人気俳優の「手」にフォーカスした連載『キミと手をつなぎたい。』。隣でくつろいでいるようなドキドキドしてしまうグラビアと、占い師・真木あかり先生による手相診断から見えてくる、プライベートな一面に迫った好評インタビュー連載に、細田佳央太さん(18)が登場!

昨年公開された映画『町田くんの世界』で、1000人以上のなかからオーディションで主人公の町田くん役を勝ち取り、映画初主演を果たした細田さん(関水 渚さんとのダブル主演)。ピュア町田くんが細田さん自身と重なり、評価と人気を集め、今年もドラマ『左手一本のシュート』や、『家政夫のミナゾノ』ゲスト出演などで印象を残している。

コロナ禍の影響で延期となった出演作『子供はわかってあげない』の公開日は未定だが、今月は、オンライン演劇『青春cm2』が配信上演。さらに11月には映画『十二単衣を着た悪魔』も控える細田さんに、手相の診断結果を伝えながら素顔に肉迫すると、「一途」だという恋愛観や、意外な結婚観にはじまり、仕事への熱い思いが明らかに。尊敬する先輩、神木隆之介さんとのエピソードも語ってくれた。

取材・文 / 望月ふみ 撮影 / 増永彩子

◆異性を好きになったのは2回だけ。一途に思い続けます。

ーー 「頭脳線が2つある」珍しい相で、「その場その場で機を見てパッと動ける天性のカンの良さと、じっくりと努力を積み重ねて目標を叶える粘り強さ、両方がある」そうです。

勘の良さはお芝居をやっているとき言っていただいたことがあります。監督さんの指示がふんわりしているときも、割とイメージをつかむのが得意なのかもしれないです。先日も、『青春cm2』の演出・春陽漁介さんから、ワークショップをやっているときに、「今やっていることが、お芝居にどう繋がっていくのか掴む勘の良さがある」と言っていただいたばかりなので、長所として伸ばしていきたいと思います。

ーー 俳優業には強みですね。「努力」に関してはどうですか?

好きなことに関しては長く努力したいタイプです。バスケットボールとこのお仕事は、特に好きな2つで、どれだけ練習しても苦しくないです。勘はあっても、器用さを持ち合わせているわけではないので、器用さやセンスのある人に追いつくためには努力でどうにかするしかないと思っています。努力って、誰にでもある武器ですからね。

ーー おお。かっこいいことを言いますね。でも、実行するのは難しいです。

そうなんです。だから努力家になりたいと思っています。

ーー 「性格」は、「合理的な性格で、はっきりとものを言うタイプ。思ったことがそのまま口に出る感じですが、素直・天然と受け取られ、面白がられたり愛されたりする」ということですが、どうです?

あー、確かにそうです(笑)。心を許している人には、「これはいい、これは嫌だ」とはっきり言っちゃいます。「天然」というのは、初めて会う人にだいたい言われます。自分ではそんなつもりはないんですけど(苦笑)。

ーー 学校などではどんな立ち位置のタイプでした?

真ん中に立って何かをやりたいという人のサポートをするタイプ。あと、みんなと分け隔てなく付き合えていたと思います。でも、初対面の人には話しかけづらいと言われますね。「暗そう、怖そう」って(苦笑)。実際に話をすると、仲良くなるのは早いです。

ーー ずっと仲のいい友達はいますか?

一番仲がいいのは、同じ事務所の福崎那由他です。

ーー 『青春cm2』でも共演しますね!

そうなんです。歳が一緒で、小4からの付き合いです。学校も一緒で、ゲームをして遊んだりテスト勉強をやったりと、ずっと一緒に過ごしてきました。仕事の話もします。今回、一緒の舞台に立ててすごく嬉しいです。那由他は『黒執事』というミュージカルをやってきたので、「舞台ってどういう感じなの?」という話も聞いています。

ーー 『青春cm2』は、細田さんにとっての初舞台です。ただ今回は、通常の舞台とは異なる、オンラインでの上演になります。

はい。舞台に関してそもそも分からない状態なのに、さらにリモートでということで、わからな過ぎて、逆に心配できることがない状況です(笑)。予測ができないので、何が不安かも分からない。やるしかないし、楽しみです。今の状況だからこそ生まれた形のものですし、お客さんの反応や、どう伝わってくれるのか。ワクワクしています。

ーー 手相のほうに話を戻しますと、好き嫌いがはっきりしているというのは、「恋愛」に関しても同じとのこと。「駆け引きに出たりあれこれ悩んだりするのは嫌い。スパッといってダメなら終わらせる、引きずらない」と。

