シス・カンパニー2020年9月、英国を代表する劇作家ピーターシェーファーの男女3人芝居を2作品、新国立劇場小劇場で連続上演する。このほど、公演スケジュール、チケットの料金や発売日等の詳細が決定した。また、この公演ではライブ配信の実施も決定した(但し、その詳細は後日発表)。

一本目の演目『わたしの耳(原題:The Private Ear/1962年発表)』は、ひとりの内気で夢見がち青年の“受難”を、スピーディなセリフの応酬とクラシック音楽を絡めつつ、ほろ苦い乾いた笑いで描いた作品。会期は2020年9月9日(水)~18日(金)。イギリス留学帰国後第一弾の舞台となるウエンツ瑛士、そして趣里かもめんたるの岩崎う大が出演。上演台本・演出をマギーが手掛ける。チケットの一般発売日は8月23日(日)。

わたしの耳』STORY 
 内気な青年ボブ(ウエンツ瑛士)の至福の時間は、狭くみすぼらしい屋根裏部屋には似つかわしくないオーディオセットクラシックレコードを聴くこと。 ある日、クラシックコンサートで隣に座った女性ドリーン(趣里)に一目ぼれ。勇気を出して、自宅のディナーに招待するまで漕ぎつけた。まさに一世一代の大勝負なのだが、女性に不慣れなボブは、明るく経験豊富な会社の先輩テッド(岩崎う大)に助けを求め、助っ人として料理とホスト役を担当してもらうことに……。ディナーの準備を進めるボブとテッドだったが、そこに、いよいよ可愛らしくお洒落をしたドリーンがやって来た。 たどたどしいながらもぎこちなく会話を続けるボブ。饒舌になるのは、自分が愛してやまないクラシック音楽一方的な話題のみ。そんな中、テッドが持ち前の社交性でその場を盛り上げるのだが。。。 
屋根裏のアパートの一室で、男女3人に起きる一夜の出来事とは……? 


続く二本目の演目『あなたの目(原題:The Public Eye/1962年発表)』は、極上のロマンチックコメディながら、作品発表当時の60年代の「体制」に対する、作者の批判の目が注がれていると言われる作品。会期は2020年9月22日(火祝)~10月1日(木)。小林聡美八嶋智人野間口徹が出演。上演台本・演出を寺十吾が手掛ける。本作は1972年製作の映画「フォロー・ミー」(監督:キャロルリード、主演:ミア・ファロー)の原作としても知られる。チケットの一般発売日は9月6日(日)。

『あなたの目』STORY 
ロンドンの閑静な地区に立派な会計事務所を構えるチャールズ(野間口徹)。絵に描いたような中産階級出身のお堅い彼のもとに、ちょっと風変わりな男が訪ねてきた。 いぶかしがるチャールズに、回りくどく訪問の目的を話し出すこの男ジュリアン(八嶋智人)は、実は探偵。 しかも、チャールズ当人が、自由奔放な妻ベリンダ(小林聡美)の素行を疑い、昼間の尾行調査を依頼した 探偵事務所の調査員だったのだ。ここ1か月間のベリンダの行動調査の結果を、これまた回りくどく説明する ジュリアンに苛立つチャールズジュリアンによれば、ベリンダは不貞こそ働いていないが、毎日あてもなく、 ロンドンの街を歩き回っていて、行く先々で、静かに微笑みを交わし合う男の存在があるという……。 そこに突然、ベリンダが会計事務所に現れた!そして、つい数週間前から、言葉も交わしたこともないある男との出会いによって「生き返る」ような思いをすることができたと話し始めた……。 夫婦の関係に第三者が現れたことで明らかになる人間関係の真実とは? 


ピーターシェーファー(Peter Shaffer/1926-2016)は、英国リバプールの裕福なユダヤ人家庭に誕生。5分違いで生まれた双子の兄は、戯曲 「探偵スルース」や多くの映画脚本を執筆したアンソニーシェーファー。 ケンブリッジトリニティ・カレッジを卒業後、炭鉱夫、本屋の店員、ニューヨークに渡り、ニューヨーク公立図書館員、ロンドンに戻り、音楽出版社勤務など、多くの職業を経験。1955年BBC『The Salt Land(塩の地)』などのテレビドラマを 発表。1958年に戯曲『Five Finger Exercise(五重奏)』がウエストエンドで上演され大成功を獲得、同年のイブニング・スタンダード賞を受賞した。以降、本作『The Private Ear/The Public Eye(わたしの耳/あなたの目)』をはじめ、次々と戯曲を発表。『ピサロ』(1964)、『ブラックコメディ』 (1965)、『エクウス』 (1973)、『アマデウス』 (1979)、『レティスとラヴェッジ』 (1987)等で日本の演劇ファンにも馴染み深い。

Peter Shaffer(写真提供:シス・カンパニー)

Peter Shaffer(写真提供:シス・カンパニー

わたしの耳』の上演台本・演出を担当するマギーは、1972年生まれ、兵庫県出身。明治大学在学中の1992年に「ジョビジョバ」結成。翌年より自身で作・演出を務めるようになり本格始動。1998年テレビ深夜番組へ登場して瞬く間に人気を博す。2002年12月ジョビジョバ活動停止。以降はソロ活動をスタートさせ、俳優・脚本家・演出家として様々な作品に携わっている。

『あなたの目』の上演台本・演出を担当する寺十吾(じつなしさとる)は、1964年生まれ、京都府出身。1992年劇団「tsumazuki no ishi」を旗揚げ。主宰として作・演出・出演の三役を担当。シス・カンパニー公演では「日本文学シアターシリーズ」全演出担当でおなじみ。ハロルド・ピンター作『誰もいない国』など外部演出作品多数。また、俳優としても、舞台・映画・テレビ出演など多方面で活躍している。

(上段左から)『わたしの耳』出演のウエンツ瑛士、そして趣里、岩崎う大(かもめんたる)。(下段左から)『あなたの目』出演の小林聡美 八嶋智人 野間口徹。