日向坂46が31日、無観客配信ライブ「HINATAZAKA46 Live Online,YES!with YOU! ~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~」を開催。約2年ぶりに活動休止から復帰した1期生・影山優佳、2月にグループ加入が発表された新3期生の3名を含む全22名のメンバーが初めてステージで一同に介した。また、日向坂46に改名後初となるアルバムを9月23日に発売することも発表した。

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■「ドレミソラシド」から公演スタート

 19時過ぎにスタートした開演前のVTRでは1期生でキャプテンの佐々木久美と同期の高本彩花、2期生の渡邉美穂が登場。

 佐々木久美は新型コロナウイルス感染拡大の影響で「3月から予定していた全国アリーナツアーが秋まで延期になってしまい、せっかく作り込んでいた演出を旬のうちに皆さんへ見せたかった」と本公演の趣旨を説明し、高本は「振り付けを忘れないために自宅で踊り、力があり余っていたので筋トレにも励んでいました」とステイホーム期間中の過ごし方を報告。渡邉は「ファンの皆さんに“ライブ感”を届けたい」と伝えた。

 その後、1期生の加藤史帆と2期生の宮田愛萌、3期生の上村ひなのによる当日に向けて販売されていたグッズ紹介の動画を挟み、19時25分頃、モニター越しに生中継のメンバーたちが登場した。

 佐々木久美が「おひさま日向坂46ファンの愛称)にパワーを届ける準備はできているか!」とメンバーを鼓舞すると、グループは円陣を組みライブ前に定番の掛け声を披露。続いて、新3期生の高橋未来虹、森本茉莉、山口陽世が鑑賞時の注意事項などを告げる“影ナレ”を担当し「絶対に成功させるぞ!」と、腕を上げながら笑顔で元気いっぱいに意気込んだ。

 そして、19時30分ちょうど。開演を告げる「Overture」の音色と共に、1期生から新3期生までの総勢22名の紹介VTRが流れた。

 煌々(こうこう)と照らされたステージ上からSEが鳴り、「この世界は今、不穏な影によって幸せな暮らしが奪われようとしている」と世相を匂わせる英語のナレーションが止み、「第一章 音楽の街」とスクリーンに映ったあと、1曲目に披露したのは2ndシングル表題曲「ドレミソラシド」。音符をあしらった白いワンピースを着たメンバーたちは、ステージを縦横無尽に使いながらパフォーマンスに臨んだ。

 その後、フルートを持った1期生の高瀬愛奈と、キーボードを奏でる同期の潮紗理菜、トランペットを手にした佐々木久美と、太鼓を叩く2期生・金村美玖らとメンバーたちは、グループを象徴する「ハッピーオーラ」のインストゥルメンタルバージョンをバックに、ステージパフォーマンスを披露。

 佐々木久美の進行で始まったMCでは、新3期生の高橋と森本、山口がステージ上へ招かれ、森本はやや強張った表情で「すごく緊張しています」と告白。3人とルーツを共にする「坂道合同オーディション」出身の上村は、佐々木久美から「お友達が増えて」と促されると「3人とも個性豊かでかわいい子たちばかりなので、みんなと一緒に活動できるのが楽しみです」と喜びを伝えた。

■「誰よりも高く跳べ!」で佐々木久美がファンを鼓舞

 メンバーによる音声のみの寸劇を挟み、歌い上げたのは1期生の東村芽依、2期生の河田陽菜と松田好花によるユニット曲「ナゼー」。そして、「第二章 迷いの森」とスクリーンに映った文字やナレーションに続き、ステージから伸びる花道で1人舞う佐々木美玲と、ステージにそろったメンバーたちというフォーメーションで前身のけやき坂46時代の曲「期待していない自分」を披露した。

 いったん暗転したのち、森の中に1人ポツンと体育座りでたたずんでいたのは馬の顔をした男。その言葉から連想されるとおり、ステージにそろったメンバーたちはMVを思わせる衣装で彼女たちの出演ドラマ『DASADA』(日本テレビ/2019年1月期)の主題歌でもあった「青春の馬」を歌い、曲の終盤では列をなして花道を駆け抜けた。

