演劇ライター・はーこが不定期で配信するWEB連載「はーこのSTAGEプラス」Vol.77をお届け!

【写真を見る】浅草公会堂からの再スタートに中村七之助が感じたものとは?

7月から生の舞台が少しずつ稼働してきた。とは言え、歌舞伎は東京から大所帯での移動を含め、なかなか先が見えない状態だ。これまで、中村勘九郎・中村七之助を中心に「もっと歌舞伎に親しんでもらえるように、僕たちが全国各地へ出かけて行こう」と毎年開催を続けて来た中村屋の全国巡業公演。関西でも「錦秋特別公演」でおなじみだ。

が、今年は17か所での公演がすべて中止に。検討を重ね、「今、出来ることを」と今回初めての試みとなる「中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演」を行う。

7月18日(土)・19日(日)、東京の浅草公会堂から無観客でのライブ配信。今回は、勘九郎の息子たち、9歳の中村勘太郎と7歳の中村長三郎も出演、初めて浅草公会堂の舞台に立つ。コロナ禍の今、さまざまな思いを乗せてのライブ配信公演を、勘九郎と七之助のコメントを交えて紹介する。

プログラム】約1時間30分予定

一、 オープニング映像 ※18日(土)・19日(日)両日異なる映像で

二、 「猿若揃(さるわかそろう)江戸(えどの)賑(にぎわい) 厄祓(やくはらい)浅草(あさくさ)祭(まつり)」清元連中

藤間勘十郎 振付

出演:中村勘九郎 中村七之助 中村勘太郎 中村長三郎 中村鶴松 他

「待ってました!」と大向うがかかることで有名な清元の舞踊「お祭り」をベースにした新作。“猿若”は、江戸時代の中村座が猿若町にあったことから、“猿若勘三郎”と名乗っていたことがある、縁のある名前。清元の舞踊や獅子舞をふやした趣向で楽しむ江戸の賑わいを、中村屋一門が勢ぞろいで。

三、 映像中村屋ヒストリー 予定)

四、 芸談

出演:中村勘九郎 中村七之助 他

素顔の洋服姿で出演する、いつも人気の生トークコーナー

■【浅草公会堂について】

浅草公会堂はかつて「新春浅草歌舞伎」に出演した勘九郎、七之助にとって縁の深い場所だ。

「私たちにとって青春の場所と言っても過言ではない、一人前の役者にしてくれた場所。ここから生配信できることには何か意味があるのかなと思います」(勘九郎)

コロナ禍を経たスタートが浅草であることに運命のようなものを感じています。16歳から新春浅草歌舞伎で大役を勤めさせていただいた思い出の場所。“初心を忘れるな”と言われているようにも思います」(七之助)

■【コロナ禍による公演中止への思い】

「昨年はNHK大河ドラマいだてん ~東京オリムピック噺(ばなし)~』に出演して舞台に出る機会が少なかったため、今年は歌舞伎に復帰することを楽しみにしていました。ですから舞台に出られないことは、とてもショックでした」(勘九郎)

「今年は半年近く舞台に出ていないという初めての経験をしました。友人からは配信することを勧められたのですが、僕には配信するものが何もないんです。頭(鬘・かつらのこと)があって、白粉塗って、衣装さんやいろいろなスタッフがいて、お弟子さんがいて、そしてお客様がいらっしゃるから、僕は歌舞伎役者として成立しています。アナログ人間の弱さを痛感し、僕たちがいろんな人たちに支えていただいているおかげで舞台に立っていることも思い知らされました」(七之助)

■【自粛期間中の過ごし方は?】

「子供たちと稽古に励んでおりました。久しぶりに鬘を合わせた際に子供たちが喜んでいる姿を見て、やっぱり“役者の子は役者”なんだと思いました。そして歌舞伎がこんなにも自分を支えていたということ、歌舞伎に対する愛、舞台に対する愛を改めて実感しています」(勘九郎)

「先人たちの映像を拝見したり、体力を落とさないために散歩と運動器具を購入して運動したりして過ごしました」(七之助)

■【無観客での生配信について】

「初めてのことなので不安と緊張もありますが、カメラワークなどで、より一層“生の魅力”をお伝え出来ると思います。1日目にどういうことを感じるかわかりませんが、その日に感じたことを2日目につないでいくということもできます。どちらも違うものになると思いますので、2日とも楽しんでいただきたいです」(勘九郎)

生配信は初めてのことばかりなので、どういう感情になるのか、舞台に出てみるまでわかりません。お客様は客席にいないので、不安の方が大きいかもしれません。カメラの向こうでたくさんのお客様が見てくださるというイメージを持ちながら踊るしかないと思っています」

■【意気込みを】

歌舞伎というものはお客様と一緒になって、劇場の中で一つの演劇として成り立っているものであることを改めて実感しています。今回は初めての挑戦ですから不安はありますけれども、日本全国の、そして世界中のお家にいる方々とも体験を共有できる機会なので、皆さんと繋がれたら、という思うでいっぱいです。これがいいきっかけになって、歌舞伎の新しいあり方のようなものを見出せるのではないかと思っています」(勘九郎)

「劇場に足を運んで、生のものを観ていただくのが一番だと思いますが、チケットを1枚買っていただければご家族全員で観られますし、小さいお子様を劇場に連れて行くことに気が引けるという方にも“歌舞伎デビュー”をしていただけたら良いなと思います。歌舞伎ファンの中には、かつて歌舞伎をご覧になっていたけれども、最近は体が不自由になられて劇場に行けないというお声も耳にしますので、そういう方にもご自宅で楽しんでいただきたいです」(七之助)

STAGE チケット発売中

『中村勘九郎 中村七之助 歌舞伎生配信特別公演』

日時:7/18(土)13:00配信開始、19(日)11:00配信開始

会場:浅草公会堂(無観客開催)

出演:中村勘九郎 中村七之助 中村勘太郎 中村長三郎 中村鶴松 他

価格:3000円(税込)

問合せ:0570-00-3337(サンライズプロモーション東京) 

販売:配信当日22時まで販売 ※それぞれ会員登録(無料)が必要

イープラス https://eplus.jp/kankuro_shichinosuke/

※登録方法詳細 https://eplus.jp/sf/guide/service

・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/nakamuralive-pls/

※登録方法詳細 http://t.pia.jp/guide/entry.jsp

・日本以外から購入する場合 

発売期間:日本時間7/7(火)10:00-7/16(木)23:59

※海外用チケットぴあ販売ページ http://w.pia.jp/a/nakamuraya-plseng/

文=関西ウォーカー編集部 演劇ライター・はーこ(フリーライター

初の試みとなるライブ配信を行う中村勘九郎(右)・中村七之助(左)