Together with Friends ~松本俊明&城 南海~
2020.7.20

MISIAの「Everything」など多数の作品を手がけ、日本のみならず世界的にも注目を集める作曲家・ピアニスト・音楽プロデューサーである松本俊明と、大河ドラマ西郷どん』の劇中歌と大河紀行テーマディズニー実写映画『ムーラン』の日本版主題歌なども担当する奄美大島出身の歌姫、城 南海。公私ともに仲がよい2人のジョイントコンサートTogether with Friends ~松本俊明&城 南海~』が、7月20日無観客で行われ生配信された。2つの類い希な才能が響き合いもたらしてくれたのは、とても贅沢な時間だった。

ムーランイメージカラーである鮮やかな赤のドレスをまとった城と、チェックベストおしゃれな松本。幕開けは、城がアイルランド民謡に日本語詞をつけた「紅」だ。グランドピアノの奏でと城の歌声、それだけであまりに美しい。城が松本に向き合って歌い始めた「明日へ」は、東日本大震災の復興への願いを込め、松本が生んだ楽曲。先の見えない不安が渦巻くコロナ禍において、2人が音と歌に込める願いは、とても力強く響く。

松本俊明、城 南海

松本俊明、城 南海

城にとっては、実に5か月ぶりとなるステージ。「初の配信ライブ、今日は松本俊明さんと一緒にお届けしたいと思います」と城が挨拶して、「一緒にライブができてうれしいですね」と2人が微笑み合えば、なんて温かな空気感。そして華道家の大久保有加が手がけたというWABARAやガーベラが飾られたステージはとても華やかだ。「いつか星になる」、ライブで初披露となった「タピオカ」は、松本が城のために書き下ろしたナンバー。儚さに思わず涙腺がゆるむ「いつか星になる」、タイトルに反してドキっとするほど陰りを帯びた、ライブ初披露となる「タピオカ」をしっとりと歌い上げる。楽曲によってがらりと異なる表情を見せ、豊かな表現をする2人に魅せられてしまう。

アフターコロナの時代に子どもたちの未来を応援するため、チケット代のうち500円を“セーブ・ザ・チルドレン”に寄付することとなった本公演。子どもたちに向けて「みんなのうた」をいくつも生み出している2人ならではの選曲にも、愛が満ちている。城にとって初めての「みんなのうた」となった「あさな ゆうな」は、肩の力を抜いて、ありのままの自分の姿に戻れるようなナンバー。軽やかなピアノ伴奏に合わせ、しなやかに舞いながら歌う城の姿も素敵だ。

松本俊明、城 南海

松本俊明、城 南海

城が朗読した『リスに恋した少年』は、「みんなのうた」で俳優の北村匠海が小学生時代に歌い、松本が自著の『hope』で物語にしたもの。この日はライブ用にアレンジをして城が初めての朗読に挑んだわけだが、小さな生き物への無償の愛情を持つ少年と、そんな少年を温かく見守る母、そこにある真の豊かさが伝わる朗読であった。

松本が作詞・作曲した「見えない羽根」は、全国各地の幼稚園や学校で子どもたちが合唱している曲。誰もが“想像の翼”を広げることができる、どんな人も生きているだけで価値があるんだというメッセージ、語りかけるような城の歌は、不安や困難を感じることが多い今、受け手にとっての救いにもなっただろう。“旅”をテーマにした最新アルバムの中から松本がピアノソロで届けてくれたのは、「7つの雨の物語」と「双子座流星群の夜に」。優しさと安らぎに満ちあふれた物語は、特別な音楽の旅へと誘ってくれる。

松本俊明、城 南海

松本俊明、城 南海


ここで、月と星の柄がちりばめられたオフホワイトシフォンワンピース着替えた城が、再登場。城と松本はもともとお茶飲み友達で親交が深いということで、気取らず和やかなトークでも息ぴったりだ。韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』の台湾放送版のテーマ曲でもある、松本作詞・作曲の「月の庭」は、城が三味線を弾き、奄美民謡的なこぶしもきかせながら歌唱。大陸的な叙情感が、胸に染み渡っていく。

松本俊明、城 南海

松本俊明、城 南海

さらに、2人でやり取りをしながら、この日のために作ったという新曲も初披露。混沌とした世の中に生きる子どもたちに寄り添い、みんなで心ひとつに歌えるような希望的なナンバーだ。松本が作曲し、城が作詞をするのは初めてのことだったというが、素晴らしい相乗効果を生むコラボレーションを今後もぜひ継続してほしい。視聴者からリアルタイムで書き込まれるたくさんのコメントも見ながら、またまた楽しくトークを繰り広げる2人。歌と音に癒され、かけ合いトークほっこりできる2人のコンサート、いつまでも観ていたい。

松本俊明、城 南海

松本俊明、城 南海

松本俊明、城 南海

松本俊明、城 南海

2年前のクリスマス公演にて2人で披露して以来久々に聴かせてくれたのは、言わずと知れた名曲、MISIAEverything」のカバー。時を経ても色褪せることのない名曲に、城らしい息吹を吹き込むと、とても幸せな余韻を残してくれた。

最後には、「次は秋冬くらいにまた、2人でコンサートをしたいですね」と、楽しい未来を予感させた2人。城 南海のオフィシャルホームページでは、「こんな歌を歌ってほしい」「こんなことをしてほしい」というリクエスト7月31日(金)まで受け付けている。

なお、この日の模様は7月27日(月)23時59分まで視聴可能となっている。見逃した方も、再度見たい!という方も、ぜひスペシャルな一夜の感動をじっくりと味わってほしい。
 

文=杉江優花

松本俊明、城 南海