最近、コンビニスーパーで“レジ袋有料化”に伴い、レジ係が客から言葉の暴力を受ける「レジハラ」が話題となっている。筆者は長い間、コンビニアルバイトを続けてきた。現在は知り合いが店長を務める店で時間が空いたときだけ手伝う生活をしている。

 レジ袋有料化が始まってから1か月以上が経過したが、今回はレジ袋にまつわる客から受けたクレームや、不便になったことなどを書いていきたい。万引も増えた。また、新たな傾向も見え始めている。

◆社会に対する不満をレジ係にぶつける客

 レジ袋が有料になった初日、筆者はちょうどシフトに入っていた。年配の男性が「あ、今日から袋にお金取るんだね?」と言ってきた。適当に相槌をうっていると、まるで世間に対して怒るようにこう言い放った。

「袋なんかほとんどエコに関係ないだろ。プラスチックのほうがはるかに問題だろ! おかしなもんだよ!」

 なるほど、その通りだなと思ったものだ。

 とはいえ、困ることもたくさんある。ある爺さんが強力な栄養剤を大量に購入してレジにやってきた。「袋はいりますか?」と筆者が言っても爺さんは全く反応しない。

 近くにいた店長も来て何度もたずねたが無反応なのだ。レジ袋有料化が気に食わないので怒って無視しているのかもしれないと身構えた。

 が、ただ耳が遠いだけのようでジェスチャーを交えて伝えると「袋ください」と返事があった。また、ある中年男性の人は「袋がタダの店もあるし、一斉に全ての店で有料にするべきなんだよな」と文句を言いながら袋を利用した。

 今のところ筆者が直接受けた抗議は皆無だが、社会に物申したいようだった。

レジ袋がいるのかいらないのか判別不能

 スタッフにとっていちばん困るのは、客がレジ袋がいるのかいらないのか、はっきりしない人だ。こっちが聞いているのだから、意思を伝えて欲しい。ただでさえ、飛沫防止シートで視界はよくないし、マスクをしていて口元が見えないのである。

 これはアルバイト仲間にも聞いたが、皆、同じ意見であった。一回、こんなことがあった。

 若いチャラ男アイスと飲み物の二品を購入。小さなカバンもあるし、このパターンはいらないことが多いが、念のため筆者はたずねた。すると、何を言っているの聞き取れない音量でモソモソと言う。確認のために再びたずねるが、どうやら断っているようだ。

 これ以上たずねても問題が起きそうなので会計を済ませた。だが、その男は立ったまま。これはもしかして……と思ったら相手は「いるよ」と怒っている様子。

 心の中では「はっきり言えよ」と思ったが、仕事ではあるので我慢する。

 レジ袋の料金をもらわないといけないので、「すいませんね、間違えてしまって。3円追加でもらえますか?」と告げた。それ以上モメることはなかったが、なぜ客からキレられなければいけないのか。非常に不快に感じた。

◆商品の袋詰めで面倒な事態も…

 お年寄り、子ども、体の不自由な人に「入れてください」と頼まれた場合は、スタッフが手伝って商品を袋に入れるようにしているが、基本的には客が自らマイバックに袋詰めをすることになっている。

 だが、後ろで並んでいる客はイライラすることが増えただろう。なにせ会計後、カバンからマイバックを取り出し、ダラダラとやっている人も少なくない。また、袋詰めの台もあるのだが、スムーズに入れられる人は少ない。スタッフとしてはどうすることもできない状態だ。

 先日、横柄な態度の60歳ぐらいの女性がいた。

 アイスを大量に買って、レジ袋を利用すると思いきや「マイバックに入れるけど、アイスは全部ビニール袋(※スーパーでは惣菜などを入れる小さい袋)に入れて」と面倒なことを言ってきた。

 数個までならひとつの袋に入るので簡単だが、たくさんあるのでいちいち入れるのは今まで以上に大変だった。こんなことを言われるのは初めてだったので戸惑っていると、女性は「あら? いつも入れてくれるわよ」とのこと。それだったら最初から有料のレジ袋に入れてくれれば、まとめて入れられてすごくラクだと思うのだが……。
 
◆マイバック客のダメなパターン

 レジ袋の有料化が始まって1か月以上。レジ袋の辞退率は、セブンイレブンが75%、ファミリーマートが77%、ローソンが76%と発表されている。

 筆者がレジをやっていてもその数字は納得できる。近い将来、レジの近くに袋を置いて、客の意思で持ってくる方法も増えるかもしれない。

 いちばんいいのは、レジで打っている最中に「もう入れていいですか?」と言って入れ始めてくれるマイバックの客。打ち終わる頃には袋にも入れ終わっている。すべてが早く終了する。

 逆にマイバック客でダメなパターンは、レジが打ち終わるまで何も行動を起こさず、会計が済んだ後、専用台にも行かずにレジバックを出して、袋詰めをする人。気がつくと後ろの客が列になっている。

◆新たな傾向、協力的な客が増えた

 時間が経つにつれ、客側の意識も変わってきた。向こうから袋がいるか、いらないかの意思を伝えてくる客が増えてきた。正直ありがたい。

 一応、現在のマニュアルでは客に聞かなければいけないのだが、これからは変わってくるだろう。筆者はベテランなので、ひとつの商品を持ってきた人にはたずねない。袋を持っている人にも聞かない。客からしてもイチイチたずねられるのがウザいのだ。

 だが先日、失敗してしまった。トートバッグを持っている男性がふたつの商品を購入。袋はいらないと思ってそのまま会計。しかし、その人は袋が欲しかったようだ。謝ったら笑顔で3円を支払ってくれた。

 最近は客側も協力的な人が増えてありがたい。

◆どさくさに紛れて万引きが多発

 コロナ禍の不景気とエコバック普及のせいか、万引きが増えている。

 そもそも店に客が入ってくる段階で前の店で購入したものを手に持っていたりするし、店内で商品をカバンに堂々と入れていても当たり前になった。スタッフもうちの商品なのかすぐには判別が難しく、そこを狙って万引き犯は盗むのだ。

 最近、多く盗まれているのがパン、冷凍食品、缶詰、飲み物など、生活臭がするものばかり。犯人はどこにでもいるような若い女性ばかりなのが驚かされる。

 この前、何度も万引きをする女性をマークしていて捕まえたのだが、まだ18歳の某有名大学に通う女子大生だった。地方出身者で両親は共に堅い職業。家庭環境は良さそうだが、警察によると、地元でも高校時代に数回、万引きで捕まっていた前歴があった。

 父親から謝罪の電話が入ったが、このときはやりきれない気持ちになった。<取材・文/浜カツトシ>