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<今聴きたい名曲たち 『音楽の日』を振り返って:NEWS>

 TBS系音楽特番『音楽の日』(TBS系)が18日放送された。新型コロナウイルス禍で、より強く感じる音楽の力。今回は、同番組で披露された、今だからこそ聴きたいジャニーズの名曲をピックアップ。楽曲の魅力とともにこの日のステージパフォーマンスを振り返っていく。今回は、NEWSのステージを深掘りする。

 先月、手越祐也が事務所を退所し、3人体制となったNEWS。司会の中居正広に、「大丈夫?」と聞かれ、「しっかりと、3人で立って行こうと決めています」と言い切った増田貴久。加藤シゲアキが、「何よりも心配をかけたのはファンの方」と気遣い、リーダーの小山慶一郎が「日本のみなさんに少しでも元気を届けられるように歌いたい」と意気込んだ。バランスのいい彼らのトークに、NEWSの新しい形を見たような気持ちになり、切なさを感じつつも新生NEWSへの期待感が込み上げてきた。

 そして始まった「生きろ」のパフォーマンス。サビの、<いいさ/懸命に誓った仲間の絆を/道しるべに>では、小山が2人に手を向ける。2番のAメロ、<僕らの間には/見えない紐がある>では、加藤がメンバーを見つめる。彼らの絆が垣間見えた。

 NEWSとファンの間にも、さまざまなことを一緒に乗り越えて来た強い絆があるのだろう。Bメロで、<守りたいものがあるだけで/強くなっていけると思った>と力強く歌う加藤の姿を見て、そんなことを感じた。彼らの絆はもちろんだが、ファンとの絆、そして決意のようなものが伝わって来た。ファンに対して一方的に決意を表明するというよりも「一緒に頑張って行こう」そんな関係性がNEWSとファンの間にはあるのかもしれない。

 大サビは、手越が歌っていたパートを含めて増田が1人で歌い切った。<生きろ!何万回言ったって 何万回聞いたって/負けそうにまたなるけど/いいさ懸命に誓った仲間の絆を 道しるべに>と歌う姿。それを、時折うなずきながら見守る2人。ここにも絆をみた。

 また、その部分の演出では、ピンクに染まっていたステージを、緑・黄・紫の3色のライトが照らす。ピンクは、手越のメンバーカラーだったものであり、ライトの3色はそれぞれのメンバーカラーである。偶然かもしれないが、この演出に意図を感じる。<僕らの間には/見えない紐がある/解いてもまたきっと/結びついてく>と歌詞にもあるように、かつての仲間たちと彼らの間にも、解けない紐があるのかもしれない。

 その後、スモークが出て来てステージが白に染まる。その、純白な世界から飛び出す3人。かつて夢を誓い合った仲間たちとの絆を道標に、新しい世界へ飛び出していく。そんな決意が伝わって来る。まだ何色にも染まっていない新たなNEWSは、これからどんな色をつけていくのだろうか。歌い終えた後、深々と頭を下げた彼らを見て、司会を務めた中居正広が、「安心してください。NEWSの皆さんは、新しい一歩をしっかりと踏み出しました」とエールを送った。

 過去を振り返らない。しかし、過去を消すこともしない。かつての絆をしっかりと大切にしつつも、前へ進んでいこうという彼らの意思が感じられた。NEWSはきっと大丈夫、そんなことを感じたステージだった。【文・かなぴす】