2020年8月5日(水)新国立劇場 中劇場にて、演劇『イヌビト ~犬人~』が開幕した。本公演の舞台写真、演出の長塚圭史よりコメントが届いた。

本作は長塚圭史作・演出、近藤良平振付でおくる、大人も子どもも一緒に楽しめる演劇作品。『音のいない世界で』(2012年上演)『かがみかなたはたなかのなかに』(15、17年再演)に続く新作となり、お馴染みの4人(近藤良平・首藤康之・長塚圭史・松たか子)に加え10人のダンサーたちと共にさらにパワーアップした作品となる。

(右から) 松たか子、長塚圭史

(右から) 松たか子、長塚圭史


 
【ものがたり】
どこかの国の、どこかの町。タナカ一家は愛犬とともに、シンプルライフを堪能しようとこの町に引っ越して来ました。ところが町中はどこか殺伐としています。誰もがマスクで口元を隠し、ソーシャルディスタンスを保ちながらの暮らし。この町にはイヌビト病の感染が広まっていたのです。今を去ること30年前、この町では狂犬病が大発生、ついにヒトはイヌを飼うことを禁じられ、この町からイヌはすっかりいなくなりました。しかし、今度はイヌビト病が大流行、さらにはヒトからヒトへの感染も始まって……。 
 


作・演出・出演:長塚圭史 コメント

不都合な現実を遠くへ追いやる、その果てみたいなことを書きました。記憶の濃淡。共に生きる難しさ。コロナ禍でなければ生まれませんでした。これから大人になる子供達とかつての子供達へ。 

新国立劇場の演劇『イヌビト ~犬人~』稽古場映像

本公演は8月16日(日)まで上演される。

(左から) 松たか子、首藤康之