移動、ジャンプ、ブロックの上げ下ろしだけでどんぶらこどんぶらこ。とてもシンプルなルールに支配されたピンク色の川を下った先が見たくて、きっと何度でも挑戦することになるだろう。スウェーデンに住むゲーム開発者のハンスラーム氏は、川下りアクションゲーム『Pink River』をリリースした。

 本作はPCゲーム配信プラットフォームのitch.ioで配布中。ゲームは無料でもダウンロードできるが、ユーザーが好きな額を付けて購入することができる。なお本作は氏がほとんどひとりで作っている作品だが、サウンドと音楽はForest Fruitsが提供しており、それらの楽曲はSoundCloudアップロードされている。

 『Pink River』は、文章で説明するよりも上記の動画を見てもらった方がどのようなゲームかすぐに理解できるだろう。四角いブロックが連結されたイカダに乗って川下を目指すゲームだ。

 イカダの移動には、オールではなくブロックの移動を使う。右に1ブロック分移動させたければ、イカダの左端にあるブロックを反対側に移動させれば良い。この要領でブロックを移動させていけば、イカダを好きな方に移動させられる。

 川には岩やモンスターだけでなく、ブロックを吹き飛ばす機雷も仕掛けられていて大変危険だ。ダメージを負ったりイカダのブロックを失っても、川にはブロックやHPを回復させるハートなど役立つアイテムも浮かんでいるので、やはりうまくブロックを移動させてゲットしよう。

(画像は『Pink River』より)
(画像は『Pink River』より)

 シンプルなルールだけに、ハマると燃えてくる。障害物を避けるためには船の形を変える必要があるが、どういう形にすれば効率よくブロックを動かせるかも考えねばならない。

 縦一直線に配置すれば、確かに狭い場所を通るときには有利だろう。だが、目の前に障害物が現れたら、全てのブロックを移動させなければならない。ほしいアイテムまで移動するのも一苦労だろう。逆に横に配列すれば、アイテムは取りやすいだろうが障害物にぶつかる危険性が高くなる。何事もバランスが大事だ。

 先に進むごとに障害物は増えて川幅は狭くなる。一般的に川下に行けば行くほど川幅は広くなるものだが、このピンク色の川にはそんな一般論は通用しない。筆者は川の到達する先を見ることができていないが、興味を持った方は是非川の終わりに何があるか挑戦してみてほしい。

(画像は『Pink River』より)
(画像は『Pink River』より)

 『Pink River』は「GMTK Game Jam 2020」という48時間でゲームを作るゲームジャムへの出展作品だ。itch.io最大級のゲームジャムのひとつ。今年のテーマは「Out of Control」(制御不能)。このテーマにそって48時間でゲームを制作する。
 すでに5500本近い作品が登録されており、現在は優秀な作品を選ぶ投票が行われている。投票の終了は7月20日の深夜ごろだ。

 こうした素晴らしいアイデアを持ったゲームが無料で遊べるのもゲームジャムの魅力だ。5500作品も提出されている「GMTK Game Jam 2020」の全てを遊ぶのは難しいが、リストを眺めて興味のあるゲームを2、3遊んでみるのも楽しいだろう。得票はゲーム開発者のモチベーションにもつながるので、是非おもしろかったゲームには投票してほしい。

ライター/古嶋 誉幸

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros