東海から西の地域への移動が開始「新たな局面で注意しなければいけない」

 浦和レッズの大槻毅監督が、7月31日のトレーニング後にオンライン会見を実施。今季からの交代枠5人ルールで戦っての前向きな要素や、長距離移動を伴う試合がスタートすることについて話した。

 浦和は26日のJ1リーグ第7節・横浜FC戦で2-0の勝利を収めて連敗を「2」ストップ。改めて「勝った試合なので、終わった後にはなんでも言えると思う。準備の段階で相手のことを理解して臨んでくれたのが大きかった」と選手を称えた上で、今週に関しても「選手が本当に向上心のあふれる何日間を見せてくれているのがありがたい」と、チーム状態について語った。

 8月1日の第8節・清水エスパルス戦はホームゲームだが、その後は5日にルヴァンカップセレッソ大阪とのアウェーゲーム、8日にはリーグ戦で名古屋グランパスとのアウェーゲームが控える。新型コロナウイルスの影響で中断したリーグ戦は、7月中は長距離移動の少ない近隣のチーム同士が対戦するように組まれていたが、その期間も終了。浦和は7月中にベガルタ仙台戦での移動はあったものの、本格的に東海から西の地域への移動が入ることについて大槻監督はこう話している。

「明日のゲームはホームですが、それから移動が入るので、クラブとはプロトコルを組んで想定をして取り組んでいる。移動というのは新たな局面で注意しなければいけないことがある。以前のようにすべてがフリー、サッカーだけに集中できるわけでないことは続いている。それぞれ自分の行動で何を守れるのか。自分や家族だけじゃなくて、サッカーが続けられること、サポーターを喜ばせられるだとか、社会への貢献を含めて考えるのが大事。それは、これまでも言い続けてきたことですが」

 先日にも、移動中の食事が感染拡大を助長する可能性が指摘されるなど、今までの長距離移動とはまったく違う状況になることは間違いない。夏場の過密日程で選手を入れ替えながら戦うという要素も発生するだけに、気を遣う事柄が増えていくだろう。

「質を担保できる選手がピッチに残ることが見ている人にもポジティブだろうと思う」

 一方、その新型コロナウイルスの影響で変更されたことの一つに、交代枠の拡大がある。ハーフタイムを除き最大3回で5人までというルールについて、実際に6試合を戦い終えて大槻監督は感じたことに言及している。

「一番は疲労でパフォーマンスが落ちる選手を交代する枠が増えたことで、質を担保できる選手がピッチに残ることが見ている人にもポジティブだろうと思う。2人を1回の交代で代えるなど、一手でゲームに与える影響が大きくなったのではないか。交代がゲームを決めるというところ、点を取りに行くのかクローズするのかもあると思う。フィットネスの部分では、全員が試合の最初から100%を出して倒れられても困りますが、強度を担保すべきポジションもあるので見極める必要がある」

 全体的に見れば、攻撃的なポジションでドリブルでのキレや最後のゴール前に入り込む瞬発力が必要とされる選手たちが交代で入れ替わっている傾向がある。また、浦和に関して言えば、運動量が求められるサイドハーフを2枚替えするパターンが多い。ただし、大槻監督はそうした戦術的な要素とは別にして「今までは最大でも11人と交代3人を足して14人だったのが、2人多くピッチに立たせられるのは指導者にとって喜ばしいこと。より多くの選手が見てもらえるのが嬉しい」と、心情的な部分も話した。

 Jリーグ全体が新たな局面に入っていくとも言える8月の戦いに向け、全国的に次々と梅雨明け宣言が揃う見込みもある。暑さ、過密日程、移動、感染予防対策といったピッチ外の要素に加え、コンディション調整と負傷者や交代枠の使用など、監督が考えるべき要素がとても多い時期になってくると言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

浦和レッズの大槻毅監督【※画像はスクリーンショットです】