日本やイギリス、そしてアメリカ各地に中国から送られたと見られる国際郵便の封筒に入った「謎の種」が世間を騒がせているが、注文した覚えのない種が送られているとあって、アメリカでも「絶対開封して植えたりしないように」と政府が注意喚起している。ところが米アーカンソー州の男性がすでに「謎の種」を植えてしまったことで、その成長した植物に注目が集まっている。『5newsonline.com』『New York Post』などが伝えた。

アメリカでは既に30以上の州の住民に“中国郵政(China Post)”と表記されたラベルで「謎の種」が届いており、米国農務省(USDA)などでは「決して植えずに諸機関に連絡するように」と訴えている。

ところが米アーカンソー州ブーンヴィルに住むドイル・クレンショーさん(Doyle Crenshaw)は、注意喚起が出る前に種を植えてしまい2か月が経っていた。彼は「謎の種」について次のように語った。

「私達家族はこの種が何なのか興味があって、蒔いてみたんです。2週間おきに成長を見に来ていたんですが奇跡的に芽が出て、狂ったように成長しだしたんですよ。」

「パッケージは中国から来た物のようで、ラベルには“ピアス(studded earrings)”って書いてあったんですよ。まあ、ちょっと奇妙だとは思ったんですけどね…。」

ドイルさんが植えた「謎の種」はぐんぐんと育ち、オレンジ色の花を咲かせて白い瓜のような実をつけていた。同州農務省のスコット・ブレイさん(Scott Bray)は、ドイルさんが植えた種が実際に何の植物なのか判明しないため大きな懸念があるとして次のように警告している。

「これらの種は外来種の雑草、害虫などを国内に侵入させる可能性があり、作物や植物などに悪影響を及ぼす懸念があります。」

そして同州農務省では、ドイルさんの植えた植物を研究のために全て取り除いたとのことだ。ちなみに『KUTV 2News』では、「謎の種」の目的は「“ブラッシング(brushing)”と呼ばれる詐欺では?」と主張する米国商事改善協会(Better Business Bureau)ユタ州支部の支部長であるジェーン・ラップ氏(Jane Rupp)のインタビューを掲載している。

ラップ氏によると、ブラッシング詐欺はオンライショップの販売業者が、顧客が頼んでもいない商品を送り、受取人を装って偽の高評価レビューを書き込むといった手法のようだ。高評価を得ることで、販売業者の評判が上がり、その後の注文につながる。しかしながら販売業者は顧客の名前や住所などの情報を探し出し、勝手に本人になりすましてアカウントを作成していることになり、言ってみれば個人情報が盗まれていることと同じなのである。

ラップ氏はこのブラッシング詐欺は顧客の銀行口座の情報や社会保険番号などの個人情報を盗む詐欺とは異なるとしているが、「謎の種を受け取った場合、念のため銀行口座やクレジットカードの使用状況などの確認が必要だろう」とも話している。

画像は『5newsonline.com 2020年8月3日付「Booneville man plants mysterious seeds from China being sent across the U.S.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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