歯磨き粉(歯磨剤)を買うときの基準は、値段や製品会社・口コミなど様々だと思います。

どれもお口の中で起こるトラブルに合った薬効成分が配合されていますが、記載されている成分表を見てもどの成分がどのような効果があるのか分からない方も多いのではないでしょうか?

今回は、「自分に合った歯磨き粉」が選べるように用途別に成分をご紹介していきます!

1.虫歯の発生予防、進行抑制


虫歯を予防したい方にはまずはフッ素がオススメです。

【成分表の記載】
・フッ化ナトリウム
・モノフルオロリン酸ナトリウム

の表記があります。

この表記以外にも15歳以上であれば「フッ化物イオン濃度 (ppm)」が高いものを選びましょう。再石灰化を促進し、虫歯の発生と進行を防いでくれます。

現在、日本では1,500ppmまで厚生労働省から認可が出ているのでフッ化物イオン濃度1,450ppm(1,500ppm)の記載があるものが良いですが、年齢により濃度は注意する必要があるので15歳以下であれば子ども用に販売されているものを使用しましょう。

【年齢別フッ化物イオン濃度】
・歯の生え始め~2歳頃:500ppm
・3~5歳:500ppm
・6~14歳:1,000ppm
・15歳以上:1,000~1,500ppm

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ほかにオススメのポイントとしては、

・汚れを絡みとってくれる粘度の高いジェルタイプ
・泡立ちがいいと「磨いた」と思ってしまいがちになるため磨き残しがないようにじっくり磨ける泡立ちが少ないもの(低発泡性)
・研磨剤が入っていると歯の表面に細かい傷ができてしまうため研磨剤は入っていないものか低研磨性のものを選びましょう

2.歯周病の予防、進行抑制

歯周病を発症していて進行を抑えたい方や予防をしたいという方には、抗炎症作用と殺菌作用のある成分が配合されているものがオススメです。

【抗炎症作用(歯肉の炎症や出血を抑える)】
・VE(ビタミンE)=酢酸トコフェノール:歯肉組織を修復
トラネキサム酸:歯肉の炎症、出血を防ぐ
・β-グリチルレチン酸:歯肉の炎症を抑え歯肉炎、歯周病を予防

【殺菌作用(菌の働きを抑える)】
・イソプロピルメチルフェノールバイオフィルムを浸透、殺菌
・塩化セチルピリジニウム:浮遊菌殺菌作用で虫歯、口臭、歯肉炎を予防
・ラウロイルサルコシンNa:浮遊菌殺菌作用で虫歯、口臭、歯肉炎を予防

歯肉炎は炎症が歯茎に限局されているもので、それ以上進行したものが歯周病となるため歯肉炎は歯周病の初期段階です。

最近では小学生でも歯茎が腫れる「歯肉炎」になっている割合が高くなりつつあるので、正しい磨き方で歯を磨く習慣をつけましょう。

歯肉炎の方も抗炎症作用や殺菌作用が配合されているものがオススメです。

3.知覚過敏の抑制

虫歯でないのに、冷たいものが歯に触れたときや歯磨きをしているときにしみる症状が出る方は歯髄神経に刺激を伝達しにくくする成分が配合されているものがオススメです。

【成分表の記載】
・乳酸アルミニウム:痛みの伝達経路となる象牙細管を封鎖し飲食時の痛みまでケア(持続性)
・硝酸カリウム:歯髄神経の興奮を鎮め痛みの伝達を抑制しブラッシング時の痛みをケア(即効性)

4.ステイン・着色予防

歯の表面には、目に見えない細かな傷がたくさんあります。

コーヒー、紅茶、お茶などのステイン(着色汚れ)やタバコのヤニが細かな傷の部分にこびりつくと、歯磨きでは取りきることはとても難しいです。

着色汚れを分解して除去してくれる成分が配合されているものであれば、ちょっとした着色やヤニを取ることができます。

汚れを落としてご自身の元の自然な白さの歯を取り戻したい方にオススメです。

【着色を分解する成分】
ポリリンナトリウム:着色予防効果、黄ばみをおとす
・ポリエチレングリコール(PEG):ヤニ汚れに働きかけ、汚れを落とす
・ポリビニルピロリドン(PVP):ヤニ汚れに働きかけ、汚れを落とす

【着色をつきにくくする成分】
ハイドロキシアパタイト:歯の表面にできた目に見えない細かい傷を修復し、歯にミネラルを補給。プラークステインをつきにくくし、虫歯も予防します

このような着色を分解以する歯磨剤のなかには研磨成分(研磨剤、清掃剤)が入っているものが多くあります。

必要以上に研磨成分の含まれる歯磨き粉を毎日使用すると、歯の表面を削ってしまう危険性が高く逆効果となってしまいます。なるべく研磨成分が少ないものを選び、毎日使用して大丈夫なものか製品の用法は必ずチェックしましょう!

また、このような成分は、あくまで着色を除去して元の自然な歯の白さに近づけるものです。

ご自身の元の歯のお色からさらに白くしたい場合は歯科医院でのオフィスホワイトニングやお家でできるホームホワイトニングを行いましょう。

歯磨剤の基本成分とはたらきについて

日本で作られている歯磨剤は「化粧品」と「医薬部外品」の2つに分けられています。

化粧品:基本成分のみが配合
医薬部外品:基本成分 + 薬効成分が配合

薬効成分は医薬部外品の歯磨き粉にのみ配合されていて虫歯や歯周病、歯の着色、知覚過敏などそれぞれに有効な成分です。

基本成分6種類のはたらきと特徴をみていきましょう。

研磨剤(清掃剤)
歯に付着した汚れやステイン(着色汚れ)を研磨して落とす働き。
汚れ以外にも歯の表面に細かい傷が付いてしまう恐れがあります。

また、歯周ポケットが深い方は粒状のものが入っている研磨剤入りのものを使うと、ポケット内に粒が残ってしまうことがあります。

清掃不良の原因になるため、粒が入っていないものを選びましょう。

発泡剤
泡立ちをよくする成分。歯磨剤の成分を口内に行き渡らせて洗浄を促す働き。
泡立ちがよすぎるとスッキリとしますが、じっくりと磨けず磨き残しの原因になります。

磨き残しは虫歯や歯周病・口臭などのさまざまなトラブルに繋がるため、なるべく低発泡性の歯磨剤を選びましょう。

粘結剤
粉末と液体に適度な粘度を与える働き。
成分が偏ったりチューブから液体成分が流れるのを防ぐために必要な成分となります。

湿潤剤(保湿剤
歯磨き粉を適度に保湿して凝固や分離を防ぐ働き。

香味剤
歯磨き粉に香りや味、爽快感を与える働き。
毎日使うものなので無理なく使いやすいものを選びましょう。

保存剤(防腐剤)
変質や劣化を防ぐ重要な働き。

現在なにかお口の中でトラブルが起こっている場合は、用途に合った歯磨剤に変更したほうが良い場合があるので歯科医師または歯科衛生士に相談してみましょう。

まとめ

毎日使用する歯磨き粉ですが、種類が多くて迷ってしまう方も多いと思います。

ご自身のお口のお悩みに合った成分を理解して、ピッタリの歯みがき粉をぜひみつけてみてください。

また、より口もとを健康的にキープするためには歯科クリニックでの定期健診やブラッシング指導も大切です。

上手に歯磨き粉を選んで健康で美しい口もとづくりを目指しましょう。

[文:ホワイトホワイトビューティー東京(https://whitebeauty.tokyo/)]

監修:石井先生
店舗:恵比寿本店・LUMINE新宿店・LUMINE有楽町

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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