サッカーにおいて、1試合で3得点以上を決めることを表す「ハットトリック」。元々はクリケットで打者を三者連続アウトにすることをそう呼んでいた。(クリケットにおいて打者を連続でアウトにすることは相当難易度が高い)

サッカー選手にとって、「ハットトリック」は実力を証明する功績でもあるが、そう簡単にはお目にかかれない。この企画『HAT-TRICK HEROES』では記憶に残る「ハットトリック」を紹介していく。

今回は、バルセロナアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが決めたハットトリックだ。


世界最高峰の選手の1人として長年にわたって一線級で活躍するメッシ。多くの歴史を作ってきたメッシだが、最大のライバルであるレアル・マドリーとの“エル・クラシコ”でも伝説を残している。

今回のハットトリックは、そのメッシクラシコで初めて記録したもの。2007年3月10日ラ・リーガ第26節の一戦だ。

首位のバルセロナがカンプ・ノウにレアル・マドリーを迎えた一戦。試合は5分にルート・ファン・ニステルローイのゴールでマドリーが先制する。

すると11分、メッシは完全にフリーの状態でFWサミュエル・エトーからボックス内でパスを受けると、オフサイドラインぎりぎりで抜けてGKイケル・カシージャスとの一対一を冷静に沈める。

13分にマドリーファン・ニステルローイが再びゴールを奪いリードを広げるが、28分にメッシが加点。ボックス内に侵入したFWロナウジーニョが、エトーリターンを強引にシュート。これはGKカシージャスセーブするが、こぼれ球をメッシが豪快に蹴り込み、2点目を記録した。

2-2のまま試合は進むと73分にセルヒオ・ラモスが勝ち越しゴール。このままマドリーが勝利かと思われたが、後半アディショナルタイムにドラマが。

ロナウジーニョの縦パスをボックス手前で受けたメッシは、ドリブルでDFイバン・エルゲラを抜くと、カバーに入ったセルヒオ・ラモスをあざ笑うシュートをゴール右に決めハットトリック達成。3-3の引き分けに持ち込んだ。

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