飛行機が飛ぶ上空1万mは、地上と光景が大きく違います。日没後、空が完全に真っ暗になる時間も地上とはタイムラグがありました。実際にどれくらいの時間差があるのか、乗って確かめてきました。

地上は真っ暗でも上空は夕方なんてことも

現代のジェット旅客機が飛ぶ上空1万m超から見る空は、様々な面で地上から見る空と様相が異なります。その中でも日の出や日の入りが顕著な例として挙げられるでしょう。

日没後の暗い空港を離陸して飛行機が高度を上げるとまだ夕焼けが広がっていた――というのは、夕刻のフライトだと頻繁にある光景です。これは、高度があるぶん、より遠くまで見渡せて、地上だと沈んでしまった太陽も空の上ではまだ見えるため、というのが通説です。

では、地上と上空では、日が完全に沈んで真っ暗になる時間はどれくらい違うのでしょうか。実際に2020年7月、旭川発羽田行きのADO88便で時間を計りました。

この日の旭川市の日の入りは19時7分。飛行機の出発は19時半で、滑走路に向かって移動するタキシングのときには薄暮も終わり空はほぼ真っ暗です。しかし離陸して雲を抜けると、まだ遠くの方が明るく、どちらかというと夕方のような空に戻ります。

真っ暗になった時間 そのときの日の入り時刻は?

その後、南下する飛行機から見える西の遠くの空は、時間が経つにつれて少しずつ暗くなっていきますが、20時を経過してもなお夕焼けが見える状態です。

太陽の光が消えて空が真っ暗になったのは20時25分。同便のモニターに映るフライデータによると、その時の高度は4万フィート、約1万2200mでした。飛行機はちょうど仙台市上空に差し掛かったところで、ちなみに国立天文台によるとこの日の仙台市の日の入りは18時57分でした。

日の入りから空が完全に真っ暗になるまでは、地上でも上空でも薄明の時間がありますが、それでも20時過ぎまで「空が明るい」というのは日本の地上では滅多にない現象です。昼夜サイクルのちょっとした非日常が、飛行機から見える空にありました。

19時30分旭川発のADO88便(2020年7月、乗りものニュース編集部撮影)。