―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―


◆子供は困ってないのに、親や周りが困るのは、親の考え方に原因

 ゆとり教育を受けたゆとり世代の後の世代のことを、世間では「さとり世代」と呼んだりしているようで、「欲がない」とか「恋愛に興味がない」とか言われたりしているそうです。

 でも、大人が勝手に導入し取りやめた「ゆとり教育」の無駄を体感し、俗に言うバブルが崩壊してから生まれた世代の彼らは、日本が不況の時代しか知りません。

 なので、別に欲がなかったり、無関心だったりするわけではなく、物事をシビアに見るようになっているだけだと思うのですね。

「家のテレビとかなくてもスマホユーチューブを観ていれば十分じゃない?」とか「旅行に行かなくても友達と駄弁っているだけで楽しいよね」と、広告や既存の価値観に流されず自分たちで満足する術を身に着けたのだと思うのですが、その考えは分不相応な希望を持っている中年よりだいぶマシな気がしています。

 世の中には認めたがらない人もいますが、他の先進国の経済成長率と比べ日本の経済はずっと落ち込んでいます。

 昭和の時代、高度経済成長期やバブル崩壊直前までは、経済は右肩上がりで会社に所属して正社員になれば毎年昇給、マイカーやマンションを買えるようになるのが当たり前だと思っている人もいました。

 でも、今の時代は昇給しないのが当たり前で、高齢な方々が安定していると思っていた大手メーカーもヤバイ状況で、銀行もボロボロだったりします。大企業の正社員になったとしても会社が20年後にどうなっているかなんて、誰もわからないわけです。

 少子化の影響で長期的には東京の地価も下がるといわれ、地方の不動産は軒並み下落、熱海やガーラ湯沢のリゾートマンションは10万円で売られていたりします。不動産を持つと、誰かに売りつけるまで固定資産税や管理費を払い続ける必要があるので、今や誰も買わないババ抜き状態。そんな状況で、昭和の考えで家やマンションを買い、ローンという名の借金を30年以上も払い続けるのはあり得ません。

 こんなことはちょっと考えれば誰でもわかるはずなのに、家や車を買わないことに、「さとり世代は欲がない」と言ったりします。

 そんな大人たちは現実が見えてないように思えるので、子供たちには多数派の大人の言うことはあまり当てにしないようにさせたほうが、いいような気がしています。

◆長期間安心という場所を見つけるのは難しい

 ネットが普及して以降、世の中の回転は速くなっていて、リーマンショックみたいなバブル崩壊が起きたりと波が激しい時代なので、どこかに属していれば長期間安心という場所を見つけるのは難しい状況です。

 親も、昔のやり方や自分が受けてきた教育や右に倣えの習慣を子供に教えるのではなく、新しいことを受け入れたり、変なこだわりを持たないようにし、その時々に合わせて臨機応変に対応することが大事ですし、子供にもそう接してあげることが大事だと思います。

 親としては「安定した生活ができるように」「失敗しないように」と考えるので、欲や向上心がないといわれていることを危惧する人もいると思いますが、日本はまだ豊かな国なので、餓死することはほとんどないですし、普通に働いていれば普通に暮らすことはできると思います。

 本人が困っていないのに、周りが困るのは周りに原因があります。なので、親は子供に干渉しない癖をつけていくといいと思うのです。

ひろゆき
西村博之(にしむらひろゆき)’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねるニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト『4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など

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