トッテナムコートジボワール代表DFセルジュ・オーリエが、射殺された実弟クリストファー(享年26)の死について初めて口を開いた。フランス『La Depeche』が伝えている。

オーリエの実弟であるクリストファー・オーリエ氏(享年26)は、13日早朝にフランス・トゥールーズのナイトクラブで、元ガールフレンドに関するトラブルに巻き込まれた、そして、2度の銃撃を受け、地元病院に緊急搬送されたものの、そのまま帰らぬ人となった。

オーリエは過去にチャンピオンシップ(イングランド2部)のブレントフォードトライアウトを受け、カタールベルギーのチームでプレーを目指していた同じフットボーラーだった1歳下の弟に関して、トゥールーズ地元紙のインタビューに応じた。

家族想いだったその優しい人柄、年末に結婚を控えていたこと。フットボーラーとして自身よりも優れた才能を持っていたと、愛する弟について語っている。

「弟は本当に家族想いの男だったよ。トゥールーズで家族の面倒を見てくれていた。母や姪、甥の世話など、多くのことをやってくれていた。彼が母のためにこの場所に留まってくれていることを知っていたから、そのことに本当に感謝していたんだ」

「僕らは一緒にプロジェクトを行っていた。それに弟は年末に結婚を控えていた。その重要なもうひとつのプロジェクトを実現することはできなかった…」
「正直なところ、プレーヤーとしての才能は弟の方が優れていたと思う。だけど、僕の方がフットボールに対してよりストイックだった。RCランスでは僕よりも弟の方が評価されていたんだ。ピッチ上では穏やかでありながらも大きなキャラクターを持っていた。不正を嫌ったし、トゥールーズのアマチュアリーグプレーを続けていた際にも、僕の弟であることを隠していた。だから、今回の訃報を聞いて初めて僕らの関係を知った人も多かった」

「彼は僕の最大のファンでもあった。僕らはいつでも考えが一致したわけではなかったけど、彼は良いときも悪いときもいつでもメッセージを送ってくれていた。そういった試合ごとの彼からのメッセージを失ったことは本当に残念なことだよ」

また、オーリエは実弟が射殺されることになった経緯について、弟の友人の証言を基に以下のように説明している。

「事件は女性に関する問題だった。弟はしばらく前から昔のガールフレンドと連絡を取り合っていたようだ。そのことに関して彼女の新しいボーイフレンドが弟に対してやめるように要求したが、弟はそれを無視した」

「そして、新しいボーイフレンドは一度食べ物を買いに行くと言ってクラブを離れて、戻ってきたときに銃で弟を撃った。弟の友人はとても勇敢だった。そういった状況に直面するのは本当につらいことだ。だから、彼に対して自分自身を責めないように伝えたよ」

さらに、すでに自首した犯人に対しては、「彼が翻意して自首したことは良い知らせだと思う。そして、犯人を憎んだり、復讐したいという気持ちはない。僕は常に冷静でい続けるべき世界で生きている。そして正義を信じている。それでも、悲しみや後悔と共に弟の死を悼み続ける」と、憎悪や復讐の感情はないと主張している。

最後に、オーリエは今回の訃報に際してフットボール界から届けられた様々な励ましの声に感謝を示している。とりわけ、所属するトッテナムのチームメイト、スタッフからの心温まるサポートに感謝している。

「多くのメッセージに感謝している。とりわけ、僕のチームであるトッテナムからのサポートに感謝している。水曜日の夜の試合でプレーしたけど、仲間は弟に勝利を捧げるために頑張ってくれた。監督との話し合いの中でプレーすることを決めた。僕はチームにすべてを捧げているからね。激しい試合だったけど、僕たちは勝つことができた。そして、ピッチ上では決して自分が一人ぼっちではないことを知っていたんだ…」

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