確かに、好きになったら好きって言っちゃうかも。引きずらないのもそうかな。冷めたら一瞬です。

ーー わー、それはちょっと怖いです(笑)。

(少し焦って)いや、嫌いになるとかじゃなくて! たとえば中学で好きだった人と、高校で離ればなれになる。それなら仕方ないなと諦める、とかそんな感じ。やっぱり近くにはいて欲しいし。誰かのことを好きになったら一途で長いんですよ。僕、異性のことを好きになったのって、まだ2回くらいなので。

ーー 2回だけ? 何かのアンケートで、初恋は小学校1年のときだと見ましたが。それも、細田さん自身が覚えていたのではなく、お母様にそう聞いたと。

そうなんです。それを含めると3回ですね。僕自身は、小学校1年の時のことは覚えてなくて(苦笑)。中学生のときに好きな子が出来て、お母さんに話したんです。そのときに、「初恋は小学校1年のときだったよ」と教えてもらいました。

ーー 好きな子ができると毎回、お母さんに話すんですか!?

家族で何でも話します。いいことも悪いことも。小1のときのことは覚えてませんが、中学のときに話をしたことは覚えてます。まず、その子の声が好きになったんです。すごく芯がしっかりしていて、ステキな声だなと思って話すようになって、好きになりました。

ーー 高校で離れるまで。

そうです。えへへ。

ーー 診断で「常に恋をしているタイプ」と出ているのですが、お話を聞くと、同じ人のことをずっと好きでいるという意味なんですね。

そうですね。一途です。周りに流されずに、芯を持っている人が好きです。噂を信じちゃうとかじゃなくて、自分自身でちゃんと見て判断のできる、いい意味で疑う心を持っている人がいいなと思います。

◆結婚はしないタイプだと思ってました。

ーー 「恋愛」診断の結果を続けますね。結婚は「30歳前後」。

するんだ! 自分はしないタイプだと思ってました。自分の性格を俯瞰して見たときに、「僕みたいな人と結婚してくれる人っているのかな」と思っちゃって。どうしても自分の性格の悪い部分を深く考えちゃうんです。たとえばこの自粛期間にも、高校時代を振り返って、「誰々にこういうことを言っちゃったな、どうしてあんな言い方をしちゃったんだろう」と。あれこれ考えて、こんな自分は結婚できないんじゃないかなって悲観的に思っちゃう。だから、そういう結果が出ているなら嬉しいです。

ーー 「ちょっとクールなので、甘えたがりさんと付き合うとズレが生じやすいかもしれません」とも。

あー、確かにどちらかというと僕が甘えるほうかもしれません(照)。

ーー 結婚についてはあまり考えたことがないようですが、理想の家庭像を考えるなら?

毎日笑っていられる家庭がいいです。今、共働きが多いですけど、奥さんが働きたいなら働いて、働きたくないなら働かなくてもいいように、奥さんが選択できる、しっかりと支えられる男性になりたい。子どもが出来たとして、そこも、ちゃんと選択肢がある家庭がいいなと思います。

ーー 家族が好きなことを選択できる大黒柱になりたいんですね。「笑顔に」というのは、ご自身の家族もそうだから?

そうですね。妹の友達からすると、僕と妹はかなり仲がいいみたいです。2人でカラオケに行ったりしますし、お母さんとも今でも一緒に買い物に出かけます。反抗期も一切なかったです。もちろんケンカをすることはありますが、その都度なんでも話をしてきたからか、1日寝れば元通りです。

ーー いいご家族ですね。続いてお仕事ですが、「今はあれこれ自分なりに模索しながら、俳優というお仕事に向き合っている」と。

自分のお芝居を俯瞰的に見たり、そもそもお芝居って何なんだろうと考えています。とりあえずうまくなる!というよりは、自分のお芝居の長所と短所はどこで、足りていないものは何で、それを補うにはどうしたらいいかと考えています。

ーー 「合理的」な部分が出てますね。この自粛期間は特に考えたのでは?

それしか考えていないくらいです。もちろん作品も多く観ました。ただその際には、作品そのものを楽しむことを心掛けています。そのうえで、いざ自分のお芝居と向き合ったときに、これが足りないなと感じたら、「あの作品のこのお芝居がヒントになるかも」と思えるように。まずは純粋な気持ちでいろんな作品を観て、必要だと感じるときに、ヒントとして引っ張り出せるように。

ーー 真面目!

でもまだ、そういうことを考えるのは早いと言われる気もするんです。今はあれこれ考えるよりも、とにかく経験を積むことが大切だと言われそう。

ーー ちなみに今の時点で細田さんが自分の武器だと思っていることは?

