今年6月、英ロンドンの中心部で「Black Lives Matter:BLM(黒人の命は大切だ)」を訴える人種差別に抗議するデモが行われた。当時、BLM抗議者の群衆の中から負傷した白人男性を救った黒人男性がヒーローと称賛された話題は記憶に新しい。その黒人男性がこのほど、世界的にも有名な雑誌の表紙を飾った。『Mirror』などが伝えている。

ロンドンで今年の6月13日、ある黒人男性の勇敢な行動が注目を集め、人々は彼をヒーローと崇めた。男性はロンドン在住のパトリック・ハッチンソンさん(Patrick Hutchinson、49)で、抗議者に囲まれて負傷していた白人男性のブライン・マーレさん(Bryn Male、55)を担ぎ上げ、その場から救出したのだ。

BLM抗議者の中を自分の身の危険を顧みずブラインさんを担いで歩くパトリックさんの写真が世界中に配信され、多くの人が人種を超えた救出劇に心打たれた瞬間でもあった。

それから2か月経ち、パーソナルトレーナーでもあるパトリックさんは、男性の健康ライフスタイルに関する情報誌で世界的にも有名な「Men’s Health」の英国版9月号の表紙を飾ることとなった。同誌は40か国以上もの国で発売されるトップセラーマガジンである。

同誌英国版の編集長であるトビーワイズマン氏(Toby Wiseman)は、パトリックさんが表紙を飾ることについて次のように語った。

BLM抗議デモの中、白人男性のマーレさんを安全な場所へ担いで連れて行ったハッチンソン氏の象徴的な写真を目にした瞬間、彼にうちの雑誌の表紙を飾って欲しいと思ったんです。」

「あの写真には強さとこころざしがにじみ出ており、敵意やマイナス的な考えを乗り越えて、ただ自分の仕事に取り組む男性が写っていたのです。」

「私は5日後になんとか彼と個人的に話す機会を作りました。そして彼を表紙にという私の願いは確信へと変わったのです。健康とフィットネスの力が肉体的にも精神的にもプラスの影響を与えると信じている彼は、この雑誌の理想を体現しているのです。」

今回「Men’s Health」のインタビューで、パトリックさんはロンドンの抗議デモ当日のことについて次のように明かした。

「私はジョージ・フロイドさんが亡くなるビデオを見て涙が止まらず、何かしなければならないと思っていました。あのロンドンのデモの日は、本当は孫娘の世話をすると娘と約束していたんです。」

「しかし友人のピエールがどうしてもデモ現場に私が必要だと言うので、彼の誘いを優先させて向かったのです。ピエールが声をかけていなければ私はそこに行ってなかったと思います。」

友人のピエールさんは、デモ現場でパトリックさんと彼に担がれるブラインさんを、周りにいた抗議者の攻撃から守りながら安全な場所まで付き添った男性である。

ちなみにパトリックさんは、「Men’s Health」以外にも「VOGUE」英国版9月号で文化人や活動家として紹介された20名のうちの1人として登場している。これからもメディアに登場する機会が増えていくと思われるが、パトリックさんは「私は子供達や孫にトレーニングを教えたり、世話をしたりすることが好きなんですよ。私にとって彼らが一番大切な存在なんです」と、子煩悩、孫煩悩な一面を見せている。

画像は『Patrick Hutchinson 2020年6月13日付Instagram「We saved a life today @arkprotection.」、2020年8月6日付Instagram「Proud to be featured on the cover of Men’s Health and inside with my brothers.」、2020年8月3日付Instagram「@britishvogue September issue available for digital download Friday 7th August.」、2020年7月23日付Instagram「Now more than ever we have to stay in shape physically and mentally.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト