高野麻里佳(まりんか)、高橋李依(りえりー)、長久友紀(がっきゅ)によるユニット・イヤホンズが、3rdアルバム『Theory of evolution』をリリース。声優アニメディア8月号では、“音楽の進化論”というコンセプトによってもたらされた音楽や表現に対する気づき、結成5年目となるユニットの変化などについて語った3人のインタビューを掲載。「超!アニメディア」では、声優アニメディア本誌では掲載しきれなかった内容も含めた長文版で紹介する。本誌未掲載のアザーカットも必見!

“全曲完全新作”という気持ちで聴いてほしい!

――今回のアルバムのコンセプトについて教えてください。

高野 制作時には毎回プロデューサーさんが各曲のコンセプトや意図を文章にしてくださるんですが、今回は〝進化論〞と書かれていて、頭の中に猿人から人間に進化していく教科書の図が浮かんできちゃいました(笑)。

長久 すごい! 私はなんにも思い浮かばなくて〝無〞だったよ〜(笑)。

高橋 進化論って、イヤホンズの成長や変化、音楽面での新しいアプローチを象徴する言葉なのかなと思ったんですけど、やっぱり制作中は手探りだったので、資料がくるたびに驚いていました。5曲目ぐらいから〝うん。なる、ほ、ど……な?〞って感じになって。

長久 本当にわかったのは完成してからなので、いま、まさに進化を実感しているところです(笑)。

高野麻里佳

――――新しい定義の誕生ですね。いつか教科書に採用されるかも?(笑)

高橋 してほしい~!(笑)

長久 テストに出るところに指定して、みんなに覚えてもらいたいですね!(笑)

――アルバムでは主にどのような点が“進化”しているのでしょうか?

長久 例えば、既存曲をリアレンジして新たにレコーディングした形での進化。このタイプは3曲あるんですけど、ハンドクラップ付きのゴスペル調の曲に興味があったので、私は「わがままなアレゴリー」の新アレンジが大好きで! すごく素敵なぶん、レコーディングは本当に大変だったんですけど。

高橋 主旋律はあっという間に録り終わったのに、ゴスペルらしい迫力を出すために7声も重ねたから、録っても録っても終わらなくて(笑)。でも、リアレンジされた「背中のWING」や「耳の中へ」も、キャラクターや作品への思い入れとともに、これまでステージで歌ってきたからこその共有感がある曲なので、キャラソンだった曲を今回改めてアーティストver.としてお届けできることにすごく意味があるなって感じています。

高野 確かに以前は「キャラがどう踊るか歌うか、ブレスをするか」というキャラクターとしての表現だったものが、今回は“イヤホンズとは?”を突き詰めた私たちの5年目の表現になっているところも進化ポイントです

――このアルバムのために書き下ろされた楽曲については、いかがですか?

高野 「記憶」は、(2ndアルバム『Some Dreams』収録の)「あたしのなかのものがたり」の流れをくむ進化系の曲ではあるんですけど、朗読やポエムのようでもあり、そこにラップや歌が入ってくる独特な構成なので、最初は『これは曲なのか?』と驚きました(笑)。でも、イヤホンズってセリフや歌詞を映像や音に合わせるだけでなく、それをメッセージとして伝えることを大切にしているユニットなので、その特色をフルに生かした曲を作っていただけたことがすごく嬉しかったです。あと、「あたしのなかのものがたり」のときは“旅立つ人、安定を求める人、迷う人の3タイプを曲の中でひとりにまとめなきゃ”という意識が強かったけれど、今回は3人それぞれが演じたものが自ずとひとりに感じられる“回想”に似たイメージで取り組めたという違いがあったように思います。

長久 私は最初、ちゃんと歌えるか不安だったけど、先にりえりーが録った歌を聴いたら曲のイメージがグッと鮮明になって『私も頑張ろう!』と思えましたね。最近はプロデューサーさんが曲に込めた意図や2人の声の表現から伝わるイメージも感じ取れるようになってきました。それって5年前の私にはできなかったことなので、そうした自分の中の変化を感じた曲でもあります。りえりーは、レコーディングがトップバッターで緊張しなかった?

高橋 逆に私は最初ですごくやりやすかったし、早く歌いたかったから“曲を聴いたときのイメージ+プロデューサーさんが思う方向性+私のしたいこと”を全部詰め込んで、“2人とも、あとはよろしく!”という感じだった(笑)。イヤホンズとして歌うときって自分の中でどんどんやりたいことが増えていって、たとえ2人のことを考えずにそれを表現したとしても、音を通して2人が寄り添ってくれたり、さらに良い方向に導いてくれたりするってわかってるから、私は安心してやりたいことを全力でやれるというか……。これも5年目の信頼ゆえですね!

高橋李依

――レコーディングでディレクションを受けた部分はありますか?