町田くんの世界』の町田くんのように、ピュアさと素直さはあるかなって。そこは失いたくないです。

ーー 『子供はわかってあげない』も拝見しましたが、ここで演じている門司くんもピュアですよね。

はい。そうしたピュアさは自分自身、将来も持っていたいです。それから、『町田くん~』の撮影のときに、「お芝居を楽しい!」って思えたんです。でもそれは作品や役柄のエネルギー量が大きくて、テンションが上がっていたから思えた部分もあるんですよね。それで、石井裕也監督から、「テンションが低くて暗い役でも楽しめるようになりな」とアドバイスをいただいたことを胸に置いてます。たとえば殺人鬼の役とか、絶対に経験しちゃいけないことですが、そうした役を演じる際に、芝居を楽しむとはどういうことなのか、早く見つけられたらと思っています。

ーー 『町田くんの世界』は細田さんにとって、大切な作品になりましたね。

役者でご飯を食べていこうという考えが、さらに強くなりました。『町田くん~』でお芝居を楽しいと思って、『子供は~』で自分のお芝居を改めて見つめ直すようになった。そしていま考えている途中です。先輩からも色々聞いて学んでいます。この前も、神木隆之介先輩に、LINEで相談したんです。「こういう悪い癖があるんですけど、どうすればいいでしょう」って。そしたら神木さんが「僕でよかったら」と電話をくれて、色々アドバイスをしていただきました。これから先もまた、「悩みや不安が出てきたら、いつでも聞いてね」って。すごく優しい先輩です。自分で考えることも大事ですが、最近は、聞かないとだめなものは聞こうと。

ーー 診断にも、「ゼロから自分なりの成功法則を作っていくのも良いと思いますが、魅力的と思う先輩の真似をするなど、ある程度「他の人の型」を試してみると、いい参考になる」とあります。アドバイスの前に、すでに実践されていますね。

マネージャーさんに教わりました。お芝居は、最初は物まねだからと。今、一番尊敬しているのが神木さんなので、かなり作品を観て勉強しているところです。僕は、神木さんの明るいキャラだけでなくて、ちょっとS寄りなキャラクターだったり、暗めの役とか支配的な役のほうが好きなんです。『学校のカイダン』とか『神さまの言うとおり』とか。自分自身はまだ開いたことのない扉なので、そういう機会が出てきたら、神木さんのお芝居を参考にしたいと思っています。

ーー 20代、どんな役者になっていきたいですか?

あるアニメで「目標をその人に決めてしまうと、その人を超えられない」というセリフがあって、確かにそうだなと思って。目標を誰かに限定すると、成長をストップさせてしまう気がするので、考えなくなりました。ただ、自分に何を課せるかと考えたときに浮かぶのは、「お芝居をちゃんとできる役者さんになりたい」ということです。お芝居するって口にするのは簡単ですが、答えがないんですよね。だから、死ぬまでクリアできないけれど、追い求め続けて、ちゃんとその場所にいられる役者さんになりたいです。

ーー 大人の男としてはどうなりたいですか?

どっしりしている方はステキだなと思います。やっぱり仕事に繋がってしまいますが、監督やプロデューサーさん、スタッフさんたちに信頼される人。役者としても人としても、どっしりとした人になりたいです。

ーー 最後に「金運」を。自分ではどう思いますか?

欲求がないタイプかな~。

ーー おお!当たってます。「お金に対する執着がかなり薄め。ただ執着がない分、パッと稼いでパッと楽しく使う、ということになりやすい」ようです。

持っていると使っちゃうのであまり持たないようにしています。使うのはご飯とゲームかな。いまはプレステ4の「マインクラフト」っていうモノづくりのゲームとか、あとバスケのゲームなんかにハマってます。

ーー お金を持たないとのことですが、今までもらったお年玉などはどうしてました?

使う分だけもらって、あとはお母さんに渡してます。普段から、財布には2000円までしか入れてないんです。でもそしたらこの間、お母さんに怒られました(笑)。足りなくなるとコンビニで下ろして手数料を取られるということが何度かあって。「どうせ足りなくなって下ろすなら、5000円くらい持つようにしなさい!」って。ちゃんとお金のことも考えられるようにならないと(苦笑)。

ーー 来年の12月には二十歳になりますしね。最後に改めて舞台にかける意気込みを教えてください。

自分はこうだなと考えてもらえる作品にできればと。登場人物たちが自分自身を見つめていく物語です。何かを始めることって不安だったりしますが、まず1歩踏み出してみようよと呼び掛けられるような、パワーを持った作品を届けたいと思っています。

ヘアメイク / 金田紗世子(MAKE ON)
スタイリスト / 岡本健太郎

「芝居を追い求め続ける」「恋愛は一途」。細田佳央太の素顔を”手相”から肉迫!は、WHAT's IN? tokyoへ。
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掲載:M-ON! Press