ドラえもん」のまんが連載50周年記念作にして、長編映画シリーズ40作目となる『映画ドラえもん のび太の新恐竜』(公開中)。双子の恐竜キューミューと出会ったのび太が、仲間たちと一緒に6600万年前を舞台に大冒険を繰り広げる。MOVIE WALKER PRESSではドラえもん役の水田わさびのび太役の大原めぐみしずか役のかかずゆみジャイアン役の木村昴スネ夫役の関智一インタビューを敢行。

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後編では、本作に感じた魅力、そして思い出の「映画ドラえもん」について語り合ってもらった。

本作は、のび太が化石発掘体験でたまごを見つけたことから始まる物語。たまごから生まれたのは、双子の恐竜。ちょっと頼りないキューと、おてんばミューを愛情たっぷりに育てるのび太だったが、現代で2匹が生きていくには限界がきてしまう。キューミューを元の時代に返すことを決心したのび太は、ドラえもんや仲間たちと、6600万年前へと出発。そこで謎の島を見つけたのび太たちが大冒険を繰り広げることになる。

■「しずかちゃんのび太に語りかけるシーンには、ドキッとするような女性らしさがあります」(かかず)

ーー映画第1作『映画ドラえもん のび太の恐竜』とはまた違った恐竜の物語が誕生しました。「ドラえもん」の原点にして、新たな一歩とも言える作品となりましたが、脚本を読んだ感想はいかがでしたか?

水田「シンプルで、ものすごくわかりやすかったです!起承転結がはっきりとしていて、読んだ後にはスカッとして。原点を感じるシーンもあるんですが、そこは『言っちゃダメ』だと言われていているので…(苦笑)。ぜひ映画を観て確認してほしいです。私は、ミューと違ってうまく飛べなかったキューが、何度も飛ぼうと頑張るシーンが大好きです。のび太くんとの出会いとリンクする部分もあり、とてつもなく感動してしまいました」

大原「川村元気さんが担当された前作『映画ドラえもん のび太の宝島』もそうだったんですが、川村さんの脚本は感情の起伏や振り幅が大きいので、自分の体力が持つか心配にもなりました。前日はしっかりと体力を温存して、アフレコに臨んだのを覚えています。のび太キューの姿が重なる部分もありましたし、キューを育てようとするのび太を見て、『子どもが困難にぶつかっている時に、なにをしてあげられるんだろう?』と、自分の子育てとも重なったんです。親世代の方々もシンクロして観られる映画だと思います」

木村「僕も男子ですから、恐竜がたくさん出てくるという話は興奮しました。ジャイアンスネ夫が“パープル隊員”と名乗って、潜入捜査するシーンがあるんですが、僕はその場面も大好きです。壮大な冒険が繰り広げられるなかで、スネ夫ジャイアンのちょっと“空き地っぽい”空気感が味わえる、楽しい場面になっていると思います。

また今回、“ともチョコ”というドラえもんの道具が登場しますが、ジャイアンが“ともチョコ”を投げるシーンがあって。そこがかっこいいんですよ!『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い』でもダーツの矢を投げていたりと、ジャイアンっていつもなにかを投げるシーンがある(笑)ジャイアンの“投げ”のシーンにも注目してほしいです」。

かかず「うちの子どもたちも男の子なので、私も子どもも恐竜が大好きで。夏休みには福井の恐竜博物館にも行って、化石発掘体験もしてきたんです。『人間のいなかった時代にどんなことがあったんだろう』とロマンを掻き立てられて、ものすごく楽しかったです。さらに本作を観ると、福井の恐竜博物館モデルとして出てくるじゃないですか!『うわ、ここ行った!』と、激アツでしたね(笑)

しずかちゃんとしての見どころは、のび太さんとキューがケンカをした後、しずかちゃんのび太さんに語りかけるシーン。その場面のしずかちゃんはちょっと大人っぽくて、私から見てもドキッとするような女性らしさがありました」。