長久 改めて裏拍についての説明がありました。クリックもほかの曲よりずっと細かくて、韻を踏んでいるところと踏んでいないところ、絶対に音をはめなければいけないところ……かなり細部にこだわって解説してくださいました。

高野 音楽の授業みたい!(笑)

長久 あと曲の中で表現する年齢が3人それぞれ違って、私は一番上のOL担当だったんですけど、お芝居パートの表現の振り幅なんかも検討したりして。 

高野 レコーディングは歌詞の割り振り通り、5歳のりえりー→高校1年の私→OLのがっきゅの順だったね

長久 2人の声がすごくかわいかったから、私も声のバランスを合わせたほうがいいのかなって思って、最初はめちゃめちゃかわい子ぶって歌ったの。そうしたら「長久さんはかわいい声、いらないです」と言われて!(笑)

高野高橋 (笑)

長久 2人が担当した5歳と高1の部分の歌詞は、ケーキや花火の描写だったのに、私のパートでは急に疲れきったOLが部屋でさみしくハイボールを飲んでいる……みたいな描写になっていたから、少しでも私がその暗さを軽減できたらと思ったんだけど、私は私らしい大人の表現でよかったみたいです(笑)。

高野 でも、確かに聴いてみると5歳→高1→OLって、ちゃんとひとりの人として進化してたね!

高橋 レコーディングも最後だったし、一番試行錯誤して、いろいろチャレンジしてくれたんだね! それぞれの年齢感と心の浮き沈みのバランスが、全体を通して聴くとすごく上手くまとまってた!

長久 進化が、老化や退化にならなくてよかった~(笑)。

――ユニット結成5周年ですが、これまでのイヤホンズの活動において印象に残る場面を挙げるとしたら?

高野 大先輩であるAice5さんの曲をカバーさせていただいたときに、途中で歌詞が飛んでしまい、♪ラララ~でもなく、♪うにょにょにょにょ~と歌ってしまったときの光景と失敗だけは、一生忘れられません!(笑)

長久 私は、Aice5さんとのステージで感極まってりえりーが泣いちゃって、私もウルっとしながら楽屋に帰ったときですね。まりんかが真面目なトーンで『あの場では泣かないほうがよかったんじゃないかな』といったのが、すごく印象的でした。

高野 「今回はAice5さんとのステージで、メインは私たちだけじゃないので!」っていったんだよね。

長久 それまでまりんかは、まわりを気遣いながらバランスを取る役割を担ってくれていて、発言に関してはわりと控えめなタイプだったので、ユニットやAice5さんのことを思ってズバッと気持ちを伝えてくれたことがすごくうれしくて」

高橋 私も一緒! ちょうどアニメ『それが声優!』の活動が落ち着いて、イヤホンズが本格的にアーティストにシフトしていく時期で、私は目の前のことしか見えてない自分が嫌いで、すごく変わりたかったんです。そんなときに“アウトプットって人によってさまざまなんだ”と気づかせてもらったし、“この3人でならもっと面白いものが作れるかもしれない”と思えた出来事だったので、あの日は本当に大きなターニングポイントになりました。

長久友紀

――「渇望のジレンマ」も新曲ですが、こちらはいかがですか?

高野 アルバムの中で一番カッコいい曲で、3人の個性も一番強く出ている曲だと思います。特に、がっきゅのビブラートがアクセントになっていて……。

長久 りえりーの芯のある響く低音に、まりんかのノイズビューティーと呼ばれるにふさわしい歪みボイス、そして私のビブラート! これまで私はイヤホンズでの自分の声の立ち位置を見つけられなかったんですけど、この曲のレコーディングで(作詞・作曲・編曲の月蝕會議)エンドウ.さんが語尾にビブラートをつける私の歌い方を指摘してくださって。しかも、それを“ビブラートのこぶし”と名づけてくださったので“今後は、これでいこう!”と決めました(笑)。

高野 ビブラートのこぶし……なんかすごく強そう(笑)。

高橋 イヤホンズのサウンドシューティングゲームがあったら技名に使われそう! やってみたいな~(笑)。

長久 この曲は、ゲーム『神獄塔 メアリスケルターFinale』OPテーマということで、以前から携わらせていただいたシリーズの曲の要素が取り入れられた作りになっているので、音楽面での進化……実験っぽさなんかも楽しんでいただけると思います!

高野 そういう実験っぽさは「循環謳歌」にもあって、こちらは「忘却」と「再生」という2曲を1曲にミックスした曲なんです。意味合いのまったく違う2つの曲が融合することで、お互いに引き立て合うような、浄化されていくような、素敵な楽曲になりました。私たちが出した具材を調理していただくことで生み出された、ほかとは違う進化を感じられる曲かなと思います。

高橋 音の情報と、感情や感覚の歌詞が合わさって、2曲のまったく異なるワードがすれ違いながら重なっていくんですが、その言葉たちがすごく素敵なので、音楽の仕組みの楽しさと合わせて歌詞も読み深めていただきたいです。あと“1曲に思いを込める”というのが歌の本来の形だと思いますが、2曲が1曲に融合しないと発揮されない何かも存在する……という気づきを、私はもらったように思います。

――あらゆる形の“進化”の可能性が取り入れられたアルバムに仕上がっているんですね。

長久 やっと“進化論”の意味を知ることができたので、やっぱり私の中では“進化論=イヤホンズ”な1枚です!(笑)

高野 “私、イヤホンズでよかった”って、3人で音楽を作る楽しさや心強さを改めて感じることもできました。“曲を完成させるためには自分ひとりだけじゃなくて、2人の声と想いが必要なんだ”って心から思えましたね。

高橋 『Theory of evolution』は私たちイヤホンズにとって新しい“看板”のようなアルバムになったなと思います。「イヤホンズって、こういうことしてるんだよ!」って、胸を張ってみんなに自慢したいアルバムです。既存曲を聴き込んでくださっている方にも新鮮な気持ちで受けとめていただけると思うので、全曲完全新作という気持ちで聴いていただけたらうれしいです!

