韓国の地方当局によって済州島で一時差し押さえられた中国の大型客船「海娜」号が18日午前、中国に帰国した。中国メディア中国新聞社は、乗客の一部に不満の声があがったことや、客船を所有する中国企業が韓国当局に対して謝罪を求めたことを報じた。

  乗客乗員2300人余りを乗せた「海娜」号は13日、停泊先の済州島で韓国の地方裁判所により差し押え処分を受けて出航できなくなった。乗客らは船内に閉じ込められ、大半が15日に客船所有企業の親会社である海南航空が手配した航空機で帰国。16日になって客船は解放され、船内に残っていた乗客87人と乗員約600人が18日午前に客船ともに帰国した。

  記事は、所有企業がトラブルに巻き込まれた乗客に対して1人あたり3−4万円の賠償金と、客船の無料チケットを提供することを表明したと紹介。企業による一連の対応について多くの乗客が満足と答える一方、一部不満を爆発させて感情的になる乗客もいたと伝えた。

  今回のトラブルでは、ある中国企業が債務問題を理由に提出した差押しえ申請を済州地裁が認め、客船の差し押さえに踏み切ったことが問題となった。海南航空グループの李先華CEOは18日、乗客乗員の身の安全を確保しないまま差し押えた済州地裁の対応に強い不満を示した。

  また、グループ企業である海航旅業の張峰会長も、「韓国側が乗客に正式に謝罪し、事件の再発防止を約束するまでは、全面的に済州島ツアーの企画実施をボイコットする」と発言した。

  対日感情の悪化により中国人観光客の足が韓国に向き、韓国にとっては経済活性化のチャンスを迎えた。この状況に水を差しかねない今回の問題について韓国側は、中国の消費者が誠意を感じられるような、慎重な対応を迫られそうだ。