サッカーにおいて、1試合で3得点以上を決めることを表す「ハットトリック」。元々はクリケットで打者を三者連続アウトにすることをそう呼んでいた。(クリケットにおいて打者を連続でアウトにすることは相当難易度が高い)

サッカー選手にとって、「ハットトリック」は実力を証明する功績でもあるが、そう簡単にはお目にかかれない。この企画『HAT-TRICK HEROES』では記憶に残る「ハットトリック」を紹介していく。

今回は、パリ・サンジェルマン(PSG)のフランス代表FWキリアン・ムバッペが古巣相手に決めたハットトリックだ。


21歳ながら世界的ストライカーの1人として数えられるムバッペモナコで才能を開花させ、2017年夏に加入したPSGでは、ここまでの3シーズンで公式戦120試合に出場し、90ゴールを記録している。

2019年4月21日に行われたリーグ・アン第33節のモナコ戦では、古巣相手に圧巻のスピードを見せつけ、ハットトリックの大活躍だった。

開始から17分、自陣でボールを奪いカウンターに転じたPSGは、DFダニエウ・アウベスからムバッペ、MFムサ・ディアビへ繋ぎ一気にゴール前へ。左のハーフスペースを駆け上がったディアビのクロスをオフサイドラインギリギリで受けたムバッペは走ってきた推進力そのままにゴールに押し込んだ。

そして38分、DFダニエウ・アウベスとのワンツーでDFラインの裏へ抜け出すと、冷静にGKとの1対1を制し、ゴール右に流し込んで追加点を獲得する。

さらにエンドが変わった55分、ショートカウンターからアウベスのクロスを再びムバッペが押し込み、古巣モナコ相手にハットトリックを達成した。

中でも1点目のゴールは、イギリスデイリー・メール』などによると、実はカウンターでハーフウェイライン付近からゴール前まで走り込んだムバッペは時速38㎞を記録しており、そのスピードは、あの元陸上世界王者のウサイン・ボルトの平均速度(37.58km/h)をも超える速さだという。

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