近海かつお一本釣り漁業国際認証取得準備協議会(中田勝淑代表)によるカツオ一本釣り漁業が、MSC(海洋管理協議会)漁業認証の取得のための本審査に入りました。この協議会は、高知かつお漁業協同組合高知県高知市・松下功組合長)と南郷漁業協同組合宮崎県日南市・江藤久義組合長)に所属する19隻の近海一本釣り漁船で構成されています。今回の審査対象となるのは、これら19隻の漁船が漁獲するカツオとビンナガマグロで、2019年の漁獲量は約14,500トンでした。

MSC認証を取得した持続可能な漁業によるマグロカツオ類の漁獲量は、2014年度は世界のマグロカツオ類の総漁獲量の14%であったのに対し、現在では28%にまで増加しています。世界的な健康食志向の高まりによってマグロカツオ類の消費量は増加傾向にあり、持続可能マグロカツオ類を求める声も高まっています。

申請者のコメント
近海かつお一本釣り漁業国際認証準備協議会の中田勝淑代表は、以下のようにコメントしました。「カツオ一本釣り漁業は、江戸時代から続く日本を代表する伝統的な漁業です。鰹のたたきや刺身、鰹節や鰹だしの原料として、日本人の食生活を支えています。竿で一尾ずつ漁獲する一本釣りは、資源を枯渇させることもなく、混獲も少ない、環境に大変やさしい漁業です。MSC認証取得への取り組みをきっかけにして、多くの方々に私たちのカツオに関心を持っていただき、この漁業を将来に残していきたいと思います。」

MSCのコメント
MSC日本事務所のプログラム・ディレクター、石井幸造は次のように述べました。「新型コロナウイルス感染拡大により水産業界も大きな影響を受けている状況下ではありますが、持続可能な漁業で獲られた水産物への需要は国内外ともに引き続き拡大傾向にあります。この漁業がMSCの漁業認証を取得することによって、一本釣りで獲られたカツオ、ビンナガマグロの価値が製品の販売者や消費者にこれまで以上に認められ、将来にわたってこの伝統的な漁業が継続されていくことにつながることを願っています。」

審査機関について
今回の審査は、独立した審査機関のControl Union (UK) Ltd.社により行われ、対象魚種に関しての資源の持続可能性、漁業が生態系に与える影響、漁業の管理システムが検討されます。審査に参加を希望するステークホルダーの方は、同社のCora Seip氏(cseip@controlunion.com)までお問合せください。

配信元企業:MSC(海洋管理協議会)日本事務所

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