袋入りインスタントラーメンのスタンダードといえば、やっぱり「サッポロ一番」。その生みの親であるサンヨー食品の井田毅前社長が、8月20日に逝去した。Twitter上では「サッポロ一番はマジおいしい」「おそらく人生の中で一番食べているラーメンは“サッポロ一番”だと思う」「今後も引き続きお世話になります」と追悼コメントが殺到、いかに「サッポロ一番」が愛されているかがよくわかる出来事となった。

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 なかでも目を引いたのは、1968年に発売された「サッポロ一番みそラーメン」略して“ポロみそ”への強いリスペクトである。味噌のパンチ力だけではなく、マイルドさや複雑さを併せ持った唯一無二の味には、「これぞサッポロ一番シリーズの頂点」と言って憚らない人も多い。

 このようにポロみそへの注目が集まる中で8月末に発売されたのが、『サッポロ一番みそラーメンレシピ みんな大好き! 国民的人気の袋めん143レシピ』(サンヨー食品株式会社:監修、主婦の友社:編集/主婦の友社)。本書では、ポロみそをアレンジしたレシピが143種類も紹介されているのだが、なかには「こんなのアリ?」と思うレシピも数多い。

 たとえば、粉末スープ半量をお湯で溶き、カルボナーラソースに混ぜあわせてつくる「みそナーラ」。あり得ないレシピに感じる人もいるかもしれないが、これが試してみると、生クリームにポロみそのコクがプラスされて、こってり好きにはたまらない一品に。同様に粉末スープミートソーストマトケチャップに加えて炒めた「みそナポリタンラーメン」や、オシャレ女子の勝負料理・ラタトゥイユをおかんの昼食に早変わりさせる「みそストローネラーメン」などには、易々とイタリアの壁を越えてしまうポロみその実力をまざまざと見せつけられる思いだ。何より、パスタを茹でる時間とは違い、手早くつくれるのがありがたいではないか。

 また、本書には「秘密のちょい足し早見表」がついているのだが、これもまた盲点をつく提案が満載。ボリュームがほしいときは「ツナ缶+カレー粉」で変化球をつけたり、「えびせんべいマヨネーズ青のり」で青森県八戸のB級グルメせんべい汁のような食感を再現することも可能だ。さらに、サンヨー食品の社員によれば、さばみそ煮缶を加えると「意外とマイルドな味わい」になるといい、「濃い味付けが意外に合う」のは「もつ煮」トッピングらしい。

 だが、せんべいやもつ煮の上をいくトッピングが、まだある。なんと「粒あん」を加えると、「とろみと甘み」のハーモニーが絶妙らしい。クリームチーズも「まろやかなコクとほのかな塩けがよく合う」そうだ。

 このほかにも「納豆+マヨネーズポン酢しょうゆ」や「ポテトチップス+レタス」など、普通ならあり得ないがポロみそなら受け止めてくれそう……と思わせるちょい足しも多数。どこまでも懐深い、その包容力。「最近食べてないなあ」という人は、久々にポロみそに熱く抱かれてみてはいかがだろうか。

ダ・ヴィンチ電子ナビより)

『サッポロ一番みそラーメンレシピ みんな大好き! 国民的人気の袋めん143レシピ』(サンヨー食品株式会社:監修、主婦の友社:編集/主婦の友社)