 その後、スクリーンには「第三章 雨の止まない街」という文字が映り、ステージへそろった2期生と3期生が「君のため何ができるだろう」を披露。ステージ後方では、1期生たちが水色の傘を手にしたパフォーマンスで彼女たちを上から見守っていた。

 続いて歌い上げたのは、タオルを手にした1期生たちがパワフルに届けた「好きということは…」。曲中にはスクリーン上にリモートで見守るたくさんのファンたちの姿も写り、 その後の「第四章 空の世界」では、富田が「世界のために力を分け合う」というフレーズが目立つ軽快なラップを披露。加藤史帆が「誰よりも高く跳ぶ準備できていますか!」と鼓舞すると、けやき坂46時代から歌い継がれるライブの人気曲「誰よりも高く跳べ!」がスタート。曲中では佐々木久美が、モニターに向かって「おひさま、跳べー!」と力強く声を掛けた。

 1列に並び花道へ向かったメンバーは続いて「NO WAR in the future」を。再び英語のナレーションが流れ「さあ、パーティーの始まりだ」とスクリーンへ映った後に始まったのは、1期生の齊藤京子、同期の加藤と佐々木久美、佐々木美玲、2期生の小坂菜緒、富田鈴花、渡邉によるユニット曲「窓を開けなくても」で、終盤にはほかのメンバーたちも合流した。

■定番曲「キツネ」では東村が運動能力を発揮

 感染症対策のために換気時間が設けられた後、MCコーナーではリモートで見守るファンクラブ会員たちと交流。1期生のメンバー6人はファンに向かい質問を投げかけ、齊藤が「ズバリあなたにとって日向坂46とは?」と問うと、スクリーン上ではホワイトボードなどに「命」「生きる希望」「恋人」とそれぞれの思いを込めるファンの姿が映され、逆に佐々木美玲にとっての日向坂46は「1期生のみんなは年上だから、実はお姉ちゃんなんです」と話し、高瀬は「人生」とシンプルに告げた。
 
 ステージ上のメンバーは2期生の富田鈴花や河田陽菜ら6人に代わり、金村は「あなたが1番好きな日向坂46の曲は?」と質問。ファンからの答えを受けて、メンバーも思い思いの曲を挙げていた。

 続いて、2期生の渡邉や濱岸ひより、3期生の上村らは、これまでの流れと異なりファンからの質問に回答。ファンから「ひなたひ(グループが出演するラジオ番組『日向坂46の「ひ」』の愛称)にメールを送りたいんですけど、ラジオネームを思い付かないので一緒に考えてほしい」と問われると、渡邉は「お若いしかわいらしいから、のんのん」とコメントし、濱岸は「面白いものがいいはずなので、ビビンバスライムとか?」と答え、笑いを誘っていた。

 その後、ステージに1人残った上村の合図で壇上へ招かれたのは新3期生の高橋、森本、山口。自己紹介をした高橋は「チャームポイントは笑うと顔の半分を占めてしまうほど大きな口」とコメントし、森本は「最近、室内で星を見られるスタープロジェクターライトにハマっています」と告白。山口は「野球をしている姿を見て、カッコいいと思ってもらいたい」とメッセージを伝えた。

 そして、ブラスの音と共に「第五章 いいかげんな時計」と題したブロックになり、時計の顔を持った男と3期生の上村による寸劇の後、披露されたのは白いブラウスにグレーの清楚なスカートをまとった1期生による「永遠の白線」。続いて、ステージに登場した2期生たちはメッセージ性の強い「未熟な怒り」を歌い上げたのち、ほかのメンバーがふたたび合流して、グループで「ホントの時間」を披露した。

 ナレーションを挟み続いたのは、終盤のセリフパートが印象に残る「川は流れる」。ライブは「第六章 消えた人魚の歌声」へと進み、深海を思わせるライティングの下では3rdシングルの表題曲である「こんなに好きになっちゃっていいの?」をパフォーマンスした。

