新型コロナによる特別定額給付金の申請などで活用されている、マイナンバー制度2020年9月にはマイナンバー制度キャッシュレスの普及などを目的とした「マイナポイント事業」が実施されます。

mainapoint
※「マイナポイント事業」公式サイトより
 マイナンバー制度、マイナポイント事業に対する若者の認識は? 国による推進は今後成功するのか、20代100人のアンケート回答をもとに読み解いていきます

そもそも「マイナポイント」って?

 9月の事業開始に先立ち、7月1日からポイント還元制度の申し込みがスタートしたマイナポイント。そもそもマイナポイント事業はどの程度認知されているのでしょうか。

「マイナポイント事業の内容を知っていますか」という質問に対して、今回のアンケートで「はい」と答えたのは100人中27人という結果でした。

 マイナポイント事業は、政府が主導する事業のひとつで、Suicaなどの電子マネーメルペイPayPayなどの各種キャッシュレスサービスクレジットカードに最大5000ポイント5000円相当)が付与されるというものです。マイナポイントが付与されるためには、マイナンバーカードが必要で、マイナンバーカードキャッシュレスの2つの推進が本制度に期待されています。

 登録をするだけで5000円相当のポイントがもらえるという、”おいしい”事業のはずですが100人中27人しか内容を知らないという結果は、あまり芳しくない印象を受けます。

 マイナポイントを知っているという人からは、

「それより市役所の手続きや確定申告を簡素化して欲しい」
「マイナポイント紹介動画で国が買い物履歴を把握することはできないと言っていますが、気持ち悪さがあり信じきれないです」

 などの辛口な意見も見られました。

マイナンバーカード自体の理解の低さがネックに

マイナンバー 案内
※画像はイメージです(以下、同じ)
 なぜマイナポイントは認知が低く、肯定的な意見も少ないのでしょうか。それは、そもそもの土台としてマイナンバー制度自体の理解が進んでいないことが背景のひとつとしてあるかもしれません。

 マイナンバーカードの取得状況について、内閣府の調査によると「取得した(する)」が44%、「取得していないし、今後も取得する予定はない」が53%でした。年齢別では、18〜29歳の取得率がその他の30代、40代、50代、60代、70歳以上に比べてもっとも高く、52.5%でした。

 しかしながら、bizSPA!編集部が20代に行った調査では、マイナンバー制度について正しく理解していると思いますか?」という質問に対して「はい」と答えたのは29人。全体の3分の1以下という結果でした。

 そして、「マイナポイント事業の内容を知っていますか」と「マイナンバー制度について正しく理解していると思いますか?」というふたつの質問に両方とも「はい」と答えたのは17人。全体の5分の1以下というのは非常に少ない人数と言わざるを得ないでしょう。

 また、両方とも「はい」と答えた人の中でも「マイナンバーカードは交付通知書を申請して受け取って、さらに窓口まで行ってカードを受理する必要があり正直面倒です。制度について理解しているつもりですが、手続きの煩雑さからまだ受け取っていません」という声も。

 理解自体も進んでおらず、さらには理解している人でもマイナンバーカードを入手して活用することに高いハードルがあることが伺われます。

マイナンバー自体は賛成が半数以上

マイナンバーカード

 上記の結果だけを見るとマイナンバーカードの普及は前途多難なようにも見えますが、その中でも光明と取れる結果もあります。

マイナンバー制度についてどう思いますか?」という質問に対しては半数以上の57人が賛成と答えています。理解と認知、普及はまだ進んではいないものの、受け入れる素養は20代の中にはあるようです。

 その理由としては、

「暮らしが便利になるならいいと思う」
「今後使い道が増えて便利になっていく可能性があるから」

 など、活用による便利さへの期待があるようです。

政府のコロナ対策の遅れを指摘する声も

 また「これだけ世界的にIT化が進んでいる現在では、“国に管理されたくない”などの理由はもはや通用しなくなっていると思います」といった社会的状況を判断した上で賛成と答える人も。

 この他には、

コロナに対する給付金の遅れがあったため」
「今回のような給付金制度の際にマイナンバーが広まっていれば、よりすばやく給付できると思うから」

 など、政府のコロナ対策が必ずしも迅速でなかった点を指摘する声も。マイナンバーを活用できれば改善できるという期待も20代の中では強いようです。

「国に個人情報を管理されるようで気になる…」

考える

 では、今回の調査で43人いた「マイナンバー制度に反対」という人はどういった考えからでしょうか。反対意見として多かったのが個人情報の問題です。

個人情報が管理されてしまい、見張られているような気分になるから」
「銀行口座との紐づけなどさまざまな個人情報を一括すると流出した際にすべてが漏れ出てしまうから」

 など。また、反対する理由として、情報を国に委ねてしまうことの危険性を心配する声も多数ありました。

「政府が国民の預貯金など管理したいだけだと思う。そのために作ったもので徐々にいろいろ連携しようとしているのでは。安全性も不安だし、今までなくても十分、事足りていたので必要はない」

 国がどういった理由でマイナンバー制度を普及させたいのか、その全容を私たちが知ることは困難ですが、少なくとも批判的に捉えている人が少なくないというのが実情としてはあるようです。いずれにしても、こういった若者の現状をを鑑みると、マイナンバー制度の普及が爆発的に進むのは難しいかもしれませんね。

TEXT/菅谷圭祐>

調査概要
調査内容:「マイナンバーに関する意識調査」
調査期間:2020年6月23日
調査対象:全国の20代男女100
調査方法:株式会社クロス・マーケティング「QiQUMO」によるアンケート調査

【菅谷圭祐】

大学受験情報誌、IT情報サイトなどでライター経験を積み、2018年よりフリー。最近の趣味は休日の農業、リサイクル業も兼業

※「マイナポイント事業」公式サイトより