取材・文/今里ハル 撮影/尾形正茂(SHERPA+)

〇プロフィール
高野麻里佳(こうの・まりか)

2月22日生まれ。主な出演作は『デジモンアドベンチャー:』太刀川ミミ役、『群れなせ!シートン学園』伊原シホ役、『ゲゲゲの鬼太郎』ツカサ役など。青ニプロダクション所属。

高橋李依(たかはし・りえ)
2月27日生まれ。主な出演作は『かくしごと』後藤姫役、『LISTENERS リスナーズ』ミュウ役、『Re:ゼロから始める異世界生活』エミリア役など。81プロデュース所属。

長久友紀(ながく・ゆき)
4月8日生まれ。主な出演作は、特撮ドラマ『魔進戦隊キラメイジャー』ヘリコ役、『異種族レビュアーズ』シィルA役、『ゲゲゲの鬼太郎』ミッキー役、『エガオノダイカ』リリィ・エアハート役など。青ニプロダクション所属。

【イヤホンズ商品情報】
3rdアルバム『Theory of evolution』
7月22日(水)発売

“音楽の進化論”が導き出したイヤホンズの進化
通常のベストアルバムともリミックスアルバムとも違う、まさに“アルバムで表現できることの可能性”そのものの進化に挑んだ1枚。初回限定 進化の過程盤は、収録曲のオリジナルバージョンやヒントとなる既存曲を収録した“進化の過程CD”付き。

【初回限定 進化の過程盤(CD+CD)】
品番:KICS-93923
定価:¥4,000+税
 
<CD1>
M1:記録【作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】
M2:記憶【作詞・作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】
M3:渇望のジレンマ【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M4:チュラタ チュラハ【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M5:背中のWING!!!【作詞:渡邊亜希子 作曲:ツキダタダシ 編曲:月蝕會議】
M6:わがままなアレゴリー!!!【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M7:循環謳歌【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M8:耳の中へ!!!【作詞:あさのますみ 作曲:山本 奨 編曲:月蝕會議】
 
<CD2>
進化の過程CD収録予定
M1:あたしのなかのものがたり/2018.3.14【作詞・作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】
M2:予め失われた僕らのバラッド/2016.10.5【作詞:桑原永江 作曲・編曲:エンドウ.】
M3:ウィッチクラフト《テオフィルの奇蹟》/2018.3.14【作詞・作曲:J・A・シーザー 編曲:J・A・シーザー、a_kira】
M4:背中のWING/2015.7.22【作詞:渡邊亜希子 作曲・編曲:ツキダタダシ】
M5:わがままなアレゴリー/2018.11.28【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M6:忘却/2020.7.22【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M7:再生/2020.7.22【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M8:耳の中へ/2015.6.18【作詞:あさのますみ 作曲・編曲:山本 奨】

【通常盤(CD)】
品番:KICS-3923
定価:¥2,500+税
 
<CD>
M1:記録【作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】
M2:記憶【作詞・作曲・編曲:三浦康嗣(□□□)】
M3:渇望のジレンマ【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M4:チュラタ チュラハ【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M5:背中のWING!!!【作詞:渡邊亜希子 作曲:ツキダタダシ 編曲:月蝕會議】
M6:わがままなアレゴリー!!!【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M7:循環謳歌【作詞・作曲・編曲:月蝕會議】
M8:耳の中へ!!!【作詞:あさのますみ 作曲:山本 奨 編曲:月蝕會議】

法人別オリジナル特典
・アニメイト:缶バッジ(56mm)
・楽天ブックス:アクリルキーホルダー
・とらのあな:L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・ゲーマーズ:L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・Amazon.co.jp:L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・HMV(一部店舗除く)/HMV&BOOKS online:L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・TOWER RECORDS(オンライン含む/一部店舗除く):L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・玉光堂・バンダレコード/ライオン堂:L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・セブンネット:L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・TSUTAYA RECORDS :L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
・KING e-shop:L判ブロマイド(サイン&コメント入り)
※特典は先着となり、無くなり次第終了となります。
※サイン&コメントは直筆でなく複製になります。

「Theory of evolution」販売ページURL
https://eaphones.lnk.to/theory

イヤホンズ公式ホームページ
http://earphones-official.com/

イヤホンズ公式Twitter
https://twitter.com/earphone_seiyu

イヤホンズ公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCJFiq8b262KUx2px_iIjaVw