 しかし、その後は幻想的な空気が一変。「第七章 偽物現る!」と題したブロックでは「音楽の街」に日向坂46の偽物が現れ、本物の彼女たちが牢屋に捉えられてしまうという劇を繰り広げたのち、佐々木久美の声を合図にデビューシングルの表題曲「キュン」を披露。そして、渡邉がつぶやく曲名から始まった4thシングルの表題曲「ソンナコトナイヨ」へと続いた。

 その後は、メンバーの半数が白い衣装、一方の半数が黒い衣装をまとい、先ほどから続く“本物”と“偽物”の攻防を思わせるようなスタイルで「キツネ」を披露。間奏では、運動能力に定評のある東村が一人、花道で全力疾走をしながらハードルを飛び越え、やがて全員は再びおそろいの白い衣装へ戻った。

 SEやナレーションの後に披露されたのは、この日2度目となった『青春の馬』。色鮮やかな衣装を着たメンバーたちはステージ上を華麗に舞った。

 ナレーションの後に「最終章 虹の帰り道」とスクリーンに映り、パフォーマンスが始まったのは「JOYFUL LOVE」。曲が終わった直後、佐々木久美は「ありがとうございました」と大きな声で感謝を伝え、いったんはステージを跡にした。

アンコールで1期生・影山と新3期生が合流

 その後、案内役の馬の顔を持った登場人物がライブチャット欄に「アンコール」と書くよう促し書き込みが3万件に達するとアンコールを披露することを説明。書き込みがぐんぐん増える様子をサイリウムを手にして見守っていたメンバーたちは目標としていた“3万件”のアンコールのつぶやき数に達したことを受けて、歓喜した。

 ステージへ戻り、佐々木久美は「アンコールありがとうございます」と感謝を伝え、衣装のTシャツが秋に延期された「春の全国アリーナツアー」のグッズであったと報告。8月7日に公開されるドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』の告知に加えて、グループも出演するローソンのCM曲として放送中の新曲「アザトカワイイ」を含むアルバムが、9月23日にリリースされることも発表された。

 そして、佐々木久美が「ここにいないメンバーがいますよね」とつぶやいたのち、メンバーたちの「影ー!」のかけ声で呼ばれたのは、グループがけやき坂46の名称で活動していた2018年8月に休業し、5月に復帰を発表した1期生の影山。

 影山は第一声で「馬疑惑の影山で〜す」と笑顔を見せるとメンバーは爆笑。実は3月31日に生配信された「日向坂46デビュー1周年記念 スペシャルトーク&ライブ!」は無観客だったが、ただ1人(1頭?)、なぜか“馬”の観客がおり、ファンの間では「休業中の影山優佳では?」とうわさされていた。佐々木久美も「あの馬は影山なんじゃないかって、おひさまの間でザワついてたんですけど」と言うと、影山は「私は私」と笑顔で否定した。

 1分間にわたる久々の舞台上のスピーチでは、活動を通して「日向坂46のメンバーとして認めてもらえるように、そして、ゆくゆくは影山を通して日向坂46を知ってもらえるような日向坂46の“最終兵器”になれるよう一生懸命頑張っていきます」と決意を明かした。

 ようやくタイトルにもある全メンバー“22人”がステージ上でそろった公演のラストを飾ったのは、年末に予定されているグループ初の大舞台・東京ドーム公演に向けた思いが詰まった「約束の卵」。影山や新3期生が合流したパフォーマンスの初披露により、約2時間30分にわたる公演は幕を下ろした。

「HINATAZAKA46 Live Online,YES!with YOU! ~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~」セットリストは以下の通り。

Overture
1. ドレミソラシド
2. ハッピーオーラ
3. ナゼー
4. 期待していない自分
5. 青春の馬
6. 君のため何ができるだろう
7. 好きということは...
8. 誰よりも高く跳べ!
9. NO WAR in the future
10. 窓を開けなくても
11. 永遠の白線
12. 未熟な怒り
13. ホントの時間
14. 川は流れる
15. こんなに好きになっちゃっていいの?
16. キュン
17. ソンナコトナイヨ
18. キツネ
19. 青春の馬
20. JOYFUL LOVE
EN.約束の卵

「HINATAZAKA46 Live Online,YES!with YOU! ~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~」  写真:上山陽介