中国メディア・騰訊網は1日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く日本の人びとが「かつてないほど中国人を待ち焦がれている」とする記事を掲載した。

 記事は、世界的に猛威を振るっている新型コロナの影響により、多くの国が経済的に非常に深刻なダメージを受けており、隣国の日本もその一例であると紹介。特に観光業への打撃は著しく、日本国内における中国人観光客に対する感情が以前と比べて大きく変化するほどの影響であるとした。

 そして、日本に大量の中国人観光客が押し寄せるようになった数年前は、中国人観光客が便座などを「爆買い」する様子が世界で紹介され、社会現象となる一方で、当時の日本国内ではマナーの悪さがメディアにより大きく取り沙汰されたこともあって、必ずしも中国人観光客を歓迎するようなムードではなかったと伝えた。

 一方で、今年に入って新型コロナの感染が拡大し、それまで日本の街に多く存在していた中国人観光客はすっかりいなくなると「興味深い現象が起こるようになった」とし、多くの日本人が中国人観光客に日本を旅行してもらうことを願うようになり、積極的に呼び掛け始めているのだと紹介している。

 記事その背景として、中国人観光客を失ったことにより多くの商店が業績を悪化させていることを挙げ、中国人観光客御用達の免税店として知られていたラオックスが先日、既存店舗の少なくとも半数を閉店することを発表したと説明。「まさにそれゆえに、日本は中国人観光客に戻ってきてもらおうとしているのだ」と評した。

 近年の日本の観光業や一部小売業が、中国人観光客の消費力にかなり依存していたことは事実と言っていいだろう。「コロナとの共生」がテーマである今後の経済活動において、従来同様に中国人観光客の消費力に期待するということは、難しいかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

日本人が今、かつてないほどに中国人を待ち焦がれている=中国メディア