作業療法士も活躍するリハビリテーション

学童保育でも専門的アドバイスが必要

 現代の医療現場では、各専門職の方々が業務分担して患者さんを助けています。

「予防医療におけるリハビリテーションの重要性」では、理学療法士の関わりについてお話ししました。

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予防医療におけるリハビリテーションの重要性 https://cocokara-next.com/lifestyle/importance-of-rehabilitation/

理学療法士に似た職種に作業療法士があります。そもそも作業療法士(Occupational Therapist)はどのような職種なのでしょうか? 作業療法士は身の周りのことなど、日常生活に於けるすべての生活行為を実行可能にするために、その能力を維持し改善する専門職です。分かり易くいえば、朝起きて着替える,歯を磨いたり洗顔する,食事を取る,トイレに行って用を足す,部屋の掃除をする,洗濯物を干す,入浴するなど、日常生活での数々の「作業」がこなせるように、医学的な知識を持って指導してくれるスペシャリストです。

私は作業療法士の活躍する場面は?と尋ねられたら、病院にあるリハビリテーション室を思い浮かべます。最近は在宅リハビリテーションで、患者様のご自宅に足を運んでいらっしゃる先生もいます。


児童生徒の運動能力について、今と昔の比較がニュースになります。その内、ぞうきん絞りができなかったり、新聞を束ねて縛るなど、ひと昔なら普通にできると思われていたことができない子どもが、よく目に付くようになったという。何かしらのアレルギーを持っている子どもが増えたように・・・。全体的な能力低下は将来への不安材料です。学校生活に於いても支援のためには現状把握が第一歩です。

先ず学校生活の中で一番子どもと接している、教員の観察から得られる情報はたいへん貴重です。それを基に、原因~指導方法を導き出すと思うのですが、学校現場の教員に課せられた業務は、他にもたくさんあります。小学生時代にクラス担任だった私の恩師の自叙伝にも、その過酷さが伺える記述があります。どう指導すれば出来ないことが出来るようになるのか?問題を軽減~解決するための原因が複雑化している現代社会では、観察する視点や感覚に限界があるために、専門的視点からサポートしなければならない「作業」もあるはずです。

例えば「片付けができない。」「どうしてできない?」という場合、様々な要因が考えられますよね。元々落ち着きがなかったり衝動的な行動が多くて、ものごとに集中できない。そのような子どもが対象の指導では、臨床心理士やスクールカウンセラーなどの範疇になるかも知れません。それとは別に、身体的な専門知識を兼ね備えた支援が必要ならば、作業療法士が強い味方になってくれるでしょう。

現時点では作業療法士として学校に就職できる制度はありません。しかし授業終了後の学童保育で作業療法士の巡回支援を行っている自治体があります。岡山県では指導員への専門的アドバイスを行うために作業療法士が派遣されています。

この健康わくわくサイトが掲げる「生活習慣病の予防」についての情報は、主に中高年層を対象とした内容になっています。糖尿病などの悪化を防ぐ為に作業療法士のサポートも必要です。厚労省が掲げる「地域包括ケアシステムの実現」を目標に、医療従事者が在宅支援に取り組んでいます。その支援対象を高齢者だけでなく、こども達にも広がれば、老いも若きもいきいきわくわくするコミュニティができるのではないでしょうか。

参考;H31年2月23日 読売新聞 教育ルネサンス 変わる放課後5

[文:健康わくわくサイト 人生100年時代に役立つトレヴィアをお届けします]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸

岡本 頼幸

幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 ~ 免疫検査を通しての患者様への想い ~ 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。

専門職が地道に活躍する場所 「作業療法士」という強い味方