2018年に日本テレビ系で放送された大ヒットドラマ「今日から俺は!!」が、笑いとスケールをアップした劇場版になって復活!大ヒット公開中だ。

【写真を見る】賀来賢人×伊藤健太郎、笑いの絶えないセルフポートレート撮影に密着!<写真14点>

笑いの“奇才”=福田雄一監督のもと、ドラマ版に続いて金髪とトゲトゲ頭のツッパリコンビ、三橋貴志と伊藤真司を快演した賀来賢人伊藤健太郎が、清野菜名橋本環奈仲野太賀らオリジナルキャストと、柳楽優弥山本舞香ら魅力的なゲスト俳優と一緒に作り上げた本作を、、前後編のインタビューで振り返ってくれた。

今回お届けする後編では、劇場版で久しぶりに共演したお互いの印象や、福田監督の現場の思いがけない変化、作品タイトルに絡めた“2人が今年から始めたいこと”までググっと迫りました。劇中とは違う2人の素顔が見え隠れするので、これを読めば映画の見え方も変わるかも!?

■「ツッパリたちの世界はみんなまっすぐで、すごく好きです」(賀来)

――改めてお聞きしますが、ドラマ版が大ヒットしたした時に、思ってもいなかった意外な反響はありましたか?

伊藤「意外な反響というか、いろんな人たちが観てくれたことにビックリしました。それこそ年齢の幅も広くて、自分の母親やおばあちゃんの世代の人たちから3歳ぐらいの子どもまで楽しんでくれたので、そこは想定外で。僕は、小学校の高学年から中学生ぐらいがメインの視聴者になると思っていたんです。でも、大人も子どもと一緒にしっかり楽しんでくれていたし、家族や学校での会話の中心に“今日俺”があるという現象はとてもうれしかったです」

賀来「本当にそうだよね。子どもたちの親から“ありがとうございます。子どもがおとなしくなりました”って言われたし、想像していなかったうれしい誤算がいっぱいあって。自分のキャリアにも大きな変化があったし、いいことばかりでした(笑)」

――“今日俺”が描くツッパリたちの世界はそれまでなじみがなかったと思うんですけど、演じられてみていかがでしたか?

賀来「“タイマン”という制度はかわいいですよね。現代のように感情のベクトルがイヤらしくないというか、昔のほうがすべてシンプル。そこがあの時代のよさだし、すてきだなと思います。だって、“タイマンだー!”って言ったら、ちゃんと(相手が)来るんですよ。すごくかわいいじゃないですか(笑)。ツッパリとはいえ、みんなまっすぐだから、そこがすごく好きです」

伊藤「そうですね。80年代のツッパリの人たちって、みんな熱いものを持っている。例えば、バイクが好きな人がそれに情熱を注ぎ、サッカーが好きな人が全力でそれに打ち込むのと同じで、ツッパリもそれを極めた彼らの美学。そこは自分も含めた現代人やいまの高校生が忘れがちな部分のような気がしたし、三橋も伊藤も美意識高いなって思いました。伊藤なんて、“朝からこんなに髪を立てるか!?”という感じでしたから(笑)」

――伊藤さんは今回の劇場版のために、いつごろから髪を伸ばし始めたんですか?

伊藤「実は、朝ドラの『スカーレット』を同時に撮っていたので、すごく微妙だったんです。それこそ、カツラにしなきゃいけないのか?って話も出て、髪問題はいろいろあったんですけど、なんとか伸ばしていいということになって。でも、どれぐらいの期間だろう?賀来くんの舞台『恋のヴェネチア狂騒曲』を観に行ったのはいつぐらいだったっけ?」

賀来「去年の夏だよ。7月!」

伊藤「それぐらいからだから3、4か月ぐらい。伸ばしたい、伸ばしたいと思っていたのでドラマ版の時より若干長くなっちゃったけど(笑)、間に合ってホッとしました」

■「賀来くんをテレビで見ると、血のつながったお兄ちゃんのような感覚になる」(伊藤)

――劇場版の現場で久しぶりに会ったお互いの印象は、ドラマ版の時と変わらなかったですか?

賀来「健太郎はドラマ版の時から堂々としていました。(仲野)太賀ともよく話すんだけど、普通の人にはない大物感があって、本番にも強いからなんでもできちゃうんです」

伊藤「でも、それはやっぱり、賀来くんが座長のポジションでしっかり頭を張ってくれていたから。そのおかげで、僕らは自由奔放に頑張ることができたような気がする」

賀来「たしかにドラマ版の時は、僕もそうだったけれど、みんなもうね…」

伊藤「ギラギラしてた!(笑)」

賀来「みんな、絶対に俺が決めてやる!俺が一番目立ってやる!みたいな感じだったけれど、今回の劇場版は少し間が空いたし、いろいろな現場を経験したあとだったから、僕はあの時の感覚を取り戻すのに時間がかかった。それこそ健太郎や太賀、矢本(悠馬)ちゃんの変わらないまっすぐな芝居を見て、俺も頑張らなきゃ!って思ったよ」

伊藤「ヤバいって言うけれど、いまも話したように、僕らが全力でできたのは賀来くんがいたから。そこは劇場版でも変わらなかったので、僕らは大船に乗ったつもりで挑むことができた。それぐらいすごい存在です」

――お互いに相手のことを大きな存在と思いながら演じられていたわけですね。

賀来「そう書いておいてください。“お互いを大きな存在と認め合う2人”って(笑)」

――でも、お2人は実際は少し年齢差がありますよね?

