台湾の馬英九総統官邸前に20日未明、40人の学生が集まり「血で血を償え」などといった横断幕を掲げて抗議する騒ぎがあり、警官隊と衝突した。地方の都市開発で立ち退きを拒否していた住民が死体で発見されたことが原因とみられる。中国メディア・中国新聞社が報じた。

  記事は、19日夜から20日未明にかけて大学生ら40人が官邸前に集結、警察官の制止に対して、ペンキや死者を葬送するときに燃やす紙銭をばら撒きながら「馬英九が悪い、暴政による殺人、血で血を償え」などと叫び始めたとした。そして、警官隊と学生の間で小競り合いが生じて学生1人が警察へ連行されたこと、ほどなくしてデモが解散したことと伝えた。

  台湾・苗栗県では2010年から都市開発による強制立ち退きをめぐって現地政府と一部住民が対立。立ち退きを拒否した住民が自殺する事態になり、地方政府や中央政府の対応をめぐって批判が出ていた。

  今年に入り、計画道路建設地上の建物が強制取り壊しされて事態はさらにエスカレートした。今回の「夜襲」は、取り壊された建物の住民が今月18日未明に失踪、午後に付近の排水溝で死んでいるのが発見され、学生らの感情が高まったことによるものとみられる。