシュマロが大きく膨らんでいくのです! どんどん大きくなって、最後にはあふれ出してしまいました。

 今度は、真空容器のなかに空気を戻していきましょう。はたして、マシュマロはどうなるでしょうか? なんとシワシワに小さくつぶれてしまいました!

なぜマシュマロは膨らんだり、萎んだりしたのか?

 真空容器内を真空状態に近づけると、マシュマロは大きく膨らみました。また、空気を戻したら、小さくつぶれてしまいました。なぜでしょうか?

 マシュマロのなかには、多数の空気の泡が含まれています。マシュマロが大きく膨らんだ理由は、真空容器内を真空状態に近づけていくと、周囲からマシュマロにかかる空気の力よりも、マシュマロのなかから周囲にかかる空気の力の方が大きくなったからです。

 一方で、真空容器のなかに空気を戻したら、周囲からマシュマロにかかる空気の力が戻ります。小さくつぶれた理由は、マシュマロのなかにある気泡が膨らみ過ぎると、いくつかの気泡が破裂し、壊れた気泡のぶんだけマシュマロが小さくなるからです。

 ちなみに、シワシワになったマシュマロのお味は!? マシュマロのなかの空気がなくなっているので、もとのフワフワ感はなくなっていますが、新触感でおいしいです!

ホームセンター100円ショップの材料で作る簡単な真空装置

 次は、おうちで簡単に真空実験を楽しめる方法をご紹介します。さきほど使ったような、本格的な真空装置は高価なうえに、扱い方も複雑です。子どもたちと一緒に体験する際は、これからご紹介する方法がオススメです。

 これからご紹介する真空装置は、ホームセンター100円ショップで手に入る材料で作ることができます。ぜひおうちで試していただけると、うれしいです!

【用意する材料】
ホームセンターインターネットでお買い求めいただくもの
・シリンジ(注射器) ※園芸コーナーなどに売っていました。
・吸盤

100円ショップでお買い求めいただくもの
・空きビン
・ビニールテープ
・風船やマシュマロなど真空容器のなかに入れてみたいもの

【使う道具】
・きり
・はさみ

【簡易真空装置の作り方】
 シリンジのノズルのある面に、きりで穴をあけます。勢いよく穴をあけようとすると、シリンジが割れたり、きりが手に刺さったりする可能性があります。注意しながら、ゆっくりとあけてください。

 シリンジのノズル部分の裏側から、はさみで小さく切ったビニールテープを貼ります。ピストンを奥まで押し込むのを利用して、貼ると貼りやすいです。

 さきほどきりであけた穴に、今度は表側からはさみで小さく切ったビニールテープを貼ります。

 シリンジのノズルの先に、吸盤をはめ込みます。

 空きビンのふたにきりで穴をあけます。きりが手に刺さるなどの危険性があります。注意しながら、ゆっくりとあけてください。

 たったこれだけで、簡易真空装置は完成です!

【実験方法】
 空きビンのなかに、真空のなかに入れてみたいものを入れます。今回は、口をしばった状態の風船を入れてみました。

 空きビンのふたをして、ふたのきりで穴をあけた部分に吸盤をくっつけます。吸盤がよくくっつかない場合は、ビニールテープなどで貼り付けても大丈夫です。ただし、空きビンのふたは、空気が漏れないようにしっかりと閉めてください。

 シリンジを引いたり押したりして、空きビンの中の空気を抜いていきます。シリンジを引くときはシリンジのあけた穴をビニールテープの上から指でおさえ、シリンジを押すときは指を離すと空気が抜けやすくなります。

 空きビンの中の空気を抜くと、風船が大きく膨らみました! さきほどのマシュマロが膨らんだのと同じ原理で、周囲から風船にかかる空気の力よりも、風船のなかからかかる空気の力の方が大きくなったためです。

 もちろん、マシュマロを入れて、空気を抜いてみても同じように膨らみます。風船やマシュマロ以外にも、ぜひいろいろなものを空きビンに入れて、実験してみてください!

まとめ

 今回は、空気がない真空の状態を体験できる実験をご紹介しました。ホームセンター100円ショップで手に入る材料で簡単に作ることができます。ぜひ、お子さんと一緒に試してみてください!

■注意事項
小学生など低年齢の子どもが実験するときは、必ず保護者の指導のもとで実施してください。
・きりやはさみを扱う際は手に刺したり、手を切ったりしないように注意して扱ってください。
・シリンジで空気を抜くときは力が必要です。かたくて難しい場合は、保護者の方がお手伝いしてください。

参考文献
内田 祐貴著『神戸松蔭女子学院大学研究紀要. 人間科学部篇5 67「実験教材としての簡易真空ポンプの研究開発と教育実践」

真空中でマシュマロや風船はどうなる?