堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生が答える連載です。今回の相談者は、中野芽衣さん(仮名・30歳・法律事務所勤務)です。

「両親は、私が8歳のときに離婚しました。原因は父親のDVです。離婚後、私の母はめちゃくちゃ苦労した結果、化粧品会社を起業して、今はそこそこいい暮らしをしています。

一時期は、食べる物がなく、パン屋さんからパンの耳をもらって空腹をしのいだこともありました。

起業したばかりの頃は私も発注のラベル書きや梱包など、二人三脚で協力してきたと思います。

そんな母には、ちょいちょいボーイフレンドがいたのですが、最近、本気で恋愛をしているのではないかと思う男性が現れました。

母より10歳年下、50歳のその男性は、会社の経営にまでは口を出さないのですが、母とは同居したい素振りを見せています。

正直、私は男性が家に来るのは気持ち悪いし、その男はいかにもダメンズ。母が好むコーヒーを淹れたり、ケーキを焼いたりして、媚びている。母の財産にぶら下がろうという気がまんまんなのです。

この男性を母から遠ざけるためには、どうすればいいでしょうか。

もう一つ質問があります。この男性はクルマで私達のマンションに来るのですが、駐車時の目測を誤るらしく、来客用スペース駐車場の外壁を傷つけており、管理組合から塗装代10万円の請求が来ました。

これは母が支払ったのですが、これを私から男性に請求する場合、どのような手順を取ればいいのでしょうか。

DV父から逃げて、ずっと2人で穏やかな生活を送っていたのに、この男は許せません。これからどうすればいいでしょうか」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

相談された事情を判断しますと、あなたのお母さんと、男性を法的に別れされる方法はないと思われます。

同居するお母さんから交際相手の男性を遠ざける方法についてのご相談は、お母さんがご自身の財産の範囲内で交際をし、楽しい人生を送ろうとしている限りは、娘であるあなたは口を出すべきでないと思います。

お母さんと同居し、お互いの協力のもと生活をされている中、生活を維持していくためのお金をお互いに出しているのなら、その後の財産の使い道については、多少の行き過ぎを注意し合うくらいはあっても一方的に静止することはできません。

相手の男性が、お母さんの財産をだまし取ろうとしているということなのであれば、これは問題です。もし、お母さんの判断能力が衰えているならば成年後見人をつけ、財産を守ることが考えられます。しかしそうではないようです。日ごろからお母さんとよくコミュニケーションをとるとよいと思われます。

男性がマンションの駐車場の外壁を壊して、その代金をお母さんが支払ったことに不満をお持ちの件、お母さんと男性間で納得済みであるならば、それで終わりであり、あなた方から請求することはできません。

男性は、お母さんの好きなコーヒーを淹れるなど、かいがいしく世話を焼くという。

プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/

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