関「そもそもドラえもんは、のび太くんがジャイ子ちゃんではなく、しずかちゃんと結婚できるようにするため、言わばのび太くんを“別の世界線”に乗り換えさせるためにやってきたわけで。“違う未来があるかもしれない”というテーマがありますよね。今回の映画には、『映画ドラえもん のび太の恐竜』とまったく違うお話なのに、出だしは『のび太の恐竜』を思い出すようなところがある。たまごから生まれたのが(『のび太の恐竜』の)ピー助だったのか、キューミューだったのかによって展開が変わってくるのかと考えると、すごくおもしろくて。ドラえもんの根本的な部分が表現されている映画なのかなとも思ったんです。『のび太の恐竜』をリスペクトしつつ、『ドラえもん』の根本的テーマへのオマージュが流れている映画だと思いました」。

■「子ども時代に憧れたドラえもんと一緒に旅をしている。いまでも『贅沢だなあ』と感じます」(関)

ーー長編映画シリーズも40作目となりました。皆さんにとって、印象深い「映画ドラえもん」を教えてください。

関「僕は1981年の『映画ドラえもん のび太の宇宙開拓史』が大好きなんです。また初めて観た『映画ドラえもん』は、『映画ドラえもん のび太の恐竜』でしたから、2006年に僕たちが同作をやらせてもらった時は、ものすごくワクワクしましたね。

僕は子ども時代、一人っ子で、親も不在にしている時間が多かったのでさみしくて。『ドラえもんがいたらいいな』とずっと思っていました。でも漫画の世界だから、会うことはできない。そう思っていたのに、いまこの立場になってからは、ドラえもんと一緒に旅をしているわけですから。いまでも『これは贅沢だなあ』と感じるときがあります。夢がかなっている」

かかず「私はやっぱり、『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』かなあ。初めて私たちが演じさせていただいた劇場版で、緊張感もものすごくあったけれど、お話も、スキマスイッチさんの主題歌も、とても素敵でした。曲を聴きながら、ずっと浸っていた思い出があります。『映画ドラえもん のび太の月面探査記』も好きですね。月を見るのが、すごく楽しくなりました。ちょうど公開のころに、月面の裏を探査するニュースがあったりと、『藤子・F・不二雄先生の世界はリアルと通じているな』と感じました」

木村「僕は初めて観たのは、『映画ドラえもん のび太のドラビアンナイト』です。思い出深いのは、『映画ドラえもん のび太の新魔界大冒険 7人の魔法使い』です。ゲスト声優で相武紗季さんがいらっしゃったんですが、ものすごくきれいだったんですよ!収録もめちゃくちゃ覚えている(笑)!」

かかず「昴くん、思春期だったしね!」

木村「そうなんです。すごく優しくて、本当におきれいで!『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』の時は高校受験でしたね。確かゲスト声優の神木隆之介くんが中学受験で、受験の話をしたのを覚えています。僕は落ちちゃったんですけれど…。『映画ドラえもん』を振り返ると、人生の節目も思いだしますね」

大原「私はやっぱり、『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』。私たちが初めてやった劇場版ということもありますし、自分自身、初めて買ったコミックが『のび太の恐竜』でした。病院で見かけて、ピー助のかわいさに魅了されて『家でも読みたい!』と思って買ったんです。だからこそ、『映画ドラえもん のび太の恐竜2006』でまさか自分が演じる側になることができるなんて思っていませんでしたし、大きなスクリーンから自分の声が流れてくるのが、すごく不思議だったことを覚えています」

水田「私は『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ天使たち』です。主題歌BUMP OF CHICKENさんに決まったと聞いた時は、自分の心臓の音が身体中に響いて、眠れなかったくらいです。私はBUMP OF CHICKENさんって、『映画ドラえもん』の主題歌にぴったりだなってずっと思っていたんです。メンバーの皆さんも藤子・F・不二雄先生の大ファンで、ラジオもちょくちょくドラえもんのことをお話ししていて。そのことも知っていたので、『映画ドラえもん』とBUMP OF CHICKENさんが交差した時は、大感動でした。

私がドラえもんを演じるようになって、手にしたと感じる一番の宝物は、そういった人との出会いです。ドラえもん藤子・F・不二雄先生が、たくさんの私の夢をかなえてくれました」

取材・文/成田おり枝

長編映画シリーズ40作目が公開!好きな「映画ドラえもん」を語り合った/撮影/成田おり枝