少年法の改正について議論する法務省の法制審議会が6日に開かれ、罪を犯した18歳・19歳を厳罰化する「とりまとめ案」を発表しました。
この背景として、民法改正により2022年4月より18歳から成人になることと、18歳以上に選挙権があることが挙げられます。
18歳・19歳は大人と同じような刑事手続きによるべきという意見と、未熟で更生の可能性が高いという2つの意見が加味され、「罪を犯した18歳・19歳の少年は18歳未満とも20歳以上とも異なる手続きにするべき」と判断されたのです。
少年法は現在、保護や更正を目的に、罪を犯した20未満の少年には大人と違った手続きが適用されています。今後は、罪を犯した18歳・19歳の少年は中間層となり、上下の世代とは異なる扱いとなる模様です。
また、少年法の適用年齢を18歳未満にすることも同時に検討されていましたが、「国民意識や社会通念を踏まえたものが求められる」と考え、判断は見送られました。
今後については、早ければ9月に最終案がまとまり、2021年の通常国会で法務省が少年法改正案を提出する見込みです。
少年法改正で、今後どうなる?
今回の少年法改正案で取りまとめられた、これまでとの主な違いは次の通りです。
これまでは、16歳以上の少年が行った重大な犯罪(殺人・傷害致死・強盗致死など)について、大人と同様の裁判にかけるため、検察に送検する仕組みを取っていました。
今後は、18歳・19歳について、「法定刑の下限が1年以上などの罪」にまでそれが拡大されました。強盗や強盗致傷、強制性交、放火なども、大人と同様に刑事裁判にかけられます。
また、不良行為などによって将来的に罪を犯すと判断された少年を家裁に送致する仕組みに関しても、18歳・19歳は対象外としています。
さらに、保護処分についても変更がありました。これまでは少年院送致や保護観察などを行っていましたが、18歳・19歳は民法の上では大人になることから、保護処分の対象から外し、代わりに18歳・19歳のみが対象になる新たな処分が設けられます。
加えて、短期間での仮釈放などの特例は、18歳・19歳には適用しないとされています。
最後に、本人の特定につながる実名報道についての規定も改められています。今後、罪を犯した18歳・19歳については、家庭裁判所の手続き中は匿名を維持するものの、起訴された段階で実名報道が解除とされるようです。
少年法改正に対するみんなの声
これまでさまざまな意見があった少年法改正。ネット上でのみんなの声についても見てみましょう。
大賛成
少年法改正、大賛成だわ。子供達、よく理解しとくんやで。
— やすし @ SwitchとPS4の二刀流 (@subcul834) August 6, 2020
成人としての権利を与えるのなら当然
成人としての権利を与えるなら当然ですね。少年法改正と言うなら、むしろ16.17歳に踏み込んでもらいたい。/少年法 18〜19歳を厳罰化へ#Yahooニュース https://t.co/CeM0OdCivw
— 黄金のフクロウ (@G_Fukuro) August 6, 2020
実名報道されるべき
18歳に選挙権与えて成人扱いするんだったら18歳が罪を犯せば実名報道されて然るべきでしょ
— Eternal_in_Flame (@EternalBrain) August 7, 2020
18歳と19歳の少年が起訴された場合に、少年法でこれまで禁止されてきた実名報道を可能とするなどとした骨子を法務省の法制審… https://t.co/WUYu5mw11t
今回の改正は妥当
【碓井真史のコメント】今回の改正は妥当。ただ、少年法は少年を甘やかし犯罪を増やすというのは誤解。ぐ犯(犯罪のおそれ)では処分されないことを喜んでいる非行少年もいるかもしれない。18歳で大人になる自覚を。
— 碓井真史 @ 心理学「こころの散歩道」 (@usuimafumi) August 6, 2020
▼少年法、18・19歳を厳罰化へ 実名報道も一部解禁案 https://t.co/m2xNK0ctVK
実名報道については慎重派
少年法改正についてぜひ皆さんの意見を伺いたいです。私は、厳罰化は必要だと思う一方、実名報道に関しては慎重派です。「刑罰」よりも「健全な育成」はとても良い考えだと思いますが、教育にも限界があります。
— Hiroto Fukuoka (@ocapi0414) August 6, 2020
18歳と19歳に新たな手続きや処分 少年法改正へ骨子 法制審議会 https://t.co/8DxVIGn0nq
少年法は悪法
少年法は悪法だからまずは無くす方向で行くべき
— 麺屋銀次 メンメン (@IBOisCzJ9ZMciBk) August 6, 2020
少年法改正 法制審部会が要綱骨子案を公表 「18、19歳は別扱い」 https://t.co/6m3vKSZ1yk
議論すべきは改正ではなく廃止
「18歳と19歳新たな法整備が必要」少年法改正を議論 https://t.co/D0gOyMHyVh
— 氷河期 (@IceAge_2030) August 6, 2020
知恵も体力も大人と同等かそれ以上。議論すべきは改正でなく撤廃。成人であっても少年であっても更生など
絶対に
しない。ならば必要なのは厳罰化による抑止。厳罰化が抑止とならないのは厳罰化が足りないだけ。
犯罪の中身で判断できるように
少年法、18・19歳を厳罰化へ
— catwalk (@catwalk639) August 6, 2020
対応が遅い
しかも 20が 18になっただけでは
意味がない
数字で示せば今までと同じ
犯罪の中身で判断出来るように
改正すべき
犯罪の低年齢化が進む中
全然法律が現実に追いつけていない
立法は機能していないも同然
https://t.co/lyqVXtp11s
被害者だけわかればいいのでは?
少年法は機能している!
— なるみん (@narumin500) August 7, 2020
少年犯罪の激減と凶悪犯罪も激減してる今、民法改正に伴って刑事罰を同時に大人と同様に少年院ではなく少年刑務所に行かせる必要あんのか?
実名報道しなくても被害者だけ分かればいいのでは?
少年法、18・19歳を厳罰化へ 実名報道も一部解禁案 https://t.co/56IcC7HJAW
まとめ
最も注目されている「少年法の適用年齢を18歳未満にするかどうか」については、改正案作成時に見送りとなってしまいました。
少年の保護や更生を目的としている「少年法」ですが、今回のとりまとめ案では、民法改正によって成人が18歳になることに合わせ、厳罰化に向かっているようです。 ただ、起訴されたのちに18歳・19歳は実名報道が可能になるなど、賛否がありそうなとりまとめ案となりました。
これまで3年以上に渡って議論があった少年法改正。今回のとりまとめ案や来年の改正案の提出で、犯罪を行った未成年の更生・自立が進むことを祈るばかりです。
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