国立科学博物館は13日、関東地方上空で観測された火球が隕石であり、千葉県習志野市チーバくんの“アゴ”あたり)に落下したことを確認したと発表した。隕石の落下は2018年の小牧隕石以来2年ぶりで、国内で53番目に確認された隕石となるとしている。

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国立科学博物館によると、大火球が観測されたのは7月2日2時32分。それと同じ頃、千葉県習志野市のマンションに隕石が落下したという。住民はマンションの2階で「大きな音」を聞いており、翌3日朝、玄関前の中庭に面した共用廊下に石の破片があることを発見。廊下の手摺りには、隕石が当たった跡と思われる傷があった。そして、4日に管理人と一緒に中庭を調べて2つ目の破片を見つけた。2つ目の破片は雨と外気に2日間当たっていたため、隕石に含まれる金属が錆びて茶色くなっているとしている。


この破片については、国立科学博物館において6日から1週間ほどガンマ線測定を実施。これにより、宇宙線により生成する放射性核種(宇宙線生成核種)のアルミニウム-26(半減期約70万年)、ナトリウム-22(半減期約2.6年)、マンガン-54(半減期312日)、マンガン-52(半減期約5.5日)等を検出したことから、最近落下した隕石であることが確認された。


最初に発見された破片は、重さ63gで大きさ45x30x25mm、2番目に発見された破片は、重さ70gで大きさ50x35x20mm。2つの破片はきれいに合わさる部分があり、1つの隕石が割れたものと考えられるという。


国立科学博物館は、現在、大学や研究所の隕石研究者の協力のもと、鉱物や希ガスの分析を進めている。分析により隕石の分類が確定した後、国際隕石学会に名称を「習志野隕石」として登録申請する予定だとしている。

習志野隕石(仮称:回収された2つの破片を組み合わせた写真) 国立科学博物館