2018年に日本テレビ系で放送された大ヒットドラマ「今日から俺は!!」が、笑いとスケールをアップした劇場版になってスクリーンに登場!大ヒット公開中だ。

【写真を見る】賀来賢人×伊藤健太郎、仲良しの2人がセルフポートレートを撮り下ろし!<写真13点>

“笑いの奇才”=福田雄一監督のもと、ドラマ版に続いて金髪とトゲトゲ頭のツッパリコンビ、三橋貴志と伊藤真司を快演した賀来賢人伊藤健太郎が、清野菜名橋本環奈仲野太賀らオリジナルキャストと、柳楽優弥山本舞香ら魅力的なゲスト俳優と一緒に作り上げた本作を、前後編のインタビューで振り返ってくれた。

今回お届けする前編では、ドラマ版の反響や劇場版ならではの見どころ、共演陣の印象など撮影の裏側についてインタビュー。さらに、息のあった2人には自分たちでシャッターを切る、セルフポートレートスタイルで撮影に臨んでもらった。これを読めば、映画がさらにおもしろくなるはず!

本作は、原作の人気エピソード「北根壊編」の映画化。1980年代、軟葉高校に転校してきたのを機にツッパリデビューした三橋貴志と伊藤真司は、コンビを組んで強敵を次々と返り討ちにしていく日々を送っていた。そんな二人が3年になったある日、不良の巣窟で知られる開久高校の一角を、隣町の北根壊高校が間借りすることに。極悪高校で知られる北根壊の番長・柳鋭次(柳楽)と相棒の大嶽重弘(栄信)は、智司(鈴木伸之)と相良(磯村勇斗)という圧倒的な“頭”を失った開久の生徒たちに対して妙な商売を始める。一方、怪しいスケバンの涼子(山本)は、怪力がウリの紅高の番長・今井(仲野)に近づき…。

■「“今日俺”のメンバーは家族みたいな関係」(賀来)

――今回はお2人にシャッターを切ってもらうセルフポートレートスタイルでの撮影でしたが、いかがでしたか?

賀来「(写真を見て)楽しかったです!」

伊藤「めっちゃいい写真ですね」

賀来「この格好も見慣れて、いまはヘンだとも思わなくなったし」

伊藤「僕は逆のことがありました。京ちゃんを演じている橋本環奈さんと『弱虫ペダル』でも共演したんですけど、一緒のシーンを撮影した時に2人とも普通の服を着ていたから違和感があって(笑)。こっちのほうが見慣れているから落ち着くんですよ」

――では、ドラマ版から1年以上空いた劇場版の撮影でもすぐに役に戻れたんですね。

賀来「“今日俺”のメンバーは家族みたいな関係なので、ホッとする感じもあったけれど、この衣装でメイクをするのは久しぶりだったから、撮影の初日は妙に緊張しました」

伊藤「僕も“今日俺”は、自分がステップアップできた思い入れの強い作品だからうれしかったけれど、1年以上も間が空いていたからすごく緊張しました」

賀来「久々の現場であのテンションが出せるのかな?と不安だったし、撮影に入ってからも最初の2、3日はなかなかエンジンがかからなかった。予想以上に馬力を出さないと、三橋という役はできないんだなということを改めて痛感したし、動きや声にバネがある、気持ちのいいリズムをつかむのが大変でした」

伊藤「僕はドラマ版のあと、共演者の方たちとほかの現場でご一緒することがそんなになかったので、“オマエ、この1年の間にどれだけ成長したんだ?”みたいな感じで見られるのが怖くて。それで、緊張していたんですよ(笑)」

賀来「そんなに怖がらなくても(笑)」

伊藤「本当にそうでした。現場のみんなも1年前と同じだったから、戻れて楽しかったですね」

――ドラマ版のテイストを大切にしながらも、劇場版ならではのスケール感やおもしろさがあると思いますが、撮影中にもそれは感じましたか?

賀来「“今日俺”の昭和の匂いと衣装、濃いキャラクターはもともと映画の大きなスクリーンで映えると思っていたけれど、今回はワイヤーアクションがあるし、三橋と伊藤がチャリで2ケツ(2人乗り)するシーンもけっこうスゴい画になっている。アクション部が観ていてワクワクするおもしろい仕掛けをいっぱい考えてくれたので、そこは劇場版ならではですね」

伊藤「でも、アクションは大変でした。特に200~300人の不良がいる中に突っ込んでいくクライマックスは劇場版のもっともアツいシーンだけど、人の数が多いし、撮影の環境も最悪でほこりまみれになりましたね。でも、あの砂ぼこりもカッコよく映っていると思うな」

■「京ちゃんとのデレデレシーンは、脚本を何回読んでも理解できない(笑)」(伊藤)

――久しぶりの福田雄一監督の演出はいかがでしたか?

