7月12日に放送の「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)がコロナ禍の影響で、その番組名とは裏腹に国内ロケのみで構成されたものの、視聴者の受けは総じて高かったという。

 この日は出川哲朗が体を張った“ピタゴラスイッチ”に挑戦する「ピタデガワスイッチ第3弾」と、「いとうあさこのミステリーツアー in 鳥取県島根県」を放送。

 もはや日本の果てにすら足を運んでない感は拭えないが、ネット上の視聴者からは〈これはこれで新鮮でおもしろい〉〈日本のいろんな場所でロケしてほしい〉〈当分国内ロケでいいんじゃない?〉といったポジティブな声が数多く寄せられていたようだ。

鳥取砂丘で有名な『銭形砂絵』や、ラクダには目もくれず、サンドボードでいとうあさこが顔面を痛打するシーンや、ウユニ塩湖のように水面に映るいとうの姿をおもしろがるなど、いかにも『イッテQ』らしい演出はさすがでしたね。ここ1カ月の放送ではイモトアヤコが、47都道府県制覇を目指して沖縄の鍾乳洞を訪れたり、ガンバレルーヤが横浜の八景島シーパラダイスイルカショーに挑戦したりと、すっかり日本国内をターゲットにした旅バラエティへと様変わりしているようです」(テレビ誌ライター)

 7月5日の放送では視聴率15.3%をマーク。裏番組「ポツンと一軒家」(テレビ朝日系)の18.8%にこそ及ばなかったものの、スポーツ系を除く娯楽番組では週間2位という高い数字をマークしている。

 だが、そんな「イッテQ」の国内ロケ路線に今後、黄信号が灯っているというのである。12日の放送では、いとうが断崖絶壁に建つ国宝建築の「投入堂」に向かう厳しい山道に挑戦したものの、同じ日テレ7月17日に放送予定の「沸騰ワード10」にてSixTONESの京本大我がまったく同じ山道を登っていたとのことで、いきなりその事情が番組内で説明され、いとうの登山風景はあえなくお蔵入りに。到着後の姿だけが映し出されたのだった。

「この事態が示しているのは自局や他局を問わず、国内ロケで企画がカブることは日常茶飯事だということ。それに加えて『イッテQ』は旅バラエティにも関わらず、観光スポットの情報をほとんど報じないという独自のスタイルを構築しています。海外ロケなら問題ないものの、国内ロケでは取材される意味がないとして協力を拒む観光地も続出することも考えられます。そうなると『イッテQ』らしさを貫くのは回を重ねるごとにどんどん難しくなるのは不可避。このまま国内ロケが続くと、それこそ番組存続の危機に瀕する事態にもなりかねません」(前出・テレビ誌ライター)

 やはり「イッテQ」は世界の果てまでロケに出かけるところが見どころなのかもしれない。

(金田麻有)

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