YouTuberに関するデータを提供する「NoxInfluencer(ノックスインフルエンサー)」を参照し、直近1週間で注目を集めたYouTubeチャンネルの理由を探る本企画。今回は3つのチャンネルに注目してみた。

(参考:大塚明夫×『ゆるキャン△』のキャンプ動画シリーズ始動 野営する姿に「まんまスネーク」の声

 世代関係なく、ソロキャンプ好きが増加している。その一因として、女子高生キャンプを楽しむ姿を描いたマンガ作品『ゆるキャン△』のアニメ、実写ドラマ化と大ヒットが挙げられるだろう。テクノロジーの進化により、何事もスピーディに動くようになった現代社会。『ゆるキャン△』ではそれとは正反対に、アナログチックなキャンプシーンや、ほのぼのとした会話など、スローライフ模様が繊細に描かれている。

 これが各世代に刺さり、2019年は「ソロキャン」が新たなトレンドに。日本オートキャンプ協会の資料によると、『ゆるキャン△』の連載が始まった2015年からドラマ化した19年に至るまでに、オートキャンプの参加人口数が約50万人近くも増加しているのだ(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000022815.html)。

 その余波はYouTube業界にも及んでいる。キャンピングカー車中泊をしつつ、キャンプ生活を楽しんでいる、えりさん「えりキャン△(↑95.5%/登録者数3.96万人)」もソロキャンパーの一人で、女性ならではのキャンピング生活を紹介している。

 キャンプの醍醐味といえば、自然のなかで食べるご飯。同チャンネルでは、マシュマロを焼いてみたり、スーパーで買ってきた食材を調理してみたりと、情緒あふれるものからお手軽料理まで様々なものを作っている。また、車中泊ということで、車の内装がキャンプ仕様になっていることも見逃せない。「えりキャン△」では、車の機能性を紹介しており、寝具や電化製品、収納スポットなどにフォーカスした動画も公開している。ソロキャンプの楽しさをバッチリ伝えてくれるチャンネルだ。

 お次はMIHO氏の「MIHO氏TV!(↑25.7%/登録者数3.66万人)」。MIHO氏は元々、ゲストライダーやイベント司会など、ロードバイクに関する仕事に携わっており、チャンネルでもサイクリングの動画などをアップしている。そして2020年2月に投稿した動画では、「もともと興味はあった」とのことから、キャンピングカーを購入したことを報告。それ以来、キャンプ動画をアップするようになった。

 キャンプ初心者とのことで、動画ではテント設営や火起こしに初挑戦。さまざまな経験を経ていく中で、キャンプの魅力に気づき、ついには900万ほどもする、ハイエースをベースとしたキャンピングカーを納車するに至った。これからキャンプを始めてみたい方や興味はあるという方には、オススメのチャンネルかもしれない。

 ラストは「Camp Rock(↑15.1%/登録者数4.61万人)」を紹介したい。チャンネル開設当初は、キャンプの様子や道具といった動画を公開していたが、「女子ソロキャンプ」で80万近い再生数を叩き出し方向転換。以降は、ASMRや料理要素を加えながらも、キャンプの様子を楽しめるといった動画を投稿している。

 動画の編集も秀逸で、圧倒的な大自然のロケーションとインサートカットを使用した間で、キャンプの寂静さを表現。まるで本当にキャンプを体験しているかのような人間中心設計を感じさせる。動画投稿はまちまちだが、一つひとつクオリティの高い映像に仕上がっており、満足感ある内容となっている。

 今は手軽にキャンプが楽しめるような道具やサービスが充実してきている。さらにキャンプ動画が簡単に観られる時代とあれば、思わず「行ってみたい!」となるのは必然だろう。コロナ禍により何かとストレスがたまりやすい日々のなかで、キャンプ動画は大きな癒しにもなっている。YouTube上に動画が増えることで、今後もキャンプ人口が増加していきそうだ。

(鳥羽竜世)

動画サムネイルより