賀来「そこは変わらずでしたね(笑)。コメディ部分とシリアスなシーンとの切り替えが早い。僕と健太郎は福田さんのことをよく“中二病監督”って言ってるんですが(笑)、劇場版では男子やちびっ子がワクワクするシーンやセリフ運びがさらに盛りだくさん。“正義が勝つ!”というテーマの中でそれが連続するから、ドラマ版と同じぐらい期待してもらえると嬉しいです」

伊藤「劇場版にはカオスなシーンもありますね。伊藤と京ちゃんがあのテンションでウワ~と盛り上がっていて、三橋と理子ぴん(清野)も勝手にしゃべっている。全員が言いたいことをバーってしゃべって、それで終わっちゃうんです(笑)」

賀来「オープニングもそうじゃん(笑)」

伊藤「そうだ!だからみんな、自分のことでいっぱいいっぱいになっているんですけど、はたから見たらなにやってるんだ、コイツら?みたいな感じになっていて。あの撮影はすごく印象に残っています」

――伊藤と京ちゃんのデレデレシーンもパワーアップしていますか?

伊藤「ドラマ版よりバカっぽくなりましたね(笑)」

賀来「バカだったね~(笑)」

伊藤「でも、福田さんは“ドラマ版を撮っている時は、伊藤と京子がデレデレするシーンがここまでちびっ子に人気なるとは思っていなかった”と言われていて。だから劇場版ではよりバカっぽくしたと思うんですけど、それをパワーアップと言っていいのかはわからない(笑)」

賀来「ふたりのやりとりは意味もわからないしね(笑)」

伊藤「そうそう。脚本を何回読んでも理解できないんですよ。でも、途中で理解できなくていいやと思って(笑)。理解せずに、勢いだけでやったほうがおもしろくなるような気がしましたから」

■「みんな福田監督のことが好きで、自然に人が集まるんです」(賀来)

――劇場版には敵対する高校の番長・柳役で柳楽優弥さん、その相棒・大嶽役で栄信さんが新たに参加されていますが、お2人との共演はいかがでしたか?

賀来「柳楽さんとガッツリお芝居をするのは初めてだったんですけど、ただならぬオーラを醸し出していて。同い年とは思えない彼ならではのパワーと目力で、本当にすばらしいラスボスを演じてくれたと思います」

伊藤「僕は栄信さんとのアクションシーンがけっこう多かったんですけど、めちゃくちゃデカいし、アクションがマジものなんです(笑)。琉球空手でしたっけ?」

賀来「そうそう」

伊藤「だから、怖いんですよ」

賀来「あれは本当に怖い」

伊藤「だから、“きっと死ぬんだろうな~”と思いながらやっていたんですけど(笑)。“ここは当てちゃいましょう”とアクション監督の言葉を受けて、テンションの上がっている僕も“ウソっぽくなるといけないから来ちゃってください”と答えたら、すごいパンチバーンってお腹に入って。あの時は、本当に息ができなくなりました(笑)」

賀来「そんなにエグいんだ?」

伊藤「エグかったですよ!」

賀来「でも、力を抜いてくれているんだよね?」

伊藤「抜いているらしいんですけど、お腹に当てた状態で止めるという画を撮らなければいけなかったし、栄信さんは『僕が習ってきたのは内臓を破壊するパンチ』って言っていたから、パッドをつけていても意味ないやと思って(笑)。なにを信じたらいいのかよくわからなかったけれど、内臓が破裂するんじゃないかと思ってビクビクしてました」

――福田監督の現場はいつもレギュラー陣とゲスト俳優がすぐに仲良くなるから不思議です。

賀来「みんな福田さんのことが好きだから、福田さんのところに自然に集まるんですよね」

伊藤「たしかに!」

賀来「みんな、大好きな福田さんを笑わせたり、喜ばせるために一生懸命やっている。それが福田作品のおもしろさや魅力につながっていると思います!」

<後編に続く>

取材・文/イソガイマサト

2人の仲良しインタビューを、前後編でタップリお届け!/写真/宮﨑健太郎 衣裳/高橋英治 ヘアメイク/関早矢香、宮内宏明(M’s factory)