賀来「なんてことを言うんですか!?」

伊藤「(爆笑)」

賀来「いや、大丈夫ですよ。ちゃんと共通言語もあるし、普通にプライベートの話や仕事の話もします」

伊藤「話しましたね」

賀来「環奈ちゃんや清野さんも含めて大家族みたいな感じで、僕はその家族の長男のような感覚なんです」

伊藤「ほんとうにもう、お兄ちゃんです」

賀来「で、健太郎が末っ子みたいな(笑)」

――お互いに刺激を受けることもありますか?

賀来「あります」

伊藤「テレビで“今日俺”のメンバーを見ると、ほかの作品で共演した人たちを見る時とは違う感情が生まれてくる。賀来くんの場合も、本当に血のつながったお兄ちゃんを見ているような感覚になるんですよね」

賀来「そうだね。健太郎の『スカーレット』の記事が連日のように出た時もやっぱり見ちゃったし、それで褒められていると、やった~!って気持ちになって手放しで喜べる。無償の愛ですね」

――芝居をしている時と、休憩している時のギャップを感じることはありますか?

伊藤「ほんと思うんですけど、“今日俺”の現場って、みんなずっと笑っているんですよ」

賀来「そうだね」

伊藤「いつもなにかの話で盛り上がっていて、みんなずっと笑っているから、ちょっと静かにしていると体調が悪いと思われる(笑)」

賀来「わかる(笑)」

伊藤「これは“今日俺”あるある(笑)」

賀来「でも、それぐらい仲良しってことじゃん!」

伊藤「本当に仲がいいと思います(笑)」

■「監督に、アクションシーンを“よかったよ”と言われたのがうれしかった」(伊藤)

――劇場版の現場で、福田監督の演出の違いや変化を感じることはなかったですか?

賀来「ドラマ版の時のほうが粘っていたかもしれない」

伊藤「そんな印象がありますね」

賀来「ドラマ版の時はテイクを重ねたシーンがあったけれど…」

伊藤「今回はなかった」

賀来「ただ、太賀の前で僕が急にねずみ男になるとんでもないシーンの時だけは、福田さんも発声の仕方を何度も指導してきて。“違う、違う!もっとウ~ンという感じで”って言うんだけど、そのニュアンスがいまいちわからないまま演じていた(笑)」

伊藤「ドラマ版の時は、アクションシーンの撮影になると福田さんは現場で寝ていましたよね。寝ていたって言うと表現が悪いですけど、あまり見てなくて…(笑)」

賀来「いや、寝てたよ(笑)」

伊藤「そうですよね!アクション監督にすべてお任せしている印象があったんですけど、伊藤が大人数の不良たちの中に突っ込んでいく劇場版のクライマックスを撮影した時はしっかり見てくれて。“よかったよ”って言ってくれので、それはうれしかったですね」

――最後に作品のタイトルにちなんで、お2人が今年から始めたいことを教えてください。

賀来「ゴルフ!(笑)」

伊藤「撮影中も言ってましたね」

賀来「近々にやるってずっと言い続けている」

伊藤「いいですね」

賀来「やっている人がみんな“楽しい”って言ってるし、役者の先輩の池田成志さんが“オマエもいい加減連れて行くぞ!”って誘ってくれたので、いつか行ってみたいです。クラブもすべていいものを買っちゃおうと思ってる」

伊藤「いいっすね!」

賀来「やろう!」

伊藤「行きましょう、行きましょう!」

賀来「周りもけっこう“やろうぜ同盟”を結んでいるしね」

伊藤「理子ぴん(清野)もたしかメンバーですよね」

賀来「そうそう。5、6人のメンバーだけど、まだだれも始めてないから“みんなで一斉にやろう!”って話しているんだよ」

伊藤「ウワ~行きたい!」

賀来「健太郎はなにか始めたいことある?」

伊藤「陶芸!」

賀来「あっ、そっか!」

伊藤「朝ドラの芝居でやったら、けっこうハマっちゃって。先生にも“始めて20年目ぐらいのレベルだ”って言われたし、自分で言うのもなんですけど、できたものがなかなかいいんです。だから、陶芸。で、いつか個展をやりたい!」

賀来「いいじゃん、個展。それは楽しみだね!」

取材・文/イソガイマサト

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